2024年(令和6年) 12月10日(火)付紙面より
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今年7月の記録的大雨の影響で荒瀬川が決壊・氾濫し家屋に大量の土砂が流れ込み、避難中だった女性=当時(86)=が亡くなるなど特に被害が大きかった酒田市大沢地区。地区外に避難したり、引っ越しを余儀なくされ、離れ離れになった住民が一堂に集まる交流会「まだみんなだで、大沢さ集ばろぜ」が8日、大沢コミュニティセンターを会場に開かれ、改めて大沢に思いをはせた。
今夏の記録的大雨で酒田市では、川の氾濫や土砂災害などで793棟の住宅に被害が出た。特に被害が大きかった大沢地区では住民の流出が著しく、地域コミュニティの維持が課題となる中、大沢コミュニティ振興会(後藤正一会長)は今回、「みんなで集まれる機会をつくろう」と、地区の農村RMO「大沢わぐわぐ未来協議会」、復旧・復興とより良い未来をつくるために活動する若者で組織する団体「酒田やわた未来会議(仮称)」などと共に交流会を企画した。
この日は離れ離れになった住民100人余が参加。再会を喜び合いながら地区の女性グループ「大沢んめちゃんズ」(遠田恵美子代表、13人)が調理したカレーライスに舌鼓を打った後、地区で地域活性化に取り組む阿部彩人さん(44)=合同会社COCOSATO代表=が制作した被害の様子や復旧の状況を伝える映像が映し出されると真剣なまなざしで見入り、中には涙ぐむ人の姿も。この後、後藤会長、遠田代表らが被災の体験、これからの大沢などを語り合ったほか、酒田の歌姫・白崎映美さんらのステージショー、大沢清流太鼓の演奏も行われ、「つながり」を再確認し合った。
これまで支えてくれた人たちに向け、交流会の模様は動画共有サイト「YouTube」で配信。後藤会長は「大勢から集まってもらい、ありがたい。復興に向けて動く行政・建設関係者、応援してくれるボランティアにも感謝。復興に突き進むしかないと思っており、頑張っていきたい」と話した。