2024年(令和6年) 8月10日(土)付紙面より
ツイート
庄内町は2日から11日までの日程で、町役場に来庁せずに行政サービス手続きなどができる「マルチタスク車両」を活用した移動図書館の実証実験を行っている。マルチタスク車両を利用した移動図書館の試みは全国2例目という。町では「町民からも好評で、今後もマルチタスク車両の新たな活用法を探っていきたい」としている。
マルチタスク車両は、体の不自由な人や中山間地の住民などを対象に、行政システムにつながる端末を搭載した車が出向くことで町役場に来庁せずに行政サービスを受けることができる「行政MaaS(マース)」の取り組み。町では昨年11月に車両1台を導入した。これまでに町公式ラインによる申し込みを受けて申請者に出向くサービスのほか、イベントなどに出張して移動型スマートフォン教室やデジタル健康チェックなどで活用している。
実証実験は車両を開発した「MONET Technologies(モネ・テクノロジーズ、本社・東京都千代田区、清水繁宏社長)」の全国活用事例の紹介を受け、活用法の新たな可能性を探るため実施した。移動図書館としての活用は熊本市東区小山町に続いて全国2例目という。
今回は車両に町立図書館の児童書を中心に約300冊を積載し、2日に町内の学童保育所3カ所で実施したのを皮切りに、余目第四まちづくりセンター(7日)、立谷沢まちづくりセンター(8日)で実施。11日には県道44号沿いの目抜き通りで行われる「しょうない氣龍祭」も含め町内計6カ所で行われる予定。マルチタスク車両から町立図書館のシステムにつなぐことにより貸し出しなどもスムーズに行うことができ、利用した町民からも好評だったという。
町では「また来てもらいたいとの声も多かった。来年以降実施するかはまだ決定していないが、マルチタスク車両のさまざまな活用法を探っていきたい」と話している。