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荘内日報ニュース


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2024年(令和6年) 1月7日(日)付紙面より

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庄内初の中学受験 致道館中に挑む 定員99人に219人 2.21倍

 今年4月に開校する中高一貫校「山形県立致道館中学校」の第1期生の入学者選抜の「適性検査」が6日、同校の校舎となる鶴岡市若葉町の鶴岡北高で行われた。定員99人に219人が志願し、志願倍率2・21倍の高い倍率に、小学6年生の児童が挑んだ。庄内地域では初の「中学受験」の実施となり、受検者の児童たちは緊張の表情で検査会場の鶴岡北高の校門をくぐり、付き添いの保護者からは「頑張って」の声が飛び交っていた。選抜結果は12日に通知される。

 致道館中学の入学者選抜はこの日、午前9時半に始まった。冒頭の約5分間の外国語(英語)のリスニングと国語、算数、理科、社会など小学校の教育課程に基づく総合的な出題がある55分間の適性検査(配点100点)に続いて、作文(40分間、配点35点)、集団面接(15分程度、配点15点)が行われ、休憩や連絡などを含め昼過ぎまで続いた。

 この日の検査の合計点と、小学5・6年の各教科の評定合計点を同じ比率で扱い、合否を判定する。

 検査の受け付けは午前8時半から始まり、受検の児童たちは同8時ごろから保護者と一緒に会場を訪れ、鶴岡北高校門前は開場を待つ人であふれた。会場に入られるのは受検者のみ。鶴岡市内の男子児童は校門前で「とっても緊張します」と硬い表情で話し、付き添った父親(48)は「本人の希望で受検を決め、秋から学習塾に通ってやれることはやったが、年末年始の休みの間はずっと緊張していた。2倍を超える倍率で、親の方が緊張している」と話した。

 鶴岡北高近くでは、学習塾の講師陣が路上に立ち、会場に向かう子どもたちに激励の拍手と一緒に「頑張れ」と応援する姿があり、講師たちは「緊張するぐらいがちょうどいい」と受検者の気持ちを和らげていた。

致道館中学の検査会場・鶴岡北高に向かう受検者ら。庄内で初めて「中学受験」が実施された=6日午前8時20分ごろ
致道館中学の検査会場・鶴岡北高に向かう受検者ら。庄内で初めて「中学受験」が実施された=6日午前8時20分ごろ


2024年(令和6年) 1月7日(日)付紙面より

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冷水浴び身体堅固願う 酒田市飛鳥 4年ぶり伝統の「裸詣り」

 酒田市飛鳥の飛鳥神社(佐藤ふじ子宮司)で5日夕、伝統行事「裸詣(まい)り」が4年ぶりに行われ、下帯姿の男性たちが冷水を浴びて参拝し、五穀豊穣(ほうじょう)や身体堅固、地域の安寧を願った。

 病気や農作物被害をもたらすツツガムシを退治するため、この虫をかたどった大たいまつを焼き、五穀豊穣などを祈願する年越し行事「松例祭」の一環。主役の松若勢(まつわかぜ)と年男たちが祭礼前、冷水で身を清めたのが始まりといわれる。一時途絶えていたが、1977年に旧平田町の青年会「平田の行事を楽しくする会」が復活させ、その後、氏子会が引き継ぎ続けている。

 コロナ禍の影響で4年ぶりとなった今年は、8歳から50代までの男性8人が参加した。下帯と足袋だけの姿となった参加者は、本殿で祈祷(きとう)を受けた後、本殿南側の仁王堂の周囲を一周。堂前の「お清め場」で冷水を浴び、本殿に参拝することを3回繰り返した。

 雪はないものの寒風が吹きすさぶ中、裸の男性たちは「わっしょい、わっしょい」と勇ましい掛け声とともに仁王堂周囲を走り、お清め場で世話役の女性たちから冷水を掛けられると声を上げ、必死の形相で冷たさをこらえていた。初めて参加した共に南平田小2年の石黒涼丞(りょうすけ)君(8)と阿部創史(そうし)君(8)は「水が冷たくて寒かったけど我慢できた。サッカーがうまくなれますように、強くなれますようにと願った」と話した。

お清め場で冷水を浴びる男性たち
お清め場で冷水を浴びる男性たち


2024年(令和6年) 1月7日(日)付紙面より

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一日一題 辰年が希望を持てる年であれ

 辰(たつ)年を迎えた。十二支では「草木が茂り活力が旺盛になる」東南の方位に当たる。昨年、株価はバブル期に並ぶ高値に達した。しかし景気は一般まで及んでいない。非正規雇用やパート労働で収入が不安定な人は多く、年末、首都圏では炊き出しに並ぶ列ができた。

 景気は上向いているというものの、一方は好景気、もう一方は生活に窮しているアンバランスな現状は、政治と経済の歯車がうまくかみ合っていないからではないか。「辰」の読み方を「断つ」や「立つ」に置き換えてみたい。国民がさまざまな困難を断ち切り、明日に向かって立ち上がるために、何よりも先に政治の信頼回復を図るべきだ。

 4月、「県立致道館中学校・高等学校」が開校する。鶴岡南高と鶴岡北高の両県立高校を統合し、新たに県立中学校を併設する。長い歴史を刻み、有為な人材を送り出してきた二つの高校の歴史が閉じられることを惜しむ声もある。しかし、庄内藩校・致道館の名称と「自ら考え学ぶ」藩校の精神が新しい学校に受け継がれる意義は大きい。中高一貫教育の学校は県内で2校目だが、庄内の風土の中で大きく羽ばたく人材が育ってくれるはずだ。

 8日は成人の日。総務省の人口推計では、2024年の新成人(18歳)は約106万人。23年比6万人減で過去最少になった。新成人が生まれた05年の、1人の女性が生涯に産む子どもの数を示す「合計特殊出生率」の1・26も過去最低だったという。結婚する年齢が高くなり、男女とも一度も結婚しない「生涯未婚率」も増えている。政府も少子化対策を打ち出しているが、「なぜ結婚しないのか」の原因を突き止め、結婚できる環境整備こそ肝心だ。

 厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所が発表した50年の「地域別将来推計人口」で、庄内5市町の人口は16万517人。20年の26万3404人の約6割まで減る。将来的に「消滅」する恐れのある自治体が全国で1000を超すとの見方もある。地方都市ほど厳しい環境に置かれている。

 そうした中、鶴岡商工会議所は「人口が減少しても消滅しない都市」を目指す、独自の市街地将来ビジョンを策定した。歴史的建造物の活用、建築物の高さを制限して景観を保つ、歩行者に優しい道路整備―など、官民一体での取り組みを市に提言した。民間からの提言は貴重であり、その意見を将来の持続可能な地方づくりに生かしたい。

 高速道路整備で後れを取っている庄内である。00年9月、山形自動車道湯殿山―庄内あさひ間の開通で、庄内もようやく高速道の時代を迎えた。しかし庄内が待望する“本命”の日本海沿岸東北自動車道(日沿道)は、新潟と秋田両県境間はまだ開通していない。災害対策の面からも、一日も早い未開通区間開通を願いつつ、辰年のスタートを切りたい。

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2024年(令和6年) 1月7日(日)付紙面より

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数え年100歳「長寿」祝う 119人へ賀詞と祝い金贈る 鶴岡市

 鶴岡市は4日から、新年に数え年で100歳の「長寿」を迎えた市内在住の高齢者に賀詞を贈り、長寿を祝っている。対象者は1925(大正14)年生まれの市民で、先月13日現在で119人(男性12人、女性107人)。それぞれの自宅などに市職員が訪問し、賀詞と祝い金を贈る。

 長年社会に貢献してきた高齢者を敬い、長寿を祝おうと旧鶴岡市時代の93年から毎年実施している。

 5日は皆川治市長が対象者3人の自宅を訪問した。このうち同市大山三丁目の大瀧直之助さん(25年11月25日生まれ)方では、皆川市長が「おめでとうございます。お元気で、とても100歳には見えませんね」とお祝いの言葉を贈り、あつみ杉製の額縁に入った賀詞を読み上げ、祝い金とともに手渡した。大瀧さんは「わざわざお越しいただき、ありがとうございます」と元気な声でお礼を述べた。

 大瀧家は酒どころ大山地区で江戸時代から昭和の戦中まで続いた銘酒「常磐井(ときわい)」の造り酒屋。大瀧さんの父親が戦前に30代で亡くなり、廃業したという。大瀧さんは中学校の体育教師となり、大山、加茂、豊浦などの各中学校に勤務した。退職後も準指導員の資格を持つスキー、ソフトボールなどのスポーツに親しみ、近くの湯の浜カントリークラブをホームコースにしたゴルフは、90歳ぐらいまで続けた。家族によると、酒屋の血筋からか日本酒が大好きで、最近まで毎晩2合の晩酌を楽しんでいた。酒量は減ったが今も晩酌を欠かさず、大瀧さんは「薬代わり」と笑った。

 96歳の奥さんと息子夫婦、孫、ひ孫の4世代9人家族。長寿の秘訣(ひけつ)を尋ねると、「特別なことは何にもしていない。ただ若いころからずっと体を動かしてきただけ」と穏やかな表情で話した。

皆川市長から手渡された数え年100歳の賀詞を手にする大瀧さん=5日
皆川市長から手渡された数え年100歳の賀詞を手にする大瀧さん=5日


2024年(令和6年) 1月7日(日)付紙面より

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鶴岡市消防出初め式 災害に強いまちづくりへ決意新た

 鶴岡市消防出初め式が6日、市役所前の県道で行われた。消防団員が伝統のはしご乗りや分列行進などを披露し、集まった市民たちへ消防人の心意気を示した。

 新年の始まりに規律的な部隊行動を公開し、市民に防火意識を高めてもらおうと市消防団(照井和団長)と市消防本部(岡部信宏消防長)が毎年実施している。今年は鶴岡第1―4、藤島、羽黒、櫛引、朝日、温海の計9方面隊など団員211人と、市消防本部職員82人が参加した。

 冷たい雨が降るあいにくの天候となったこの日、通行止めとなった約170メートル区間の県道に団員たちが整列。照井団長が「能登半島地震で被災した方々へお見舞い申し上げる。鶴岡市の安心安全を守り市民の負託に応えるため、消防団が一丸となって努力していくことを誓う」と開始宣言した。

 続いて皆川治市長が「さまざまな災害から市民の命と財産を守るには消防力の充実、強化が重要。今後も消防設備や組織の充実、機能強化を図り、災害に強いまちづくりを進める」と訓示。衆院議員の加藤鮎子内閣府特命担当大臣(44)など来賓3人が祝辞を述べた。

 その後、藤島方面隊で組織する市消防団梯子(はしご)乗り纏(まとい)振り隊44人が勇壮なはしご乗りを披露。高さ約6メートルのはしご4基が立てられ、頂上で手を放し遠くを見る基本の「火の見」をはじめ、「吹き流し」や「しゃちほこ」などの技を繰り出すと、見学の市民たちが大きな拍手を送った。最後に各方面隊と消防車両が分列行進を繰り広げ、今年一年の精進へ決意を新たにした。

 母や祖母と一緒に見学した朝暘一小3年の早坂汰一君(9)は「消防車もはしご乗りも全部かっこよかった。元日の地震は怖かったけど、家族にけががなくて良かった」と話していた。

市消防団梯子乗り纏振り隊が勇壮なはしご乗りを披露
市消防団梯子乗り纏振り隊が勇壮なはしご乗りを披露



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