2024年(令和6年) 6月20日(木)付紙面より
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新潟県境近くの庄内沖を震源に鶴岡市で震度6弱を観測した山形県沖地震から5年となった18日、同市は同じ規模の地震発生を想定した訓練を実施した。1月の能登半島地震も踏まえ、避難所の運営や備蓄物資の輸送などの対応を確認した。
訓練は5年前と同規模の地震が発生し、市内で震度6弱の揺れが観測され、沿岸への津波警報発表に伴い市が沿岸部に避難指示を出したとの想定。災害対策本部が設置される市役所本庁舎と各支所庁舎などをオンラインで結んで訓練を実施し、災害対策本部員となる幹部職員や防災担当職員ら約30人が参加した。
コミュニティセンターや地区公民館などの2次避難所で運営に当たる職員から対策本部に状況報告があり、避難者数や備蓄物資の食料、飲料、段ボールベッドの過不足などの情報を伝達。津波警報が発表され、沿岸部の国道7号が通行止めとなった能登半島地震を教訓に、津波浸水想定区域や通行止めなどを避けて備蓄物資を輸送するルートを災害対策本部と避難所で共有した。
訓練後、災害対策本部長を担う皆川治市長は「5年の節目に災害対策本部としての初動態勢を確認した。いざという時に対応できるよう訓練を積み重ねたい。津波浸水が想定される区域での避難の在り方、避難所の備蓄物資充実など、能登半島地震での課題を見据え対策を進めたい」と話した。
山形県沖地震は2019年6月18日午後10時22分に発生し、同市温海川で県内観測史上最大の震度6弱、同市の温海と道田町で震度5強、酒田市と三川町で震度5弱を観測。庄内から石川県にかけて津波注意報が発表された。鶴岡市と隣接する新潟県村上市府屋では震度6強を観測した。鶴岡市では温海地域を中心に屋根瓦損傷などが相次ぎ、市全体で1025棟の建物に被害が出た。