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荘内日報ニュース


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2024年(令和6年) 3月27日(水)付紙面より

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酒井氏へ鶴岡市名誉市民の称号 推戴祝う 「歴史と伝統受け継ぎ これからも地域のために」

 鶴岡市名誉市民推戴(すいたい)式が25日、同市のグランドエル・サンで行われ、旧庄内藩主酒井家18代当主で公益財団法人致道博物館名誉館長の酒井忠久氏(77)=鶴岡市家中新町=に、名誉市民の称号が贈られた。酒井氏は「身に余る光栄。この言葉が正直な気持ち。これまで大勢の方々に協力を頂き、感謝します。これからも庄内地域、鶴岡市の役に立てるよう努めていく」と述べ、これまで関わった多くの人々への感謝を伝えた。

 酒井氏は、1976(昭和51)年に致道博物館理事となり、92年から2023年までの31年間は代表理事・館長として、庄内地域の考古・歴史・民俗資料の保存収集、国指定重要文化財群の維持管理に努め、地域の文化財保護と継承に尽力。松ケ岡開墾場総長として、戊辰戦争後に旧庄内藩士が開拓した同開墾場の大蚕室群などの保存にも長年にわたって力を入れ、1989年の国史跡指定、2017年の開墾場を中核とした「サムライゆかりのシルク」の日本遺産認定に寄与した。

 地元の関係団体と連携して庄内藩校致道館の教学の精神の継承にも尽くしている。2022年に迎えた酒井家庄内入部400年の節目では実行委員会の顧問に就任し、記念事業の「象徴」として県内外での講演や講話を通し、広く全国に庄内の地域固有の歴史と精神文化、伝統文化を発信。今年1月に皇居で行われた歌会始の儀では、司会役の「読師(どくじ)」の重要な役どころを担った。16年に公益財団法人日本美術刀剣保存協会(東京)の会長に就任。昨年6月から致道博物館名誉館長。

 推戴式には、市内各団体の代表者や酒井氏の知人、友人、親族ら関係者約140人が出席。皆川治市長が「地域の歴史や文化の継承、教育、産業の振興など多分野にわたり、本市の発展にご尽力いただき、深甚なる敬意を表する」と式辞を述べ、尾形昌彦市議会議長、吉村美栄子知事(代理)らが功績をたたえ、お祝いの言葉を贈った。

 夫人の天美さん(78)と共に式に臨んだ酒井氏は「致道博物館を起点にいろいろな分野で皆さんと共に連携し、ご指導を頂きながら活動してきた。(庄内は豊かな)『天府の国』と、こよなく庄内、鶴岡を愛した酒井家代々をはじめ先人先輩たちが発展させてきたこの地域の伝統と歴史を受け継ぎ、私たちは歩んできた。酒井家庄内入部400年記念事業に参加できたことは、大変ありがたく思っている」とあいさつ。最後に「これまで家内から支えられてきた。(名誉市民推戴は)80%は家内の力。支えてくれた家内に感謝します」と、天美夫人に感謝を述べた。

 同市の名誉市民は、市町村合併前を含め30人目。酒井氏の父親の酒井家17代当主・忠明(ただあきら)氏(故人)も1999年に推戴された。推戴式に引き続き、実行委員会形式で「祝う会」が開かれ、発起人代表の東山昭子市芸術文化協会長らが、酒井氏の功績や誠実で温厚な人柄に触れ、「酒井氏は庄内、鶴岡のシンボル」などお祝いの言葉、孫5人が花束を贈り、名誉市民推戴を喜び合った。

推戴式で名誉市民の称号が贈られた酒井氏(中央)。左は夫人の天美さん
推戴式で名誉市民の称号が贈られた酒井氏(中央)。左は夫人の天美さん


2024年(令和6年) 3月27日(水)付紙面より

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着物で雛めぐり満喫 鶴岡呉友会無料着付け 街歩きや人形鑑賞、ランチ

 着物を着てひな巡りを楽しもうという「きもので雛(ひな)めぐり」が23、24の両日、鶴岡市内で行われた。参加者は街歩きを楽しみながら、ひな人形観賞やひなランチなどで和服に親しむひとときを過ごした。

 鶴岡雛まつり実行委員会では現在開催中の「鶴岡雛物語」の期間中、着物で展示施設を巡ると入館料が半額になるサービスを実施している。これに合わせて、市内の呉服店でつくる鶴岡呉友会(トキワ屋、着物の小いけ、むらまご呉服店、南銀座池田)は毎年、楽しくお得に着物を着る機会を提供しようと「きもので雛めぐり」を企画し、無料で着付けをしたり、提携する料理店などの食事料金を割引にするなどしている。今回は、4店合わせて約80人が参加した。

 このうち、着物の小いけでは23日、参加した21人が▽「庄内ざっこ」で食事し、三井家蔵座敷のおひなさま見学▽「蔵屋敷ルナ」で食事し、致道博物館と荘内神社のおひなさま見学―の二手に分かれた。三井家蔵座敷では同家の三井圭子さんも着物姿でお出迎え。人形や道具類のいわれなどを解説した。遊佐町から参加した女性は「小いけの着付け教室で知り合った仲間と参加した。銀座通りは何度も通っているのに、このような立派な蔵があることに気付かなかった。おひなさまも素晴らしかった」と話していた。

蔵屋敷ルナでは食事の合間に享保雛に見入った=23日
蔵屋敷ルナでは食事の合間に享保雛に見入った=23日


2024年(令和6年) 3月27日(水)付紙面より

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春は庄内の行楽を売り出す好機

 県とJR東日本による春の観光キャンペーンが、4月から6月まで展開される。キャッチコピーは「心ほどけるやまがた」。県内各地の美食・美酒・温泉・自然・歴史と文化などを積極的に売り出し、本物に触れてもらうことを前面に打ち出している。

 庄内は今年、特別な年に当たる。羽越本線が全線開通してから7月31日で100周年を迎える。この機会を捉え、鶴岡市では既に「つるおか春の観光キャンペーン」が動き出している。羽越本線を走る観光列車「海里」の車窓から眺める夕日は、観光客に誇ることができる秀景だ。県と歩調を合わせ、庄内を売り出す積極的なPRをしてもらいたい。

◇      ◇

 人の移動が伴う観光は有力な産業。観光客受け入れはさまざまな業種が関わり合って成り立つ、裾野が広い産業だ。鶴岡市、酒田市を中心にした庄内は観光資源に恵まれている。今年は辰歳(たつどし)御縁年の善寳寺、出羽三山神社、荘内神社が御縁年御朱印帳による「詣でる」企画を予定している。

 羽越本線の全線開通100年に寄せる期待も大きい。1918年9月、陸羽西線から分岐した羽越本線が余目駅から鶴岡駅に向かって線路が敷設され、当時の『荘内新報』は〈汽笛一声荘内平野に響く〉と伝えた。その6年後、羽越本線は新潟―秋田間が全通した。物流だけでなく、時には臨時の観光列車が運行されるなど、経済の発展に果たした役割は大きい。

 話はやや横道にそれる。「庄内」という知名度は、「津軽」(青森県)や「南部」(岩手県)と比べてどうだろうか。あくまでも演歌での話だが、津軽や南部を冠した歌が数多くヒットしている。しかし庄内となるとあまり耳にしない。岩手県出身の福田こうへいが、1月から「庄内しぐれ酒」を歌い、今年はこの歌に力を入れて歌うと話している。そんなあたりにも、庄内を売り出すヒントが潜んではいないだろうか。また、5月の鶴岡天神祭では航空自衛隊・ブルーインパルスの飛行もある。誘客の好材料になりそうだ。

◇      ◇

 庄内の「出羽三山・生まれかわりの旅」「北前船寄港地・船主集落」「サムライゆかりのシルク」の3カ所が日本遺産に認定され、秋田県南地域も含めた鳥海山と飛島が「日本ジオパーク」になっている。近年の観光は単なる物見遊山から歴史・伝統・文化に触れることを旅の目的にする傾向にあるという。庄内の観光資源はうってつけの環境にある。

 鶴岡市の藤沢周平記念館では「直木賞受賞50年記念企画展」を開催した。藤沢氏は庄内の風土や多彩な食を作品の中にちりばめている。記念館の来館者に、作品に登場するみちのくの小藩「海坂藩」のモデルとされる鶴岡市やその周辺の景観を訪ね歩いてもらう。春の観光キャンペーンを、庄内を売り出す好機にしたい。

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2024年(令和6年) 3月27日(水)付紙面より

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華麗に一輪車妙技 「ケセラ」10周年発表会 酒田

 創立10周年の節目を迎えた酒田市の一輪車グループ「酒田ユニサイクル『ケセラ』」(石黒由香代表)の記念発表会「ケ・セラ・セラ」が23、24の両日、市ひらたタウンセンター・シアターOZで開かれ、石黒代表の演出によるメンバーの華麗な妙技が訪れた人たちを魅了した。

 長年にわたって一輪車競技に取り組む「山形田沢っ子こぐぞ~クラブ」の演技部門として2013年4月に発足。現在の会員は市内在住の児童―一般24人。週末を中心に平田地域の体育館などで練習を重ね、「酒田まつり」「ひらた目ん玉まつり」といった市内外の各種イベントで演技を披露しているほか、多くの大会にエントリーし上位入賞者を輩出している。

 毎年この時期、同地域のひらた目ん玉スポーツクラブ(丸山清会長)の後援で発表会を開催。メンバー11人による「Dreamgirls」と題した舞で開幕した後、ソロやペア、グループで技を次々と発表。しっとりとしたバラード、心弾むリズムに合わせたステージを繰り広げ、満員の観客を魅了した。また、メンバーの保護者やOGらで組織するグループ「アマゾナイト」が「Victory」のテーマで一輪車、チアダンスを披露、10周年の舞台を華やかに彩った。

華やかな舞で観客を魅了したケセラメンバー=24日
華やかな舞で観客を魅了したケセラメンバー=24日


2024年(令和6年) 3月27日(水)付紙面より

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「獄医立花登手控え」の世界 登場人物やストーリー資料70点余 藤沢周平記念館

 鶴岡市出身の作家・藤沢周平(1927―97年)の人気シリーズの登場人物やストーリーに関するさまざまな資料を紹介する企画展「『獄医立花登手控え』の世界」が23日、鶴岡市立藤沢周平記念館で始まった。主人公の牢医・立花登をはじめ魅力あるキャラクターの人物像のほか、江戸期の司法や牢屋敷の生活など数多くの資料が来場者の目を引いている。

 「獄医立花登手控え」は1979年、第1章「雨上がり」が小説現代1月号に発表され、以降83年の同誌2月号まで全24章が連載された。物語は江戸に出た青年医師の立花が、はやらない町医者の叔父に代わり小伝馬町の牢医を勤めるところから始まり、囚人や病人との関わりからさまざまな事件に巻き込まれる。立花が推理と得意の柔術で解決しながら医者として、人間として成長していく姿が描かれている。

 のちに全章が「春秋の檻」「風雪の檻」「愛憎の檻」「人間の檻」のシリーズ全4冊に所収、刊行された。82年にはNHKで「立花登青春手控え」のタイトルでドラマ化(全23話)。2016年にリメイク版が制作され、NHK BSプレミアムで放送された。

 今回は藤沢周平記念館の第21回企画展として開催。23章分の自筆原稿をはじめ、ちらしの裏に書き留めた情景描写の創作メモや草稿、登場人物の詳細パネルなど資料約40点が展示されている。期間中に入れ替える分も合わせ、展示資料は約70点に上るという。

 作中では立花が医学を勉強する場面に実在する当時の医学書が書かれており、山形市郷土資料館が所蔵する同名の医学書も展示された。また、立花が得意とする柔術の指南書や、牢屋敷の生活、しきたりなどをまとめたパネルも展示された。

 展示は9月24日(火)まで。休館日は毎週水曜(休日の場合は翌平日)。6月18―21日は臨時休館となる。入館時間は午前9時から午後4時半(受け付け終了)。問い合わせは藤沢周平記念館=電0235(29)1880=へ。

藤沢周平の人気シリーズ「獄医立花登手控え」に関するさまざまな資料が展示されている
藤沢周平の人気シリーズ「獄医立花登手控え」に関するさまざまな資料が展示されている



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