2024年(令和6年) 11月27日(水)付紙面より
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酒田市上黒川の日向コミュニティセンター内にあるコミュニティカフェ「日向里(にっこり)かふぇ」で23日昼、酒田南高校(齋藤法明校長)食育調理コースの生徒有志が同市八幡地域に伝わる在来作物などを素材に考案した「秋の酒南塩ラーメン」を提供。店内に「おいしい」という声があふれた。
地域住民と市、市とパートナーシップ協定を結ぶ良品計画(東京都)の3者が連携し整備、運営を行い、地域の交流・活性化拠点として、飲食、手工芸品などの物品販売やイベントを展開している日向里かふぇ。同コースで学ぶ生徒有志は同市などで人気ラーメン店を手掛ける「もっけだのフードサービス」社長で同校OBの齋藤晴紀さんが全面的に監修した「酒南塩ラーメン」を2022年冬から日向里かふぇで定期的に提供している。
秋の塩ラーメンは、八幡産「はえぬき」をブレンドした特製米粉麺、鳥海山の伏流水を含む海水を煮詰めて製造した「さかたの塩」、庄内産「鯛(たい)干し」を使用したスープとともに、孟宗竹から作ったメンマ、キクラゲ、長ネギ、ショウガなどの具材も地元産にこだわっており、八幡地域の在来作物「升田かぶ」をすりおろしてトッピングしているのが最大の特徴。清涼感のある香りと辛みがラーメンの後味をスッキリさせる。今年は同コースの生徒4人が升田かぶの収穫作業に初めて携わったという。
この日は食育調理コースの2、3年生22人が朝から下ごしらえ。午前11時のオープン前から行列ができ、1杯600円、限定100食のラーメンは飛ぶように売れた。
家族7人で訪れた同市亀ケ崎五丁目の大井幸春さん(55)は「チャーシューも柔らかく、麺の食感も良くておいしかった。トッピングの岩のりもスープに合い、調理の丁寧さを感じた」と話した。
升田かぶの収穫を初めて体験したという高橋孝多さん(16)=2年、同市升田=は「在来野菜を栽培する農家さんの大変さ、ありがたさを改めて実感した。準備は大変だったが、『おいしい』の声を聞いて頑張って取り組んできて良かった。来年も食べてもらう人のことを考え精いっぱい取り組みたい」と話した。
酒南塩ラーメンは30日(土)にも日向里かふぇで100食限定で提供する。