2024年(令和6年) 11月14日(木)付紙面より
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新聞や本など活字文化推進のための事業を手掛ける文化通信社(東京、山口健代表取締役)は11日、全国の地域紙の優れた記事を表彰する「第4回ふるさと新聞アワード」の授賞記事を発表した。日本の女性科学者の草分けとして知られる、三川町出身の加藤セチ博士(1893―1989年)の功績を紹介した荘内日報の今年5月11日付の記事が、準優秀賞に選ばれた。贈呈式は29日、都内で行われる。
2021年から実施している表彰で、今回は全国70の地域紙について、メディアを研究する大学教授ら6人による有識者専門委員会が1人11、12紙の記事(今年1月1日―6月30日付)を閲覧。「地域を越えてより多くの人に読んでもらいたい」記事を約300本抽出。これを基に各委員による評価でポイントが高かった上位30本を1次審査通過とし、日本総合研究所理事長・政府税制調査会会長の翁百合氏、歴史家・作家の加来耕三氏、放送作家・脚本家の小山薫堂氏ら5人の審査員が最終審査を行い、授賞記事を決定した。
準優秀賞10本の一つに選ばれた荘内日報の記事は、25年度版の中学3年生向け道徳教科書に、学ぶことへの強い意志を持って困難を乗り越えて研究活動を続けた加藤博士の功績が掲載されたことを紹介したもの。後進の女性研究者育成にも尽くした博士について近年、再評価の動きが強まっていることも記事で併せて紹介した。
最優秀賞には丹波新聞(兵庫県丹波市)のシリーズ「能登半島ルポ―激震の爪痕の中で」が選ばれたほか、優秀賞には3本の記事を選考した。