2024年(令和6年) 11月14日(木)付紙面より
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鶴岡市の「いこいの村公園」チューリップ園で6日から10日にわたり、チューリップの球根植え付け作業が行われた。市民を中心にボランティア延べ100人ほどが参加し、来春に向けて丁寧に約100品種2万球の球根を植えた。
チューリップ園は庄内の春の風物詩として長く親しまれてきたが、2016年度に旧いこいの村庄内の閉鎖に伴い植え付けを休止。その後、市民有志でつくる「庄内チューリップ倶楽部」(中村恵二代表)を中心とする市民ボランティアの協力で、20年に一般公開を再開した。今春は2ヘクタールの園内で約3万球の色とりどりのチューリップが咲き誇り、多くの来園者を楽しませた。
公開再開当初は同倶楽部のメンバー約30人が作業を担ってきたが、会員の減少や高齢化で作業や園の維持が困難となった。そこで、いこいの村公園を管理する鶴岡市を通じて、チューリップ園の維持に協力してくれる団体や個人を募集。さまざまな方面からボランティア参加の応募があった。
園の維持には初夏の球根掘り上げと天日干し、夏にかけての球根の皮むきと根切り、秋の畝(うね)立てと植え付けの穴開け、植え付けなどの作業が必要。今年6月の球根掘り上げ作業にはボランティア約40人が参加した。
球根の植え付け作業は6、9、10日の3日間に分けて行われ、県庄内郵便局長会・夫人会や地元企業、JA鶴岡、鶴岡高等養護学校などのほか、一般は市民のほか東根市など内陸からも参加があった。
最終日の10日は市民や市職員など15人が参加。いこいの村公園西側のチューリップ園に続く小道沿いへ約5000個を植えた。中村代表がくいで開けた穴に1つずつ球根を入れ、「きれいに咲いてね」と声を掛けながら土をかぶせた。球根植えに初めて参加したという市内の金内千津さん(65)は「たくさんの知識を教わり、みんなと一緒に作業したので楽しかった。毎年チューリップを見に来ており、来春が楽しみ」と話していた。
チューリップは来年の雪解けごろに発芽し、早生品種は4月半ばに咲き始める。シーズンになると色とりどりのチューリップが回廊となって来園者を出迎える。