2024年(令和6年) 12月3日(火)付紙面より
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出羽三山神社(阿部良一宮司)の「松の勧進」が1日、鶴岡市の旧市内で始まった。「ブォー、ブォー」と羽黒山伏が吹くほら貝の音が街角に響き、市街地に師走の訪れを告げた。
大みそかから元旦にかけて羽黒山頂で行われる「松例祭」(国指定重要無形民俗文化財)の浄財を集める同神社の伝統行事で、山伏たちが家々を回り、無病息災、家内安全のお札を手渡す。祭りの主役となる2人の「松聖(まつひじり)」のうち、今年は「位上(いじょう)」を星野博さん(64)=山伏名・好文、「先途(せんど)」を小関知之さん(65)=同・愼海=が担う。2人は9月24日の冬の峰入り「幣立祭(へいたてさい)」から松例祭まで、心身を清めて人々の幸せを願う100日修行を行っている。
この日は、鶴岡市の山王日枝神社で祈願を行った後、午前8時半過ぎに松聖2人が小聖を従えて同神社を出発。師走の空にほら貝を響かせながら、旧庄内藩主酒井家と荘内神社を訪れた。
旧市内の松の勧進は11日まで行われ、山伏たちが手分けして2万世帯ほどを回り、松例祭に備える。庄内一円では年の瀬まで続く。