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2024年(令和6年) 6月12日(水)付紙面より

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鶴岡の食文化を未来へ 「和食」全国巡回展に合わせ座談会

 つるおか食文化創造都市座談会2024「食文化の伝統と創造」が9日、鶴岡市の鶴岡アートフォーラムで行われた。同館で開催中の全国巡回特別展「和食~日本の自然、人々の知恵~」に合わせたイベントで、同展監修を務めた佐藤洋一郎さん(ふじのくに地球環境史ミュージアム館長)をはじめ、鶴岡市の食文化に関わる人たちが地域で受け継がれてきた食文化や未来への思いを語った。

 今年12月にユネスコ食文化創造都市の認定10周年を迎える鶴岡市では、節目の年に合わせた記念事業として特別展や食文化体験、まち歩きなどさまざまな関連イベントが行われている。

 座談会は記念事業の一環として鶴岡アートフォーラムと市教委の主催で実施した。登壇者は佐藤さんのほか山形大農学部の江頭宏昌教授、合同会社Maternal(マターナル)の小野愛美代表、DEGAM鶴岡ツーリズムビューローの中野律さん、市食文化創造都市推進協議会の俵谷敦子さん、山形大名誉教授の平智さんの6人。市民など約40人が聴講した。

 平さんが進行役を務め、食文化の伝統と創造に絡めた「過去、現在、未来」をテーマに、庄内の食の魅力や思い出などを登壇者が語った。

 この中で金山町出身の小野さんは鶴岡市内の日本料理店で勤務した時の体験として「お客さまから『今日のカレイはなんだや』と聞かれ、『ヤナギガレイです』と返したら『クチボソでねなが』とがっかりされた。なんて口が肥えた人たちのいる地域だろうと驚いた」とエピソードを披露した。

 また、江頭教授は「国登録無形民俗文化財に登録された庄内の笹巻は、地域によって形や色、作り方などさまざまな違いがある。中身が黄色の南庄内の笹巻は、灰汁(あく)で煮ることと笹の葉が着色に大きく関わっている」と解説し、他の登壇者からも驚きの声が上がっていた。

 食文化の未来に関して佐藤さんは国内の自給率の低さについて言及。「耕作放棄地が増えてクマやイノシシが出没し、食料を作ることがさらにままならなくなる。30年後この国はどうなっているのか、現在の若者は目の当たりにすることになる。食べ物を守ることは生活を守ること。未来に向けていま、しっかりと考えなくてはならない」と警鐘を鳴らした。

庄内の食文化に関わる登壇者たちが、地域食の伝統と未来への創造について思いを語った
庄内の食文化に関わる登壇者たちが、地域食の伝統と未来への創造について思いを語った



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