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2024年(令和6年) 9月28日(土)付紙面より

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実りの秋に食品ロスを考えた

 秋、街には秋の実りのおいしい食べ物が出回っている。つい、あれもこれもと手にしたくなる気持ちに駆り立てられる。しかし、いっときの気持ちが食品ロスにつながることがあるかもしれない。外食でも、家庭での食事でも「食べ切ることができる」ことを心掛け、食べ物を大事にしなければならない。10月は「食品ロス削減月間」という。

 国内で廃棄される食品は、環境省の調べで2022年度の推計は472万トン。前年度比で約51万トン減った。食べ物を粗末にしない意識の広がりとの見方がされている。同省は外食での食品ロスをなくすため、飲食店での食べ残しを持ち帰る行動「mottECO(モッテコ)」で、さらに削減したい考えだ。

     ◇       ◇

 元酒田市中央公民館長の成田晴夫さんが、エッセー集『煙のごとく』で、次のような事を書いている。「宴席に出る機会があると、お膳の上のごちそうのうち、持ち帰りできるものは早々に折り詰めにしてもらう」などと。宴たけなわになると話に夢中になって、つい食べ残すことが多く「もったいないから」などが理由のようだ。エッセー集の発行は1994年。成田さんは30年以上前に、既に「mottECO」を実践していたことになる。

 廃棄された22年度の食品ロスの内訳は家庭系、事業系ともに236万トン。事業系の中でも外食産業での食品ロスを減らすため、食べ残しを客が持って帰るための容器「ドギーバッグ」が推奨されて久しい。環境省の調査でも、消費者にも持ち帰りを希望する声があるという。

 しかし、「持ち帰りたい」と告げることに恥ずかしさを感じることもあるようだが、成田さんのことを例にすれば、日本には「宴席でのごちそうを持ち帰る」という“文化”のようなものが以前からあった。もちろん今もある。成田さんが折り詰めにしてもらう容器は、今でいう「ドギーバッグ」に当たる。もちろん、食べ切れずに持ち帰るのは、生もの以外の自宅で再加熱できる食べ物が多いだろう。

     ◇       ◇

 食品ロスでの廃棄分は、家畜の飼料になったり、処理工場で可燃ごみとして処分される。水分を含む食品は焼却の際に二酸化炭素(CO2)を排出して環境悪化につながる。食べ残しに「プラス材料」はない。

 国内の1年間の食品ロス量は、国民1人が1日茶碗1杯分を捨てている計算になるという。また、世界では13億トンにもなり、世界の食料生産量の3分の1に当たる。地球の人口は今後も増え続け、地球温暖化が食料生産に影響することを考えると、食べ物を粗末にしていい理由はどこにもない。まして、食料自給率が40%を割っている日本では、なおさらのこと。食べられるだけ注文して「完食」することが、調理した人と生産者への感謝になる。そのような気持ちを、出来秋にみんなして持ちたい。

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