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荘内日報ニュース


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2024年(令和6年) 1月6日(土)付紙面より

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市勢・産業発展へ決意新た 鶴岡・酒田賀詞交換会 食文化生かし付加価値向上を〔鶴岡〕 課題解決向け果敢に挑戦〔酒田〕

 鶴岡市の賀詞交換会が4日、東京第一ホテル鶴岡で開かれた。各界の代表者など約300人が出席し、国外の政情不安などを受けてエネルギー価格や資材が高騰する中、地方の産業発展や人口減少対策に向けて決意を新たにした。

 国歌と市民歌斉唱、市民憲章唱和の後、皆川治市長が「能登半島の地震で亡くなられた方のご冥福を祈るとともに、被災された方々へお見舞い申し上げる」と述べ、「本市は今年、ユネスコの食文化創造都市に認定されてから10周年、羽越本線全線開通から100周年とそれぞれ節目の年となる。持続可能な地域づくりに向けて私たちは食文化創造都市を、電車の利用の在り方を再定義する必要がある。新たな観光戦略の下で食文化を生かし、100年の歴史を誇る鉄道と連携し、付加価値を高めた交流人口の拡大に取り組んでいく」とあいさつした。

 続いて鶴岡商工会議所の上野雅史会頭が「地域経済の再生に向け、商工会議所として現場の立ち位置から具体的提案と行動を続ける。地域の中小企業がコロナ後の環境変化へ柔軟かつ的確に対応できるよう、DXなどによる生産性向上、組織の再構築、取引の適正化などを通じた付加価値の向上に向け、きめ細かい経営支援に努めていく」、出羽商工会の上野隆一会長が「鶴岡市の人口は11年後に10万人を割ると予測されている。コロナ禍という厳しい試練を通じて知恵を深め、心を強くして次の時代に挑戦する意気込みを持てば、新しい時代を生き抜く力となる。そのために出羽商工会は会員の支援に全力で取り組む」とそれぞれあいさつした。

 また、衆院議員の加藤鮎子内閣府特命担当大臣(44)=自民、山形3区=や、舟山康江参院議員(57)=国民=も出席し年頭のあいさつを述べた。

 本紙の新年展望の取材に対し鶴岡信用金庫の佐藤祐司理事長(66)は「情報通信の分野で第四次産業革命とされる現在、世の中が大きく動いており、この流れにどう乗るかが大事。そのためには個人でも企業としても変革と挑戦を続けることがポイント」、建築資材販売や関連工事を手掛ける阿部多の阿部廣弥社長(64)は「コロナが明け、さらに鶴岡は食と観光に特化するべき。また、少子化と高齢化は避けて通れない問題だが、切り離して考えなければならない。高齢化は人口に対してプラスであり、マイナスとなる少子化を打破することが課題解決の道」、住宅用サッシなどを販売する山形総販の佐藤聡社長(55)は「やはり国外の政情不安による資材高騰が悩みの種。世界が平和になれば日本の経済も安定し、若者が安心して暮らせる社会となることで少子化への対策となるのでは」と話した。


 酒田市と酒田商工会議所主催の新年賀詞交換会が4日午後、同市のガーデンパレスみずほで行われ、地元経済人らが新年を祝い、市勢発展への決意を新たにした。

 約330人が出席。国歌斉唱に続き矢口明子市長と加藤聡酒田商工会議所会頭が年頭あいさつを述べた。このうち加藤会頭は「酒田の課題解決に向け、市、市議会と三位一体になって果敢にチャレンジしたい。厳しい一年になると思うが、力を合わせてみんなで一歩一歩乗り越えていこう」と呼び掛けた。

 加藤鮎子内閣府特命担当大臣は、アランマーレのV1昇格、北の若関の幕内昇進、大型クルーズ船の寄港再開、ご当地ラーメン日本一に触れ、「酒田にとって昨年は『昇り龍』を先取りした一年だったように思う。さらに飛躍する一年になることを祈念する」、舟山康江参院議員は「時代の風をうまく読み取り、『進取の気性』を持っているのが酒田。歴史・文化に新しい風を取り入れ、さらなる発展を」とそれぞれあいさつした後、佐藤猛市議会議長の発声で乾杯した。

 一方、会場では能登半島地震の被災地に贈る義援金の募金活動も行われ、大勢が協力していた。

 2024年のスタートに当たり地元経済人から今年の展望など聞いた。ブルーの齋藤健太郎代表取締役社長(51)は「業界によっては社員が定着せず、人手不足の深刻化が増す一年になりそうだ。どう人材を確保していくか、イメージ戦略が大事」と。庄内園芸緑化の渡部佐界代表取締役会長(76)は「先が見えない時代。山積する課題に対しこの一年、一つ一つ落ち着いて前に進めていくことが大切になる」と話した。安藤組グループの安藤政則代表取締役社長(71)は「『辰(たつ)年』ということで大変革の年になると思っている。今こそ地域における自分の使命を見据え、一点集中して取り組んでいく年になるのでは」と。賀詞交換会で司会を務めたチアーズの加藤明子代表取締役社長(61)は「今年はインバウンドなどの観光を推進させ、『交流都市・酒田』として前進していけたら。日本海側の防災に関しても、改めて意識を強めなければ」と話した。

鶴岡各界の代表者が情報交換し、地方の課題解決へ決意を新たにした
鶴岡各界の代表者が情報交換し、地方の課題解決へ決意を新たにした

鏡開きや乾杯で新年を祝った酒田の新年賀詞交換会
鏡開きや乾杯で新年を祝った酒田の新年賀詞交換会


2024年(令和6年) 1月6日(土)付紙面より

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暖冬も…… ゴルファーに吉報!! 庄内ゴルフ倶楽部 仮オープンこの時期“初”初打ち楽しむ

 庄内町狩川の庄内ゴルフ倶楽部(剱持伸支配人)が5日、仮オープンし、待ちかねたゴルファーらが今シーズンの初打ちを楽しんだ。この時期の仮オープンは「ここ20年でも初めて」(剱持支配人)といい、思いがけない吉報に同倶楽部はゴルファーの笑顔であふれた。

 今年は例年にない暖冬で年明け後、多少ウエットながらもコースに雪がないことから、同倶楽部ではコースの清掃後、4日昼にSNSで仮オープンを告知した。

 仮オープン初日となったこの日は、青空の下、庄内一円から28組約80人が今シーズンの初プレーを楽しんだ。鶴岡市の阿部成幸さん(76)は「普通なら雪でプレーできないのでありがたい。楽しんでプレーしたい」、剱持支配人は「例年はこの時期1メートルほど雪があり、こんなに雪がないのも初めて。5、6日を仮オープンとしているが、雪が降らなければ今後も継続したい」とそれぞれ話していた。

今シーズンの初プレーを楽しむゴルファー
今シーズンの初プレーを楽しむゴルファー


2024年(令和6年) 1月6日(土)付紙面より

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初競り 威勢の良い声響く 庄内青果物市場 酒田魚市場

 昨年開設50年の節目を迎えた三川町押切新田の公設庄内青果物地方卸売市場で5日、「初競り」が行われた。約1週間ぶりに仲買人の威勢のいい掛け声が場内に飛び交った。

 初市行事では庄内広域行政組合の理事長を務める皆川治鶴岡市長が「農産物の流通を安定させることが重要。消費者にしっかり届けるため、市場としての役割を発揮しなければならない。今年一年、よろしくお願いしたい」とあいさつ。同組合副理事長の矢口明子酒田市長の景気良い三本締めで今年最初の競りに入った。

 ひな壇には買い受け人が並び、ダイコン、ナガイモ、タマネギ、ハウス栽培のサクランボなどが次々と競り落とされた。今後は青島ミカンや栃木のイチゴ、千葉のサツマイモ、静岡のレタスなどが中心という。

 庄印庄果の齋藤弘明代表取締役社長は「野菜と果物も順調に入荷し、潤沢な新年のスタートといえる。(能登半島地震で)被災した方は大変な思いをしているが今のところ物流的な影響は出ていない。特に今年は2024年問題が大きな課題。安定供給に向けて行政と連携を取りながら対応に努力したい」と話した。


 酒田市の酒田水産物協同組合(酒田水協、小野良文代表理事)の初競りが5日朝、同市船場町二丁目の酒田魚市場(社長・大川賢一日本海水産社長)で行われた。集まった魚介類は少なめだったものの、ほぼ1週間ぶりに威勢の良い競り声が場内に響いた。

 酒田水協は酒田魚市場の仲買人組織。毎年1月5日朝に初競り行事を行い、その年の商売をスタートさせる。この日は全国から集まったマダラ(寒鱈)、ブリ、タイ、カンパチなどのトロ箱が並んだ。

 午前7時半から初競り行事が行われ、全員で神棚を拝礼し今年一年の発展を祈願。大川社長は「イカも駄目、サケも駄目、サンマも駄目と昨年は『ダメダメ尽くし』だった。今年も早々に大きな災害があり、良くない状況からのスタートとなるが、市民に公正な値で安全な食を届けなければいけない。昇り龍のように上昇する一年になるよう祈念する」とあいさつ。安川智之副市長は「厳しい状況が続く中、現場の皆さんの声を聴き市としてできる限りの支援をしたい。今月28日には『酒田日本海寒鱈まつり』が開かれる。豊漁を期待する」と述べた。

 乾杯、三本締めの後、競りがスタート。競り人の威勢の良い声が場内に響き渡ると、買い受け人が箱詰めされた魚介類を次々と競り落として早速、トラックに積み込んでいた。

威勢のいい掛け声が響いた庄内公設市場の初競り
威勢のいい掛け声が響いた庄内公設市場の初競り

競り人の声が場内に響き渡った酒田水協の初競り
競り人の声が場内に響き渡った酒田水協の初競り


2024年(令和6年) 1月6日(土)付紙面より

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「いい子になります」誓う 恒例の奇習・アマハゲ集落を巡る 遊佐

 奇習「アマハゲ」が3日夕方から、遊佐町吹浦地区の女鹿(めが)集落で繰り広げられた。鬼や翁などの面をかぶり、わらみのを幾重にも巻いたアマハゲが奇声を発しながら家々に上がり込むと、子どもたちは恐ろしさのあまり泣きながら「いい子になります」と誓った。

 アマハゲは、同地区の秋田県境に近い滝ノ浦、女鹿、鳥崎の3集落に伝わる行事で、それぞれ元日、3日、6日に行われている。子どもたちを引きずり回して勉学や手伝いを促す一方、お年寄りの肩をもみ長寿を祈る。山から降りてくる神の化身とされ住民は酒などを提供しねぎらう。「遊佐の小正月行事」の一つとして国重要無形文化財に指定され、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産にも登録されている。

 今年は元日に、石川県能登地方を震源とする大地震の発生に伴い庄内沿岸に津波警報が発令されたため、滝ノ浦集落では住民が高台に避難。中止を余儀なくされた。

 通常開催となった女鹿は20代から40代の男衆7人がアマハゲに扮(ふん)し、集落の鎮守・八幡神社で祈祷を行って午後4時半ごろ、太鼓の先導で出発。中心通りを南下しながら、昨年に不幸があったなどでアマハゲを招き入れることができない家を除き、約20軒を回った。

 アマハゲの洗礼を受けると健康に育つといわれ、池田和博さん(72)宅では親戚や知人の子どもたち10人近くが待ち構えた。アマハゲが勢いよく上がりこみ抱きかかえようとすると一瞬にしてパニック状態に。大きな悲鳴を上げ、両親や祖父らにしがみついて必死の抵抗を試みた。吹浦保育園年長の高橋葉瑠(はる)君(6)は「怖かった。いい子になると約束した」と、唇を震わせながら話していた。

赤鬼(右)に抱えられ悲鳴を上げる男の子=3日、女鹿
赤鬼(右)に抱えられ悲鳴を上げる男の子=3日、女鹿



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