文字サイズ変更



  • プリント用表示
  • 通常画面表示

荘内日報ニュース


日付の新しい記事へページを移動する日付の古い記事へ
  • ニューストップ
  • 最新記事
  • 戻る

2024年(令和6年) 3月6日(水)付紙面より

ツイート

学校のクロマツ林守りたい 鶴岡・西郷小児童 松くい虫防除体験的に学ぶ 「枯れた松の中はさらさらしていた」

 鶴岡市立西郷小学校(本間活人校長、児童81人)の3、4年生が4日、校内のクロマツなどに被害をもたらす松くい虫の防除を体験した。松を弱らせるマツノマダラカミキリとマツノザイセンチュウについて、児童たちが県庄内総合支庁森林整備課職員の説明を聞くとともに、センチュウを弱らせる薬剤を実際に樹幹へ注入するなどクロマツの保護について学んだ。

 敷地内に100本余りのクロマツが植栽されている同校は、1997年からクロマツ林の保護に関わる学習活動を続けている。本年度は総合学習、地域学習として4年生がクロマツの学習に取り組んできた。

 同日、同校や近くの西郷地区農林活性化センターで行われた県庄内総合支庁主催の松くい虫防除研修に合わせ、今回の防除体験を企画。4年生のクロマツ学習の講師を務めている同支庁森林整備課森づくり推進室の尾形俊成室長補佐(53)が今回も講師を担当した。

 防除体験には4年生と新年度からクロマツ学習に取り組む3年生合わせて21人が参加。初めに尾形室長補佐が松くい虫について「マツノマダラカミキリの幼虫は松の幹や枝の中で内側の樹皮を食べて育つ。カミキリの体内にはマツノザイセンチュウがおり、松の中に入り込んで松やにが出ないよう弱らせる。これによりカミキリの卵は松やにに巻かれて死んでしまうことがなくなる。こうしたカミキリとセンチュウの関係を共生という」と説明した。

 続いて同支庁職員が松の幹に開けた穴へ児童たちが指を入れ、枯れた松と元気な松の違いを確認。児童たちは「枯れた松の中はさらさらしていて、元気な松はべとっとしていた」と話していた。

 その後、センチュウを弱らせる薬剤の樹幹注入を体験。水鉄砲のような形の器具を使い、松に開けた直径5・5ミリの穴に児童たちが1人ずつ薬剤を入れ、その上から殺菌剤を塗り込みふたをした。

 3年生の東海林桜太君(8)は「センチュウがカミキリと協力して松を枯らすのはとても怖く感じた。4年生になったらクロマツを保護するためたくさん勉強したい」と話していた。

 県庄内総合支庁森林整備課によると、昨年の庄内全域におけるクロマツ被害は12万9035本(国有林6万7000本、民有林6万2000本)で、過去最高だった2016年のおよそ1・6倍、22年度の2倍に及ぶ。ほとんどが松くい虫によるものという。16年以降は減少傾向だったものの近年は増加傾向にあり、特に昨夏は猛暑が影響して松くい虫により弱ったクロマツが暑さで枯れるケースが多かった。

西郷小の3、4年生がクロマツを守るため薬剤の注入を体験した
西郷小の3、4年生がクロマツを守るため薬剤の注入を体験した


2024年(令和6年) 3月6日(水)付紙面より

ツイート

南三陸の幸味わう 庄内町で「友好献立給食」

 庄内町内の幼稚園、小学校、中学校計12施設で4日昼、友好町の宮城県南三陸町から届いた海の幸を用いた「友好献立給食」が行われ、園児・児童・生徒たちが友好町の特産品を使ったメニューを味わった。

 2011年3月に発生した東日本大震災直後、甚大な被害に遭った南三陸町を支援しようと、庄内町の職員らは毎日のようにおにぎりなどを届けた。「その時のお礼」として宮城県漁業協同組合歌津支所所属の漁師らが翌12年2月、ワカメを庄内町に寄贈。これをきっかけに庄内町では大震災を風化させないため、毎年届けられる海産物を用いて「友好献立給食」を実施。この日の献立は南三陸町産のギンザケ、メカブ、ワカメを使った▽銀鮭焼き▽めかぶのすまし汁▽わかめのしょうゆの実和え―など。

 このうち、余目第二小学校(冨樫由紀子校長、児童200人)では、子どもたちが友好町の海の幸を使ったメニューに舌鼓。6年生の佐藤光莉(ひかり)さん(11)は「昨年11月に南三陸町に行ってワカメの種付け体験をした。仕事の大変さも分かったので給食で食材を届けてくれるのはうれしい。友好町に感謝して今後も大切に食べたい」と話していた。

南三陸町産の食材を使った給食を味わう児童たち=余目二小
南三陸町産の食材を使った給食を味わう児童たち=余目二小


2024年(令和6年) 3月6日(水)付紙面より

ツイート

本格的に春迎える準備 鶴岡公園 啓蟄に松の胴巻き外し

 5日は冬ごもりをしていた虫が動き出すとされる二十四節気の一つ「啓蟄(けいちつ)」。鶴岡市の鶴岡公園ではこの日、松の幹に巻いていたわらの「こも」を取り外す「胴巻き外し」の作業が行われ、春を迎える準備が本格的に始まった。

 松の胴巻きは、樹木に害を及ぼす虫の越冬習性を利用した伝統的な駆除方法の一つで、同公園では1963(昭和38)年から行われている。晩秋にこもを巻き、早春に外して焼却する。今季は園内のアカマツやクロマツ、五葉松の計84本に巻いた。

 市の委託を受けたシルバー人材センターの6人が2人一組になって作業に当たった。リーダー役の佐藤由蔵さん(78)は「先日降った雪が少し残っているが、毎年この作業に取り掛かると春が来ると感じる。暖かかったり寒かったりを繰り返して、今年も花見の時期を迎えるのだろう」と話していた。

 市街地に春を告げる風物詩ともなっている胴巻き外しは半日で終え、公園内の雪囲いの取り外しも順次進められる。

啓蟄に合わせ「松の胴巻き外し」が行われた
啓蟄に合わせ「松の胴巻き外し」が行われた


2024年(令和6年) 3月6日(水)付紙面より

ツイート

藤沢ワールドファンを魅了 篠田三郎さん「暗殺の年輪」朗読会

 鶴岡市出身の作家・藤沢周平(1927~97年)の直木賞受賞作「暗殺の年輪」を俳優が読み上げ、聴衆が藤沢世界に浸る朗読会が3日、同市の荘内神社参集殿で行われた。県内外から約200人の藤沢ファンが足を運び、海坂藩の風景を思い浮かべながら朗読に耳を傾けた。

 市立藤沢周平記念館主催。同館で開催中の「直木賞受賞50周年記念展『藤沢周平と直木賞』」関連のイベントとして実施した。デビュー作「溟(くら)い海」をはじめ3作が直木賞候補となり、4回目の候補でついに直木賞を受賞したのが「暗殺の年輪」。親子二代にわたり暗殺という無情な役目を引き受けざるを得なかった、下級武士の悲哀を描いたストーリーで、庄内藩をモデルにした架空の藩「海坂藩」が初めて登場した作品でもある。

 朗読を担当したのは俳優の篠田三郎さん(75)。篠田さんは藤沢周平原作の映画や時代劇に出演している。藤沢周平記念館関連のイベントでは2011年から朗読を務めており、今回で4回目。

 篠田さんが読み上げる海坂藩の情景や、主人公・葛西馨之介の心情などに聴衆は耳を傾け、時折目を閉じて朗読に聞き入り、海坂藩に思いをはせていた。

海坂藩の情景や登場人物の心の動きなど、情感を込めて朗読する篠田さん
海坂藩の情景や登場人物の心の動きなど、情感を込めて朗読する篠田さん


2024年(令和6年) 3月6日(水)付紙面より

ツイート

練習成果 元気に披露 「庄内論語」素読 三瀬保育園

 君子学んで以(もっ)て其(そ)の道を致す―。鶴岡市の庄内藩校致道館で2日、同市の三瀬保育園(本間日出子園長)の年長児による「庄内論語」の素読が行われ、スーツや振り袖姿の園児たちが保護者を前に1年間練習を重ねてきた成果を元気に披露した。

 同保育園では8年前から年長児が毎月1回、致道館を訪れ、同館統括文化財保護指導員の富樫恒文さん(76)の指導を受け、論語の素読を体験している。本年度の年長児14人も4月の桜の時期から毎月足を運び素読を繰り返し学んできた。

 この日は卒園式を前に、保護者へ1年間の頑張りの発表の場として最後の素読を行った。藩主が入る「御入間(おいりのま)」で、富樫さんの後に続いてみんなで声をそろえて20章の素読を披露した。見守った保護者から拍手が送られ、本間園長は「1年間、とても素晴らしい場所で良い時間を過ごすことができた。みんな頑張ったね」とお褒めの言葉を贈った。

 富樫さんは「難しい言葉があっても何度も声を出して読んで、頭ではなく体で覚えた皆さんは立派です。きっと心にも残ったはずです。致道館で学んだことを大切にして小学校に入学してからも頑張って」と園児たちに語り掛け、致道館名の修了証を手渡した。相庭大陽(たいよう)君(6)は「大変だったけど楽しかった」と話し、父親の裕真さん(36)は「大人でも難しい言葉が多いのに、本当によく頑張ったと思う」とわが子の成長を実感していた。

保護者を前に1年間の素読の成果を発表する園児たち
保護者を前に1年間の素読の成果を発表する園児たち



日付の新しい記事へページを移動する日付の古い記事へ

記事の検索

■ 発行月による検索
年  月 

※年・月を指定し移動ボタンをクリックしてください。
※2005年4月分より検索可能です。

 
■ キーワードによる検索
   

※お探しのキーワードを入力し「検索」ボタンをクリックしてください。
※複数のキーワードを指定する場合は半角スペースを空けてください。

  • ニューストップ
  • 最新記事
  • 戻る
ページの先頭へ

Loading news. please wait...

株式会社 荘内日報社   本社:〒997-0035 山形県鶴岡市馬場町8-29  (私書箱専用〒997-8691) TEL 0235-22-1480
System construction by S-Field