2024年(令和6年) 11月28日(木)付紙面より
ツイート
地域をより良くするためのプロジェクトを実施したい人と、それを支援したい人をつなぐ「コミュニティ財団」設立に向けた動きが酒田市でスタート。キックオフを兼ねて23日、酒田を舞台にした新たなプロジェクトを発表するイベント「サカタ・プロジェクト・デザイナーズ」が酒田駅前交流拠点施設「ミライニ」で開かれ、高校生・大学生の熱のこもったプレゼンに市民らが聴き入った。
コミュニティ財団は、プロジェクトの実施者と支援者をつなぐとともに、寄付金など資金仲介・提供を行う団体。その歴史は古く1914年に米国で誕生した「クリーブランド財団」が起こりとされている。日本では1990年代後半以降、各地で設立。2014年にはコミュニティ財団の健全な発展を通じ、市民社会のより一層の成熟と主体的に取り組む地域社会の課題解決を促して持続可能性を高め、公共の利益を増進することを目的に「全国コミュニティ財団協会」(京都市伏見区)が設立された。
酒田での設立に向け今回、コミュニティ財団の意義を共有することで機運醸成を図るとともに、酒田を舞台にした若者による新たな挑戦を広く知ってもらおうと、県「若者がつなぐ・つながる地域おこし推進事業」の助成を受けて酒田青年会議所や市産業振興まちづくりセンター「サンロク」の若手利用者らが実行委員会(委員長・松本友哉合同会社とびしま代表社員)を組織し、キックオフイベントとして「―デザイナーズ」を開催した。
この日は2部構成で行われ、第1部は「コミュニティ財団ってなに?」をテーマに、滋賀県のコミュニティ財団「東近江三方よし基金」の山口美知子常務理事が先行事例を紹介するなどした。
第2部は地元高校生・大学生らが構築した、酒田を良くするための新たなプロジェクトをポスター・ステージで発表。このうちステージでは市内4高校、東北公益文科大、大正大、東北芸術工科大の生徒・学生が市内に点在する空き家を活用したゲストハウスの実践、市内での映画上映会の実施、飛島での芸術祭・文化行事の開催、バイオマスプラスチック「ライスレジン」を使った米梱包(こんぽう)袋の商品化など、これからの酒田を見通しながら報告した。
閉会後は交流会が行われ、集まった市民とプロジェクト発表者が意見を交わした。今後はコミュニティ財団に関する周知活動を行いながら賛同者を集め、来年度以降の事業開始を目指す。