2024年(令和6年) 11月15日(金)付紙面より
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観光に関する国際認証団体「グリーン・デスティネーションズ」(本部・オランダ)による2024年版の「世界の持続可能な観光地トップ100選」に、鶴岡市の手向地区が選ばれた。1400年にわたる山岳信仰の伝統に基づく住民によるまちづくりの取り組み、持続可能な観光開発の取り組みが評価された。今回、日本から選定されたのは手向地区など5地域。先月16日に公表された。
トップ100選の選出は世界中の観光地から優良事例を募集して14年から毎年行い、観光地管理、自然と景観、文化と伝統などの観点を審査対象としている。今回は45カ国から170件以上の応募があり、この中から32カ国の100地域が選ばれた。12月にチリで授賞式が開催される。日本からは手向地区のほか、岩手県の遠野市と釜石市、長野県千曲市、京都府宮津市が選出された。
手向地区は、同地区自治振興会(勝木正人会長)が「礼拝と観光に基づく手向地区の発展」のタイトルで取り組みを応募し、「文化と伝統」分野で100選に選ばれた。出羽三山の一つ羽黒山の麓にある山岳信仰の地として、宿坊文化や修験道などの文化的資源を生かしたまちづくりを進め、住民によるワークショップなどを通して「信仰と観光」をテーマにした将来ビジョンを作成。北海道大大学院の協力で、手向地区の歴史的・文化的な価値の明確化に向けた調査活動や、保存と観光促進に関するガイドライン作成などにも取り組んでいる。
100選の選出について、勝木会長は「地域の独自の文化と歴史を守り育てる取り組みが世界に認められた。これを機に、さらに持続可能な観光地としての発展を目指したい」と話している。