2025年(令和7年) 1月30日(木)付紙面より
ツイート
鶴岡市温海地域の槙代地区で26日、「つながろう槙代“コロナ終息お礼”つな打ち」と銘打った奉納用のわらのしめ縄作り作業が行われた。地区内の20―80代の男性約20人が槙代公民館に集まり、分担作業で協力し合って鎮守の大鳥神社や皇太神社、樹齢400年を超えると言われる地元の「大ケヤキ」に飾るしめ縄5本を作り上げた。
槙代地区では以前、地区内を流れる小国川に架かる木製の橋が洪水で流されないようにと、橋桁をつなぎ留めるため、地区を挙げた共同作業でわら縄を編み大綱を作っていた。その後、丈夫なロープの普及で綱打ちは途絶えたが、世代を超えたつながりを持たせようと、40年ほど前に共同作業を復活させ、地区の男衆たちによる綱打ちを継続している。
この日は、事前に古くから使っている「わら打ち」の機械で柔らかくしたわらを10本ほど束ねて小さな束を作り、これを継ぎ足しながら長く太い綱に仕上げていった。天井からつるして4人一組で「よいしょ、よいしょ」と声を掛け合い、呼吸とリズムを合わせ、よりをかけていった。最大直径15センチで長さ9メートルの綱1本と、長さ4メートルを4本の計5本を3時間ほどで作り上げた。わらは稲束を杭(くい)掛けしている地元農家の庄司新助さん(76)が毎年提供している。庄司さんは「5反のうち、はえぬきの1反を杭掛けしている。均等に天日を当てて乾燥し、丈夫なわらにするため、毎年3回は掛け替えている。手間はかかるが地元のため、体力が続く限りやり遂げたい」と話した。
槙代自治会の板垣金一会長は「集落の各世帯が集まって共同作業をすること自体に大きな意味がある。細い1本1本のわらがつながって強固な1本の綱になる。この綱のように槙代集落のつながりを大切にして保っていきたい。本当は綱打ちは名目で、油揚げ(厚揚げ)と長ネギ、卵で作った特製のつまみでみんなが楽しむ、反省会の飲み会がメインです」と笑っていた。