2025年(令和7年) 1月31日(金)付紙面より
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酒田市立第三中学校(佐藤英喜校長、生徒474人)の生徒会(土門あかり生徒会長)と学区内の3自治会連絡協議会は29日、昨夏の大雨災害で甚大な被害に見舞われた市内の被災者支援に向け、市に対して広く学区住民から募った義援金223万7730円を贈った。
大雨災害を受け同校生徒会は昨年9月から校内で募金活動を実施。さらに年末にかけ、生徒が地域とのつながりを確認しながらさまざまな活動を行う独自の取り組み「三コミ」を共に展開する港南、亀ケ崎、松原学区の3自治会連絡協議会の協力で学区内の各家庭を訪問、広く義援金を募った。
贈呈式は市役所で行われ、佐藤校長らの引率で土門生徒会長(15)はじめ3年執行部員6人と、小野英男港南、鈴木教正亀ケ崎、船越誠松原学区の各自治会連絡協議会長が訪問。土門生徒会長が「家庭訪問の際、励ましの声を頂くなど地域の輪の深まりを感じた。被災した皆さんに届けてください」と述べ、矢口明子市長に義援金を手渡した。
矢口市長は「皆さんにとって素晴らしい経験になったと思う。生活再建のため最も必要なのが義援金。皆さんの気持ちも一緒に届ける」、同席した赤坂宜紀教育長は「自分たちで自分たちの学校をつくっていると感じた。地域、市全体のため活動してもらい、ありがたい」とそれぞれ謝辞。市は「大雨災害義援金」に組み込み、被災者支援に活用する。
2025年(令和7年) 1月31日(金)付紙面より
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酒田市の東北公益文科大学の学生有志が企画した「ジェンダーカード交流会」が28日、市公益研修センターで開かれ、市民や学生らが性差別や無意識の偏見(アンコンシャスバイアス)などについて意見交換した。
交流会はジェンダーに関する質問形式のカードを使ってグループトークを行うもので、昨年夏に県が鶴岡市などで開催した「男女共同参画ユースリーダー養成講座」を受講した公益大の中田歌穂さん(20)=2年、卯野優菜さん(19)=1年、佐藤弘将さん(19)=同=が企画。カードは講座内で3人が質問内容などを考案し、昨年秋に高校生を対象に実施した出前講座で出た意見を取り入れてブラッシュアップしたものを利用した。
この日は高校生や学生、市民ら男女11人が参加。5―6人の2グループに分かれ、車座になってカードをめくりながら和やかに交流した。「生理のことをどのくらい知っているか」の質問には「女性ではないので本当の意味での生理痛のつらさは分からないが、今は道具もあるので伝わりやすくはなっていると思う」「これまでは話題に出すことがタブー視されてきた。生理用品にもお金がかかるなど男性にも理解が進めばいい」「自分の時は女子だけの授業だったが、基本的な知識は男子も学んだ方がいいと思う」などの意見が出た。また「男子の制服にスカートがあったら?」との問いには「今はファッションで男性もスカートをはくのでいいと思う」「かっこいいと感じる」などがあった。
参加した庄内総合高校3年の大井美優さん(18)は「他の人と話すことで自分にはない価値観を学ぶことができ、すごく楽しかった。また参加したい」、企画した中田さんは「普通に生活していたら聞くことができないリアルな話が聞けて良かった。今日の意見を参考に新しいカード作りや話題にしづらい事柄の教材作りなどにも取り組んでいきたい。今後も開催できれば」とそれぞれ話していた。
2025年(令和7年) 1月31日(金)付紙面より
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全国規模のコンクール「お弁当・お惣菜(そうざい)大賞2025」で懐石料理店などを経営する山形優味(ゆうび)(鶴岡市錦町、丸山環社長)の出品作が弁当部門と今回新設された魚弁当部門で全国1位の最優秀賞に輝いた。ダブル受賞は2年連続。
同コンクールは全国スーパーマーケット協会が主催する中食産業の最新情報を発信する商談展示会で発表されるもので、2月12日から14日まで、千葉市の幕張メッセで開催される。弁当やスイーツ、サラダ、麺など11部門があり、それぞれ「スーパーマーケット」と「専門店・CVS(コンビニ)他」に分けて審査した。主催者発表で、全国から計1万5256点が出品され、うち弁当部門には2497点、魚弁当部門に1042点の応募があった。
「専門店・CVS他」で山形優味が受賞したのは、弁当部門の「行楽弁当」と魚弁当部門の「魚づくし弁当」。「行楽弁当」は山形牛のローストビーフ、焼きザケとイクラなどで、肉も魚も楽しめる豪華な一品。「魚づくし弁当」はヒラメの昆布締めやタラとイシモチのさつま揚げなどの他、フライや天ぷらなどバリエーション豊かに仕上げた。いずれも9割以上、県産の食材を使い、調味料も庄内産にこだわり、薄味にした。米もそれぞれ「つや姫」と「雪若丸」を使用した。
2022年の同コンクールお弁当部門で最優秀賞、23年の同部門で優秀賞、24年にはおにぎり部門と天ぷら部門で最優秀賞。ダブル受賞は2年連続、表彰を受けるのは4年連続となる。
丸山社長は「山形産の食材が素晴らしいことを全国にアピールできて本当にうれしい。お祝い事や集まりに適した弁当で、ちょっとしたぜいたくを味わってほしい」と話し、さらに本年度の鶴岡市卓越技能者に選ばれたことで「春には三越でお弁当の催事に引き合いが来ている。今後も鶴岡、庄内の食材を広めていきたい」と抱負を語った。コンクールの表彰式は2月12日に展示会場で行われる。
今回受賞した「行楽弁当」は2780円、「魚づくし弁当」は2500円(いずれも税込み)で、2月2日(日)から販売を行う。3日前までの予約が必要。申し込みは同系列店の「鈴なり」=電0235(26)0135=へ。
さらに、ダブル受賞を記念して、同市錦町の「鶴岡料理すず音」で同日から、ランチタイムで「すず音膳」2500円と「至高膳」3500円(いずれも税込み)の提供を始める。予約は前日まで「すず音」=電0235(22)3231=へ。
2025年(令和7年) 1月31日(金)付紙面より
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鶴岡市青少年育成市民会議(三浦孝会長)は29日、路上でけがをした高齢者を救護した鶴岡市立鶴岡第四中学校(加藤真琴校長、生徒305人)の2、3年生11人へ表彰状を贈った。
手にけが 学校へ付き添い手当て
同会議によると、昨年12月12日の夕方に鶴岡市小真木原町の市道で、高齢の男性が戸惑っているのを下校途中の同校生徒2人が発見。声を掛けると自力での行動が難しい様子で、手にけがをしていることも分かった。一緒にいた家族が「家に帰ろう」と呼び掛けても応じず、誤って転倒し手を擦りむいたという。
様子に気付いた生徒たちが次第に集まって「男性の手当てを学校の保健室で行おう」と話し合い、先に学校へ戻って連絡する役目と、歩行が不自由な男性を支える役目に分かれ、学校へ連れて行くなど連携して適切な行動を取った。治療を受けた男性は無事に帰宅した。
この日、同会議の三浦会長が鶴岡四中を訪問し、生徒総会の前に同校体育館で表彰式を行った。三浦会長は「他人に関わろうとする人が少なく、けがをしていても立ち去るケースが多い現在、皆さんは連携して迅速に適切な行動を取ってくれた。『善行少年』として表彰する」と述べ、欠席した1人を除く10人へ表彰状を手渡した。
表彰を受けた生徒のうちいずれも3年の伊藤百花さん(15)と高橋凜さん(15)は、最初に男性の異変に気付いたという。2人は「初めは赤い手袋をしていると思ったら、けがで流血していて驚いた。下校中の3年生が次々と集まってくれて心強かった」と振り返った。また、保健室まで男性に同行した3年の鷲田蒼月さん(15)は「男子が男性の腕を支えたり、手をつないだりして転ばないようにしてくれた。今後も困っている人がいたら積極的に助けたい」と話していた。