2024年(令和6年) 6月19日(水)付紙面より
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女性審査員のみで優れたワインを決める「”SAKURA”Japan Women,s Awards」(サクラアワード)2024で、庄内のワイン3品がゴールド賞を受賞し17日、鶴岡市羽黒町松ケ岡のピノ・コッリーナで授賞式が行われた。同アワードを主宰する田辺由美氏が来県し、受賞ワインを醸造したピノ・コッリーナファームガーデン&ワイナリー松ケ岡と、JA庄内たがわ農協月山ワイン山ぶどう研究所に記念の盾を手渡した。
サクラアワードは、日本のワイン業界で活躍する女性が審査を行う国際的なワインコンペティション。11回目の今回は27カ国から4023品のワインがエントリーされた。ゴールドは全てのカテゴリーの中で、審査員の平均点が88~93点未満のワインに与えられる。最高賞のダイヤモンドトロフィー、ダブルゴールドに続く優秀賞で1441品に贈られた。
受賞した庄内ワインの銘柄は、ピノ・コッリーナがいずれも白ワインの「鶴岡甲州2022」と「蔵出し甲州2023」、月山ワインが赤の「ソレイユルバンベーリーA2019」。
授賞式は田辺氏のトークイベントも兼ねており、県や市、酒販業者など約30人が出席した。参加者が見守る中、月山ワイン山ぶどう研究所の醸造担当者の阿部豊和さんと、ピノ・コッリーナファームガーデン&ワイナリー松ケ岡の早坂剛社長に記念の盾が贈られ、それぞれ「いつも応援してくれる皆さんのおかげ。これを機にますます精進したい」と謝辞を述べた。
その後のトークイベントで田辺氏が「2014年に始まったサクラアワードは、『ワインをもっと知ってもらい、楽しみ方の手段を提供する』『日本の家庭の食卓に合うワインの発掘』『女性の活躍の場を増やす』の3つがスローガン。国内のエントリー数は山梨県に続いて山形県が多い。ワイナリーは27と少ないが61アイテムが出品しており、県民の熱意を感じる」とサクラアワードについて解説した。
また、OIV登録品種協議会代表理事の松尾英里子氏が庄内産甲州ぶどうの魅力について「江戸期に鶴岡市西荒屋で栽培された記録が残っており、山梨県と同じぐらいの歴史がある。甲州ぶどうの北限であり、ミネラルや塩味を感じる切れのある酸味が特徴。全国で甲州が品薄となっており、鶴岡産甲州を求める声が高まっている」と述べた。
続いてテイスティングセミナーが開かれ、田辺氏が各受賞ワインの風味や特徴、おすすめの飲み方などを指南。「グラスを10回ほど回すと香りが立つ」「口に含むとフレッシュ感が際立つ」「赤はぜひ、ウナギと一緒に食したい」などと解説した。