2024年(令和6年) 11月8日(金)付紙面より
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「鶴岡の名工」としてたたえられる、本年度の鶴岡市卓越技能者表彰の受賞者が決まった。受賞するのは野菜漬物工の大瀧久美子さん(60)=水沢=と、日本料理調理人の丸山環さん(59)=錦町=の2人。表彰式は19日(火)に同市の新茶屋で行われる。
市卓越技能者表彰制度は旧鶴岡市が1985年、城下町・鶴岡に伝わる伝統的な技能などを尊重し、技能者の地位向上や技能水準を高めることを目的に創設し、2005年度の合併後は対象を新市域に拡大して継続。旧市時代から昨年度までに計146人の「鶴岡の名工」が受賞している。
今回が40回目。市内の関係団体から推薦を受け、有識者で組織する選考委員会が2人を選び、市が決定した。
大瀧さんは短大卒業後に入社した食品製造会社で商品分析、開発を担当。その後、鶴岡市の本長に入社し、漬物工としてこれまで39年間従事している。たまり醤油(しょうゆ)を使った漬物や、従来の商品にはないチーズの漬物などを開発し、山形県漬物展示品評会で農林水産大臣賞を2度受賞するなど多くの商品開発、改良に携わっている。大学などの研究機関と連携し、鶴岡の在来作物や海産物を原料にした商品も開発し、地域の食文化や産業の振興にも貢献している。
丸山さんは専門学校を卒業後、懐石料理店に就職して和食の調理法全般やおもてなしの知識を習得。県外のホテルの料理長などを経て、「鶴岡料理すず音」を開業し、調理人として37年間従事している。これまでに日本料理技能向上全国大会の郷土料理部門で厚生労働大臣賞、全国日本料理コンクール郷土料理部門で経済産業大臣賞を受賞したほか、弁当事業でも「お弁当・お惣菜大賞」で最優秀賞を2度受賞。食を通じて鶴岡の良さである自然や美食のPRに貢献している。