2025年(令和7年) 3月16日(日)付紙面より
ツイート
鶴岡市高坂にある山形大農学部の高坂農場で生産されたリンゴを原料にした「山形大学シードル2025」が13日、農学部など同大の各キャンパス内にある山形大生協の店舗で販売が開始された。通常は生食に適さない受粉樹の果実も使用されており、渋みや酸味が強調されて昨年よりも味わいに深みと奥行きが生まれたという。
高坂農場では40アールの面積でリンゴ10品種計100本を栽培している。2021年の凍霜害、雹(ひょう)害で加工用リンゴが多く発生したのをきっかけにリンゴジュースにして山大生協で販売した。この取り組みがきっかけとなり、23年から鶴岡市の奥羽自慢との協業で、リンゴを発酵させて造るアルコール飲料のシードルを商品開発し販売している。
今年のシードルは食用として定番の「ふじ」「紅玉」「王林」に加え、調理・加工用の「グラニースミス」、受粉樹に実をつけた「ワルツ」「ポルカ」も使用。奥羽自慢は「受粉樹の実で味わいに一層の膨らみが生まれた。青リンゴの割合を増やしたことで、爽やかな香りが際立つ仕上がりになった」としている。
3回目となる今回のシードル(アルコール度数7%)は1本(375ミリリットル)1430円(税込み)。約900本醸造し、完売した場合は11万円が「山形大学基金」などに寄付される。