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2024年(令和6年) 11月28日(木)付紙面より

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「ゴジラ」故本多監督(鶴岡市出身)に思い まちキネ「空の大怪獣ラドン」上映に続きフォーラム

 怪獣映画「ゴジラ」の第1作を作った鶴岡市朝日地域出身の故本多猪四郎監督の作品を通し、鶴岡の風土を考える「本多猪四郎映画を語るフォーラム」が23日、同市山王町の鶴岡まちなかキネマで開かれた。

 同キネマを学びと交流の場として活用している山王キネまち大学主催。怪獣映画というジャンルを切り開き、映像芸術の向上に多大な貢献をした本多監督を顕彰し、作品に込められたメッセージのルーツや背景について考えた。

 フォーラムは本多監督の作品の一つ「空の大怪獣ラドン」上映後に行われ、約40人が参加した。同キネマを運営する山王まちづくりの三浦新社長が司会を務め、民俗学者の森繁哉さん、特撮映画愛好家で郷土史研究家の早坂優宏さん、映画評論家で明治学院大名誉教授の水谷史男さんの3人がパネリストとなった。

 この中で森さんは「ラドンのラストシーンから、本多作品は『救済』が大きなテーマとして感じられる。旧朝日村大網で育った本多監督は子どもの頃から出羽三山の山岳信仰に触れる機会があり、その精神文化が根っこにあるのでは」と語った。

 また、早坂さんは「ラドンが撮影された当時、日本のエネルギーが石炭から石油に替わりつつあり、その時の社会を色濃く投影している。さらに劇中に登場するせりふや、命に対するリアリティーから戦争を体験した本多監督の平和への願いが強く感じられる」と映画に込められた本多監督のメッセージについて解説。

 水谷さんは「映画の最後にヒロインが助かって笑顔になるハリウッド作品と違い、『ラドン』ではヒロインがずっと泣いている。ラドンの最期にも涙を流すのも、本多監督が命に対して敬意を払い、リアリティーを追求していたからでは」と述べた。

 「空の大怪獣ラドン」は12月1日(日)まで同キネマで上映される(火曜定休)。曜日によって変わる上映時間は同キネマのホームページで確認できる。アドレスはhttps://www.machikine.net/

本多監督の作品に込められたメッセージや時代背景などについて語った
本多監督の作品に込められたメッセージや時代背景などについて語った



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