2024年(令和6年) 12月10日(火)付紙面より
ツイート
鶴岡市桂荒俣出身の横綱柏戸(本名・富樫剛)の少年時代から相撲の世界に入るまでを描いた朗読劇「柏戸少年紀」が7、8の両日、3公演が同市三千刈の横綱柏戸記念館で行われた。脚本は本年度の高山樗牛賞受賞者の池田はじめさんで、昨年の初演から脚本を手直ししての再演。2日間で約200人が“目で見るラジオドラマ”とも言える朗読劇を堪能した。
「柏戸少年紀」は、同市櫛引地域ゆかりの人物を舞台化し、次世代に語り継ぐ歴史バトンプロジェクトの第2弾として昨年12月に初演した。子どもの頃から相撲が強かったが相撲取りにはあまり興味がなかったことや祖父の手伝いで毎日リヤカーを引いて鶴岡まで果物を売りにいったこと、人助けをしたこと、親方の招待で東京見物して入門を決めたことなどのエピソードを7人の演者と松本健一さんのサックス演奏でつづった。
地元の神社で行われた梵天相撲の場面では、演者が代わる代わるせりふを語り、緊迫した一番だったことを表現。訪れた人からも「光景が浮かんでくる演出が素晴らしかった」「柏戸の偉大さが分かった」などの声が上がっていた。池田さんは「昨年も柏戸の命日(12月8日)に合わせて上演した。練ればもっと良くなると思い、再演を決めていた。楽しんでいただけてうれしい」と話していた。