2024年(令和6年) 8月25日(日)付紙面より
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障害者と健常者が一緒に海や浜辺、マリンアクティビティを楽しむイベント「ユニバーサルビーチフェスティバルinねずがせき」が24日、鶴岡市鼠ケ関のマリンパークねずがせきで開かれた。ゴムマットを砂浜に敷いて車椅子利用者が波打ち際まで行き来できるようにし、「ユニバーサルビーチ」(万人の砂浜)を実現。大型のスタンドアップパドルボード(SUP、サップ)に乗った車椅子利用者は「車椅子で海での遊びを楽しめるなんて」と喜びの声を上げた。
県内の環境関連NPOなどでつくる市民団体「ドリームやまがた里山プロジェクト」(代表理事・小谷卓鶴岡高専名誉教授)が主催し、昨年初めて開催した。
同団体は県自動車販売店リサイクルセンター(本社・山形市、遠藤榮次郎社長)の協力と、日本財団(本部・東京都)の「海と日本プロジェクト」の助成を受け、自動車の使用済みパーツをリサイクルしたバリアフリー関連の製品開発を進めている。2020年にはマリンパークねずがせきで、車椅子やベビーカー利用者でも浜辺に近付けるようスロープを建設。コンクリート製で廃棄車両のフロントガラスやバンパーを粉砕して混入した。
今回のイベントで用意したゴムマット(縦1・8メートル、横0・9メートル)は、廃タイヤをリサイクルして100枚製作。うち24枚をスロープから砂浜まで敷き、車椅子利用者が波打ち際まで行き来できるようにした。
この日のイベントには同プロジェクト関係者や活動への賛同者、団体、一般など含めて200人余りが参加。子どもも大人も一緒になって5、6人が乗れるビッグサップや2人乗りの水上自転車、シーカヤックなどのマリンアクティビティを楽しんだ。
車椅子利用者で山形市から訪れた70代男性はビッグサップを楽しんだ後、「雨に降られたけど楽しかった。最高」と笑顔。「海で遊ぶのは20代以来。車椅子でこんなに海を楽しめるなんて」と話していた。
また、同じく車椅子利用者で夫や子どもと一緒に訪れた鶴岡市の30代女性は「海に行くことを敬遠していた。子どもと一緒にビッグサップで波に揺られて本当に楽しかった」と語った。