2024年(令和6年) 11月15日(金)付紙面より
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「やまがたのスペシャリストに聞くトップセミナー」が13日、鶴岡市の鶴岡中央高校(兼子由香校長、生徒629人)で行われた。酒田市大沢地区で地域おこしに取り組む阿部彩人さん(44)が同校の1年生へ「人生をおもしぇぐするためには『できる』と信じてやってみること」と呼び掛けた。
同セミナーは、若者から勤労観や職業観を身に付けてもらい、地域産業の発展を担う人材育成などを目的とする県キャリア教育推進事業の一環。さまざまな分野の「やまがたスペシャリスト」が講師として県内各高校を訪れ、講演会でそれぞれの取り組みや地域の魅力を語り、高校生たちから郷土愛を養ってもらうもの。鶴岡中央高は昨年も阿部さんを講師に招いた。
1年生198人が聴講。阿部さんは「人や地域どつながりながら、地域の未来をつくる道。」と題し、「酒田東高、都内の大学を卒業後、ITやエンタメ業界で働いていたが古里の良さに気付いて2018年、酒田市へUターンし、八幡地域の大沢地区で地域おこし協力隊として活動した」と歩んできた道について語った。
また、21年に合同会社COCOSATO(ココサト)を設立し、地域資源を生かした特産品づくり、里山体験サービスの提供、地域の魅力を伝える動画制作などの取り組みを紹介し、「地域づくり、地域おこしは『ないものねだり』ではなく『あるもの探し』から。それを磨いて『おもしぇぐ』(楽しみながら)発信すること。地方は人口減少が著しいが裏を返せば一人一人の存在価値は高まっている。全世代が『わぐわぐ』しながら参加できる地域をつくろう」と語った。最後に今夏の豪雨で大きな被害が出た大沢地区の現状などを「地域が元通りになることは難しいが、いま大沢に住む人たちはしっかり前を見て歩みを進めている」と話した。