2024年(令和6年) 11月29日(金)付紙面より
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酒田市が制定する「新田産業奨励賞」の授賞式が27日、同市のガーデンパレスみずほで開かれ、矢口明子市長が受賞した1個人3企業に賞状などを手渡した。
同市名誉市民で平田牧場グループ会長の新田嘉一氏(91)=楢橋=による多額の寄付をもとに基金を造成し1990年に創設、先進的な取り組みで地域産業の振興に貢献し、他の模範となる市内の企業・団体・個人を顕彰している。新市誕生後の2006年、旧平田町で行われていた同様の制度を合わせ一本化した。
本年度は、酒田の伝統工芸品「船箪笥(だんす)」の再興に向けて尽力する加藤渉氏(50)=北今町、品質にこだわった酒造りに徹し今年6月には「上喜元酒田早生」を発表した酒田酒造(日吉町二丁目、佐藤正一社長)、観光工場「オランダせんべいFACTORY」を開設、交流人口拡大に寄与している酒田米菓(両羽町、佐藤栄司社長)、県内でいち早く高性能機械を導入するなど林業の効率化を進める遠田林産(上青沢、遠田勝久社長)の1個人3企業が受賞した。
この日は矢口市長が受賞者・社の功績を紹介した上で、「地域産業の裾野を広げ、産業の振興に貢献した個人・団体のさらなる飛躍への励みにしてもらうことがこの賞の目的。受賞を契機になお一層の活躍・繁栄を期待する」と式辞、賞状と記念の盾を手渡した。
祝辞で新田嘉七平田牧場社長は新田会長のメッセージを紹介、「地元で頑張っている皆さんからさらに活躍してもらいたいとの思いで創設した賞。皆さんは酒田の未来を明るく照らす希望の光。これまでの努力に敬意を表し、今後の活躍を心より応援する」と述べた。
これを受けて加藤氏、佐藤正一社長、佐藤栄司社長、遠田社長が登壇しそれぞれ、さらなる飛躍を誓った。
引き続き記念講演が行われ、同市出身で市最高デジタル変革責任者(CDO)の本間洋氏(68)=NTTデータグループ相談役=が「変わらぬ信念と変える勇気」と題して講話。「デジタル変革(DX)は目的でなく、生産性向上や社会課題の解決、事業の成長に向けた手段・道具」、そして「変わるということは意外と楽しいこと。楽しみながら変革・変化を」と呼び掛けた。