2024年(令和6年) 6月12日(水)付紙面より
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家族とはぐれ遭難していた高齢者を保護したとして、酒田警察署(小川広治署長)は10日、酒田市北俣、パート従業員、阿部啓(ひらく)さん(67)と、妻のまり子さん(65)に感謝状を贈った。
同署によると、先月16日午前7時ごろ、啓さんが自宅近くで草刈り作業をしていたところ、山の方から70代女性が手招きしながら歩いて来た。「山で遭難し夫とはぐれてしまった」などと話したことから女性と自宅に戻り、まり子さんに事情を説明。まり子さんは女性におにぎりとお茶を手渡すなど保護した後、110番通報し駆け付けた同署員に引き継いだ。
女性の話と歩いて来た山の方向が食い違っていたため、阿部夫妻は「女性の夫も近くで遭難しているかもしれない」と車で近くの山を探したところ、同日午前8時ごろ平田地域の山中の林道で普通乗用車と近くに座り込んでいた80代男性を発見。声を掛けると「山で妻とはぐれた。車の鍵を妻が持っていたので乗れなかった」などと話したことから車に乗せて下山し再度通報、同署員に引き継いだ。
遭難した2人は前日の15日午後0時半ごろに山菜採りのため入山したが、夜になっても2人とも帰ってこなかったため家族が行方不明者届を出していた。
この日の贈呈式は同署で行われ、小川署長は「地域に詳しい住民の視点だからこそ分かったこと。機転を利かせた行動に感謝しかない」とたたえ、2人に感謝状を手渡した。
啓さんは「本当に無事見つかって良かった。2人が再会できたのを見て安心した」、まり子さんは「けがなく無事に帰ることができて何より。通報は緊張したが無事連絡がついて良かった」とそれぞれ話した。