2024年(令和6年) 11月17日(日)付紙面より
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いけばなの草月流師範・布川珀翠(本名・美與子)さん=鶴岡市馬場町=の作品展「花と語り合う日々~10日間の花チャレンジ~」が15日から同市のエスモール1階の展示空間で始まった。一度に4作品を展示し、翌日から1作品ずつ作品を入れ替えるチャレンジを行う。
50年ほど前、茶道を習っていた布川さんは、花でもてなす必要性を感じていけばなも志し、自由な作風が自分に合っていると、草月流を学んだ。草月流山形支部長などを歴任、現在は草月流師範会理事、日本いけばな芸術協会特別会員、鶴岡市芸術文化協会理事などを務めている。
今年、喜寿を迎え、さらに新しいことに挑戦し、形に残す表現方法をしようと、これまで周囲の人が行ったことのない“10日間チャレンジ”を企画。初日はモノトーンでデザインがさまざまなストローにチョコレートコスモスをリズミカルに挿した作品など4点を展示した。中でも目を引くのは、日本被団協のノーベル平和賞の受賞に寄せて、一番大好きな花だという白いカラーで凛とした人の姿を、カスミソウで人々の涙の数を、ピンクのユリで平和な日々を願う心をイメージしたもので、作品にはもう一つの顔でもあるステンドグラス作家として制作した折り鶴を添えた。
作品の入れ替えは、夜や開店前などに行い、最終的にはめでたい喜寿をイメージし、さらなる羽ばたきを表現する作品にしようと構想しているという。布川さんは「自分へのエールになるような作品を生けたい。何度も見に来て楽しんでいただけるよう最終日まで頑張ります」と話していた。