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2024年(令和6年) 8月25日(日)付紙面より

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庄内の地に受け継がれた美の感性 致道博物館 白甕社創立100年記念企画展

 今年で創立100周年を迎えた庄内の美術団体・白甕社をはじめ、近代以降の庄内画壇の遷移を展観する企画展「白甕社創立100年記念ART de Shonai 庄内の美術」が23日から鶴岡市の致道博物館で始まった。同館にゆかりのある物故作家の油彩や水彩画、日本画、版画などが展示され、庄内の地に脈々と受け継がれてきた美の感性を紹介している。

 計44点を展示。約8割は各作家や家族、遺族などが致道博物館へ寄贈したもの。展示は1~3章に分かれており、第1章「近代黎明期における庄内の画人たち」では明治期の庄内画壇を紹介。庄内は美術の変革の波が中央より緩やかで、江戸絵画の流れをくむ画僧・市原円潭氏(1817―1901年)などが知られる一方、早くから油彩画を手掛けた旧庄内藩士・石川淡遷氏(1848―1925年)が活躍した。市原氏の日本画と石川氏の油彩画が飾られ、作風の違いを楽しめる。

 第2章「小貫博堂と門下の日本画家たち」は、白甕社設立以前に庄内の学生たちへ優れた美術教育を施し、数多くの美術家の才能を開花させた小貫博堂氏(1879―1960年)と教え子たちの絵画を紹介。教え子の一人・真嶋北光氏(1900―60年)の大作「鱸図」(136センチ×142センチ、個人蔵)は、皿に載った2匹のスズキを描いた作品。花鳥画や魚を好んで描いた真嶋氏の作品らしく、精緻な筆致が目を引く。

 第3章「白甕社の誕生とその発展」は、現代まで庄内美術を受け継いできた美術団体の作家たちの作品を展示した。2代目会長の地主悌助氏(1889―1975年)の自画像などが飾られたほか、長く委員長を務めた今井繁三郎氏(1910―2002年)の油彩画「鳥海山」は今回が初出展という。

 展示は来月16日(月)まで。期間中の催しとして、今月31日(土)午後2時から同館学芸員によるギャラリートークが行われるほか、来月7日(土)午後2時から山形美術館副館長の岡部信幸氏を講師に迎えた特別講座「山形の美術~絵画を中心に~」が開かれる。特別講座は先着40人。問い合わせは致道博物館=電0235(22)1199=へ。

   ※    ※

 白甕社は1924(大正13)年、絵画の研究と地方美術の啓蒙(けいもう)を目的に旧制鶴岡中学校(のちの鶴岡南高校、現致道館高校)に在学していた野坂是勇氏(1907―87年)が齋藤求氏(1907―2003年)など美術愛好の同志に呼び掛けて立ち上げた。当初の名称は白虹社で、のちに野坂氏が実父から「中国故事で白虹は不吉の兆しで、会の名称としては縁起が悪い」と教えられたことから白甕社に改称した。

企画展「ART de Shonai 庄内の美術」がスタート。近代以降の庄内画壇の遷移を紹介している
企画展「ART de Shonai 庄内の美術」がスタート。近代以降の庄内画壇の遷移を紹介している



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