2024年(令和6年) 12月10日(火)付紙面より
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ユネスコ食文化創造都市認定10周年を記念する「つるおかふうどフェスタ」が7日、鶴岡市のグランドエル・サンで開かれた。海外の認定都市から料理人を招き、料理のデモンストレーションや振る舞い、鶴岡の食文化にまつわる体験、鶴岡の食文化推進に取り組むさまざまな団体の出展によるマルシェなど多彩な催しが行われ、子どもから高齢者まで約2500人が来場し、ユネスコが認めた鶴岡の食文化の幅広さと奥深さを体感した。
同市は2014年12月、豊富な在来作物や出羽三山信仰と結び付いた精進料理、多様な伝統的行事食などが評価され、国内初のユネスコ食文化創造都市に世界で6番目に認定された。21年には大分県臼杵市が日本で2番目の認定を受け、23年11月現在で世界56都市が認定されている。
10周年の節目に合わせたフェスタは市と鶴岡食文化創造都市推進協議会が主催。鶴岡の食文化を支える人や担い手などによるトークが繰り広げられ、最年少で野菜ソムリエプロとなった特別ゲストの緒方湊さん(16)=横浜市=も登場。「民田ナスはどこから伝わったか」などクイズを交えた講演で人気を集めた。
米国やブラジル、メキシコ、ポルトガル、ノルウェーなど海外の認定7都市のシェフによる各都市ならではの料理の実演と振る舞いも注目を集め、外国からの来場者が英語で質問するなど国際色あふれたイベントになった。笹巻や鶴岡雛(ひな)菓子、とち餅、しょうゆの実などを作る体験コーナーには子どもたちも多く参加し、にぎわっていた。
鶴岡に住み始めて5年ほどという菅野響樹さん(29)と遥さん(29)夫妻は「鶴岡の食の素材の素晴らしさと豊かさは本当にすごいと実感している。それを長く守っている食文化、素材だけでなく料理も全国、海外にもっともっと発信してほしい」と話していた。
8日は、来日したシェフが腕を振るうディナーがグランドエル・サンで開かれ、首都圏など県内外から訪れた約100人が、ユネスコ食文化認定都市がつないだ世界の料理を堪能した。