2024年(令和6年) 12月1日(日)付紙面より
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県少年警察大学生ボランティアと酒田第一中学校(阿部周校長)の有志生徒がネットトラブルの被害防止を呼び掛けようと作成していたタブレット用壁紙の完成報告会が26日、酒田警察署(小川広治署長)で行われ、参加した生徒と学生に感謝状が贈られた。
同署などによると、2023年に全国で検挙された特殊詐欺の受け子のうち、5人に1人が20歳未満の少年。また、ゲートウェイドラッグといわれる大麻事案では少年1222人が検挙され増加傾向にあり、SNSなどで誤った情報が発信されていることなどが原因と考えられるという。一方、SNSなどに起因する事案で被害を受けた子ども(18歳未満)は1665人で、このうち小学生は139人、小学生の被害は10年前に比べ5倍に増加し、同署管内でもネット上での誹謗(ひぼう)中傷やトラブルなどの相談件数は増加しているという。
県警では児童・生徒が被害に遭わないよう、小中学生が利用している学習用タブレットに着目。若い世代の視点を取り入れ、被害防止を呼び掛ける壁紙を作成し、子どもたちに活用してもらおうと大学生ボランティアと酒田一中の協力で実施した。タブレット壁紙の作成による啓発は県警で初の取り組み。
壁紙作成は今年9月に行われ、大学生ボランティアの東北公益文科大の学生7人と酒田一中生3人が参加。参加者たちは意見を交換しながら同署が提供したフリー素材などを使い、「立ち止まって考えよう イジメ、書き込み、闇バイト」などのメッセージが書かれた計21点のデザインを完成させた。
この日の完成報告会には県警の岡崎浩隆生活安全部長をはじめ赤坂宜紀市教育長らが出席。岡崎部長が作成に携わった生徒3人と代表学生2人に感謝状を手渡した。
公益大4年の内山満月さん(21)は「自分たちは中学生の時にタブレットを使っていなかったので、学校での使用方法や役割を中学生たちから教えてもらいながら作成した。低学年にも伝わるよう、絵だけでなく漢字や言葉使いなども工夫した。壁紙を見た小・中学生のネットトラブル防止につながれば」、酒田一中2年の本宮想愛(そな)さん(13)は「絵を描くのが好きで、自分の好きなことでまちを守る活動に参加することができて良い経験になった。壁紙を通してネットトラブルが予防できたら」とそれぞれ話していた。壁紙は今後、市教育委員会を通して市内の小・中学校に配布し、児童、生徒がダウンロードできるように整備するという。