2024年(令和6年) 10月8日(火)付紙面より
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酒田港では過去最大級となる大型クルーズ船「MSCベリッシマ」(マルタ船籍、17万1598総トン、乗客数最大4418人、ロベルト・レオッタ船長)が5日、初めて同港に寄港した。船内でプロスパーポートさかたポートセールス協議会(会長・吉村美栄子県知事)主催の歓迎セレモニーが行われたほか、関係者が船内を見学して回った。
船内7階の防音施設「テレビスタジオ」で行われたセレモニーには、協議会関係者とレオッタ船長はじめクルー計約25人が出席。平山雅之副知事が「ようこそ山形県へ。山形は魅力的な文化や食べ物が豊富なので、今回を機にぜひ何度でも来ていただけたら」と歓迎の言葉を述べ、レオッタ船長は「入港時の歓迎を見て、日本人の心の温かさ、美しさに感動している。今シーズンの寄港は一度だけだが、山形の美しい景色を見にまた訪れたい」と答えた。
ベリッシマの乗客は同日、酒田・鶴岡市内の観光、最上川舟下りなどを楽しんだ。スペインから家族や友人らと共に訪れた乗客のセグラ―ディアス・ルイスさん(12)と母マリアさん(49)は「お寺や侍の物語が好きで、海向寺や本間家旧本邸を見て回った。伝統的な文化が魅力的でとても感激した」と笑顔で話した。
一方、午後には抽選に当たった21人が参加した船内見学が行われ、6万個以上のクリスタルが敷き詰められたスワロフスキーの階段、980席が並ぶシアタールーム、ジェラートやコスメなどの店舗が並ぶメインストリート、カジノ、広大なデッキプールなどを見て回り、桁違いの設備や豪華な部屋の数々に感嘆の声を上げていた。
参加した米沢市の会社役員、加藤利夫さん(74)は「老後の楽しみで妻と船旅を考えていて、下見の気持ちで参加した。話には聞いていたが規模が大きく、乗った瞬間から異国の雰囲気が味わえて良いなと思った。船室も見たかったが残念。いつか乗ってみたい」と。乗員によると、今回のツアーでは客室はほぼ満室で、欧州や日本、ロシアの乗客が多いという。クルーは約1600人。ベリッシマは9時間ほど酒田に停泊し、次の寄港地の金沢へ向かった。
2024年(令和6年) 10月8日(火)付紙面より
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「荘内大祭」が6日、鶴岡市の中心部で行われ、子どもから大人まで総勢440人が古式ゆかしい「大名行列」を繰り広げた。
荘内大祭は1877(明治10)年10月6日、荘内神社の創建を記念して始まった。以来、147年にわたって城下町・鶴岡の歴史と伝統を後世に伝えようと続けられている。目玉の大名行列には例年400人以上の市民が「侍」や「お姫様」となり、旧庄内藩の参勤交代を再現している。
今年は日曜日と重なったこともあり大名行列のメイン会場となった鶴岡市役所前の県道沿いには大勢の市民が集まり、奴(やっこ)振りや少年少女隊士の論語の素読、市内の小学生13人による「豊栄の舞」(巫女(みこ)舞)などを見学。沿道からは「めっこいのー」と声が飛び交い、祭り客のほほ笑みを誘った。
今年の「藩主役」(酒井忠勝公)は武田悠さん(28)=酒田市=が務めた。行列がスタートする前の鶴岡公園では砲術隊や甲冑(かっちゅう)隊の演舞も披露され、見物客を楽しませた。
2024年(令和6年) 10月8日(火)付紙面より
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鶴岡市立加茂水族館魚匠ダイニング沖海月は、荘内大祭にちなんだ「御褒美(ごほうび)膳」の提供を始めた。かつて庄内藩の殿様に献上したと古文書に記されている「湯葉」の刺し身などが楽しめる。
全国から訪れる来館者に地元に伝わる食文化と歴史を融合させたお膳で鶴岡をアピールしようと須田剛史料理長(48)が考案した。内容は湯葉の刺し身のほかに▽カラスミご飯▽サトイモのかす汁▽イカとフグの卵巣の和え物▽サワラのお造りとマダイの煮凝り▽大山下池レンコンの天ぷら―など8品。須田料理長オリジナルの庄内産ボラを使ったカラスミやフグの卵巣を熟成させたものなどレアな食材を取り入れた。
須田料理長は「荘内大祭の御褒美膳はアレンジを重ねながら毎年秋に提供していきたいと思う。地元の食材を使った料理を味わいながら鶴岡の歴史的な背景を感じてもらえれば」と話している。価格は税込み2000円。今月いっぱい提供する。来月には庄内浜で旬を迎える「黒鯛御膳」がスタートする。
2024年(令和6年) 10月8日(火)付紙面より
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鶴岡市のあつみ温泉で5日、地元住民が温泉の恵みに感謝を込める「お湯輿(ゆこし)まつり」が行われた。神事で巫女(みこ)舞や子ども獅子舞を神前に奉納した後、法被を身に着けた若衆が神輿(みこし)を担ぎ温泉街を練り歩いた。
お湯輿まつりは「地域と観光客が一緒に盛り上がるイベントを開こう」と、あつみ温泉魅力づくり推進委員会(相澤康夫会長)の主催で2018年から実施しており今年で7回目。誰でも参加できるよう、SNSなどを通じて神輿の担ぎ手を県内全体へ募集している。
この日の午後3時から温泉街の朝市広場・温泉神社前で神事が行われ、湯温海地区に住む小学生たちが巫女舞や子ども獅子舞を奉納した。その後、子ども神輿を先頭に「お湯輿巡行」がスタート。地元を中心に県内各地から集まった若衆30人余りが神輿を担ぎ、「あっちぇ!」「もっしぇ!」と威勢の良い掛け声とともに温泉街中心部を練り歩いた。
午後6時過ぎに神輿が足湯「あんべ湯」に到着すると、まつりはクライマックスへ。待ち受けた住民や観光客が神輿と若衆へ次々とお湯をかけ、盛大に温泉街の祭りを楽しんだ。あんべ湯周辺ではキッチンカーによる出店などイベントが繰り広げられ、夜には花火打ち上げなども行われた。
2024年(令和6年) 10月8日(火)付紙面より
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鶴岡市大山の下池に、「冬の使者」コハクチョウが飛来した。7日午前5時過ぎ、2羽の今シーズン初飛来を市自然学習交流館ほとりあの学芸員が確認した。昨年より1日遅いものの、例年並みの初飛来という。
ほとりあによると、6日朝には約10羽のコハクチョウが下池周辺の上空を飛翔していたという。7日に確認されたのは2羽で、6日の日没後以降に飛来したとみられ、7日朝は下池で羽を休めている姿が見られた。ほとりあでは「夏の名残の暖かい日もあるが、生き物が季節を教えてくれると実感する」と話している。
下池と上池を対象にほとりあが実施した初飛来日を当てるコンテストには、278人の応募があり、「7日」と予想した正解者22人にはオリジナルのコハクチョウ缶バッジとポストカードが贈られ、抽選で1人にコハクチョウのぬいぐるみと市内旅館の宿泊(1泊2食付き)ペアチケットが贈られる。また、前後の「6日」「8日」と予想した人を含めた60人の中から抽選で4人に、外来生物を活用した飲食店の食事券をプレゼントする。