2024年(令和6年) 7月13日(土)付紙面より
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鶴岡市立加茂水族館魚匠ダイニング沖海月は夏限定で地元の山菜を使った新メニュー「山艸(さんそう)そば」の提供を始めた。江戸時代初めに湯殿山の山中で作られたという「湯葉」と地元で採れた赤コゴミやワラビの食感が楽しめる。
「山艸そば」は沖海月の須田剛史料理長(48)と加工食品を販売する「やまぜん食品」(鶴岡市我老林、渡部欣也代表取締役)が共同開発した。
やまぜん食品では鶴岡市の朝日、温海両地域の農家ら約200人が採った山菜を買い取り「浄活水システム」というミネラルとマイナスイオンを豊富に含んだ水で水煮などに加工。県内外で販売しているが特に首都圏に住む人たちから「加工した山菜とは思えない」と評価を受けている。
鶴岡の食文化を県外客にアピールしようと四季折々の新メニューを考えている須田料理長と思いが一致。地元で採れた山菜を素材に清涼感あふれる一品に仕上げた。乾燥したものを戻した赤コゴミやワラビ、ミズといった山菜は「生」に近い食感で、細麺のそばとの相性は抜群だ。
やまぜん食品の渡部代表取締役(72)は「山菜採り農家にも高齢化の波が押し寄せている。地域の食文化、山菜文化を守ることが食品を扱う私たちの使命。須田料理長が考案した夏にぴったりと言える『山艸そば』を多くの人に食べてもらいたい」と話している。
「山艸そば」は税込み1300円。暑さが和らぐ9月中旬ごろまでの提供を予定している。