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荘内日報ニュース


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2024年(令和6年) 9月6日(金)付紙面より

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記録的大雨被害 被害総額913億円 県内

庄内・最上中心の大雨 過去最悪
住宅被害は酒田市761戸遊佐町312戸に

 7月25日朝から翌26日未明にかけて庄内・最上地域を中心に本県を襲った記録的大雨に関して県は4日、現時点での被害総額が公共土木施設、農林水産、教育施設、商工業合わせて約913億円に上ると発表した。先月28日時点から約24億円増え、県内で発生した水害として過去最悪を更新し続けている。県によると、調査途中のため被害額はさらに拡大する見込み。

 県によると、県と市町村の道路や河川、砂防など公共土木施設の被災は2235カ所におよび被害額は約755億円。農林水産関係は約135億円。このうち浸水・冠水・土砂流入などによる農作物の被害額は5億3000万円。水路・農道・ため池など農地・農業用施設は3588カ所で損壊し被害額は109億4200万円に達した。

 商工業関係の被災事業者は271社で被害額は22億9000万円。住宅被害は庄内5市町をはじめ17市町村の1768戸で確認、酒田市が最も多く761戸で、次いで遊佐町が312戸だった。


八幡地域の断水は全戸解消
支援制度拡充と相談窓口設置発表
酒田

 酒田市は4日、記録的大雨の影響で酒田市八幡地域で続いていた断水について全戸で解消したと発表した。

 同日開かれた定例会見で矢口明子市長が明らかにした。市内では八幡、平田両地域の最大1078戸が断水。特に八幡地域の大沢地区では水源となっている同市升田地区から続く主要な水道管が破損した影響で長期化したが、3日午後5時までに仮設水道管を設置する復旧工事が終了したという。

 一方、矢口市長はこの日、被災者支援制度の拡充、支援案内窓口の設置に関して発表。被災者生活再建支援法の適用外となる半壊、準半壊、一部損壊の世帯に対して市独自に工事費の半額を最大45万円まで補助するほか、罹災(りさい)証明書で半壊以上となった世帯を対象にエアコンと生活家電3点の購入費用を助成する。

 支援制度の拡充に伴って住宅再建支援に関する相談需要の増加を見込み、市役所1階、八幡、松山両総合支所内に被災者支援案内窓口を開設。被災者ハンドブックや主要支援制度チラシを配布するほか、申請する各課への案内を行う。


被災者生活再建へ
矢口市長に要望書

 酒田市議会最大会派・新政会(進藤晃会長、所属10人)は5日、今回の大雨災害に関して被災者の生活再建に向けた各種支援制度の拡充などを盛り込んだ緊急の要望書を矢口市長に提出した。

 この日は所属する全議員が市庁舎を訪問した。要望書は▽被災者の生活再建への支援▽公共土木事業等の災害復旧事業▽商工業・農林業等への支援―の3項目で構成。被災者生活再建支援法の弾力的運用が可能になる要望活動の展開などを求めた。進藤会長は「要望を3つに絞った。配慮をお願いしたい」と。矢口市長は「迅速に市民の声を取りまとめてもらい感謝」と述べた。

 一方、甚大な被害が出た西荒瀬地区、八幡地域を地盤とする議員から相談窓口の一本化や、八幡保育園の将来像に関する要望が出された。

矢口市長(左から7人目)に要望書を手渡す進藤会長(同6人目)
矢口市長(左から7人目)に要望書を手渡す進藤会長(同6人目)


2024年(令和6年) 9月6日(金)付紙面より

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庄内北限「スダチ」収穫始まる 品質良く料理に爽やかさ運ぶ 鶴岡市熊出・佐藤さん方

 庄内が北限のかんきつ類スダチの収穫が各栽培農家で始まった。鶴岡市熊出の佐藤勝さん(74)方の畑ではゴルフボール大に実ったスダチを枝から取り、近くの産直「グー」に出荷している。

 庄内産のスダチは例年5月上旬に花が咲き6月ごろに実をつける。収穫は9月初め。庄内5市町の農家合わせて17人が栽培し産直施設とJAに出荷、地元の飲食店でも引き合いがある。

 用途は肉や魚料理、サラダ、焼酎の割りものなど幅広い。主産地の四国ではスダチの輪切りをたくさん入れて香りと爽やかさを楽しむ「スダチそば」が人気だ。

 月山ワイン用のブドウをメインに作っている佐藤さんが、スダチ栽培を始めたのは8年前。「ただ単に興味を持って」と広さ3アールの畑に24本植えて育てている。「今年はよく実った。品質はいいよ」と佐藤さん。「一緒に育てる農家が1人でも増えたらうれしいね」と笑顔を見せた。

 庄内産スダチは2、3年の幼木の越冬対策が難しいが、成木になれば、それほど手間はかからないという。収穫した実を半年間保存する技術も確立されている。

 佐藤さん方での収穫は今月20日ごろまで。今年は200~250キロの収量を見込んでいる。

濃い緑色をした庄内産「北限スダチ」を収穫する佐藤さん
濃い緑色をした庄内産「北限スダチ」を収穫する佐藤さん


2024年(令和6年) 9月6日(金)付紙面より

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表情や身振り手振り豊かに 田川地区中学・高校英語弁論大会

 田川地区の中高生を対象にした「令和6年度田川地区中学校・高校英語弁論大会」が3日、鶴岡市中央公民館で開かれた。中学の部(暗唱、スピーチ)に22人、高校の部(スピーチ)に11人が出場し、身振り手振りや表情、言葉の抑揚を織り交ぜながら英語力を競った。

 県英語教育研究会田川支部主催、鶴岡市教委と鶴岡ロータリークラブの後援で毎年この時期に開かれている。東北公益文科大の大山慎一教授を審査員長に、鶴岡東高校英語講師のジェフリー・D・ビリングさんと市教委ALTのハリー・ボーン・セバスチャンさんが審査員を務め、発音や内容、表現、態度を総合的に審査した。

 このうち中学校の暗唱の部では、壇上に立った生徒たちが「Can Anyone Hear Me?」(聞こえますか?)や「Gon,the Little Fox」(ごんぎつね)などのタイトルを暗唱。身振り手振りを交えたり、目に力を入れたりと表現方法を工夫しながら練習の成果を披露した。

 中学校の部は暗唱、スピーチとも1位、高校の部は上位2人がそれぞれ今月27日に寒河江市で開かれる県大会へ出場する。

 結果は次の通り。
 ◇中学の部
 ▽暗唱=1渡部美乃(櫛引2年)2佐藤蒼志(豊浦3年)3齋藤佳澄(温海3年)4鈴木胡々(鶴岡一3年)5黒井優衣(櫛引2年)▽スピーチ=1佐藤匠之輔(鶴岡一3年)2阿部美空(藤島3年)3関本舜介(鶴岡三3年)4阿部光峻(立川3年)
 ◇高校の部
 ▽スピーチ=1石川真帆(羽黒3年)2齊木和心(羽黒1年)3太田陽和(致道館1年)

身振り手振りや表情を織り交ぜ、中高生たちが英語力を競った
身振り手振りや表情を織り交ぜ、中高生たちが英語力を競った


2024年(令和6年) 9月6日(金)付紙面より

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地域の「波渡ナス」これからも大切に 本年度で閉園の小堅保育園栽培

思いひとつに収穫感謝祭
奥田シェフが料理 園児らが舌鼓打つ

 鶴岡市堅苔沢の小堅保育園(小林リサ園長、園児14人)の園児らが栽培している在来作物「波渡(はと)ナス」の収穫感謝祭が1日、同市遠賀原のイタリアンレストラン「アル・ケッチァーノ」で開かれ、奥田政行シェフが腕によりをかけた料理を振る舞った。同園は本年度を限りに閉園することが決まっており、今後もおいしい波渡ナスを後世につないでいくために、地域はもちろん波渡ナスファンたちが知恵を出していくことを確認していた。

 2015年に外部講師で食育インストラクターの海藤道子さんが同園で料理講習を行った際、出合った珍しい丸ナスを山形大学農学部の江頭宏昌(ひろあき)教授に照会したところ、同園がある堅苔沢地区に100年ほど前から伝わる「波渡の丸なす」であることが分かり、「波渡ナス」として在来作物に登録された。翌16年から当時の土岐邦子園長が呼び掛け、「波渡なすチャレンジ」として地域の人たちと一緒に栽培、収獲、調理、採種をすることで、食べ物への関心や地域愛を育んできた。今年も子どもたちが特製のポシェットに入れた種をおなかで温めて芽出しさせ、5月中旬に種を植え、肥料不足や病害などを乗り越え、8月中旬から収穫が始まった。

 午前中に、閉園についての住民説明会を行い、午後からの感謝祭には江頭教授、海藤さん、土岐先生、地域の「波渡なすばばちゃん」をはじめ、職員、園児・卒園した小学生やその父母ら合わせて43人が参加。それぞれが波渡ナスへの思いを語りながら料理を味わった。メニューは稚アユと一緒に天火焼きにしたり、コンソメで煮浸しにしたもの、パスタやカポナータなど6種類。甘さの中にちょっと苦みがあるのが特徴の波渡ナスだが、子どもたちは「おいしい」と頬張り、スープの1滴も残さないように平らげていた。大人たちも「焼いて塩をさっと振っただけでもおいしいが、シェフの料理はこれまで味わったことのないおいしさ」「こんな料理が食べられるなら、頑張って波渡ナスを作っていかないと」と話していた。

 最後にみんなで、ミュージカルにもなった波渡ナスの歌を歌い、みんなで収穫の喜びを分かち合った。

 この日使った波渡ナスは全部で120個。奥田シェフも「おいしいので、ぜひ店でも使いたい。持ってきてくれたら買い取りたい」と話していた。さらに収穫は続くので、入荷し次第レストランで提供するという。

奥田シェフ考案の波渡ナス料理が次々と出された収穫感謝祭
奥田シェフ考案の波渡ナス料理が次々と出された収穫感謝祭

収穫感謝祭で出された料理の数々。乾燥させたナスをチョコでコーティングしたデザート(左上)に皆驚きの声を上げた
収穫感謝祭で出された料理の数々。乾燥させたナスをチョコでコーティングしたデザート(左上)に皆驚きの声を上げた



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