2024年(令和6年) 11月10日(日)付紙面より
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荘内銀行(鶴岡市)と北都銀行(秋田市)を傘下に持つフィデアホールディングス(HD、仙台市)は8日、仙台市内で記者会見を開き、荘内銀行が北都銀行を吸収合併し新銀行名を「フィデア銀行」とすることを正式に発表した。効力発生日は2027年1月1日付で本店は山形市に置く。
新銀行の頭取は、北都銀の佐藤敬取締役専務執行役員、代表取締役専務執行役員に山科宏幸荘銀常務執行役員がそれぞれ内定した。合併を見据え、来年4月から荘内、北都両行の頭取を佐藤氏が兼務する。荘銀の松田正彦頭取、北都銀の伊藤新頭取はいずれもフィデアHDの会長に就任し、各行に取締役として残る。
新銀行本店が山形市となることに伴い、鶴岡市の荘内銀行本店の機能が来年5月末に山形営業部(山形市)に移される。HD本社は引き続き仙台市に置く。
合併後の新銀行は、今年3月末時点での総資産が3兆656億円余となった。秋田銀行、山形銀行に次いで東北7番目の規模となり、東北で初めて県境を越えた広域地方銀行が誕生する。今後、両行は合併に向けてシステム統合など準備を本格化する。
会見でフィデアHDの新野正博社長は「合併による規模拡大、営業基盤の拡充を最大限に生かし、広域性と専門性の強みに磨きをかけて事業者支援による両県経済の活性化に一層貢献していく」と述べ、フィデア銀行の名称について「フィデアの名称が顧客や行員に浸透しており、新銀行の目指す姿とも合致している」、本店を山形市とした理由について「産業や事業者の集積と動向、銀行としての成長戦略などを考慮した上で最適な場所を選択した」とそれぞれ説明した。
新銀行頭取に就任する北都銀行の佐藤専務は「東北初の“2つの地元”を持つ広域地方銀行として、地域のお客さまから信頼を得られるようフィデアグループの総力を挙げて全力で取り組む。両行の優秀な人材を相互に活用し、有益な情報を流通させる。経営と本部業務の一体運営を進め、地域の事業者、自治体等の支援を強化できるような体制整備を進めたい」と抱負を述べた。
また、松田正彦荘内銀頭取は「顧客に合わせて荘内銀行はエリアを拡大してきた。どういったサービスが提供できるかを考え、新銀行名でスタートするのが最善と判断した」と話した。