2025年(令和7年) 3月25日(火)付紙面より
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増加する空き家対策のため所有者と利用者をつなぐ「空家等管理活用支援法人」として酒田市は、同市内の建設業者や不動産業者がタッグを組んだNPO法人「こ家(や)プロジェクト」(理事長・菅原脩太菅原工務所社長)を指定し24日、市役所で菅原理事長に指定書が手渡された。支援法人の指定は県内自治体では同市が初という。菅原理事長は「空き家問題はどこに相談したらいいか分からない人が多い。こ家プロジェクトが伴走支援を行い、地道に実績を積み上げて酒田の空き家問題解決のきっかけをつかめれば」と話した。
全国で課題となっている空き家対策のため国が2015年5月に施行した「空家等対策の推進に関する特別措置法」に基づくもの。空家等管理活用支援法人は23年の同法の一部改正に伴い盛り込まれたもので、市区町村が指定。支援法人は空き家所有者から活用や管理について相談などを受ける環境を整えるとともに、市区町村の補完的な役割を担う。
こ家プロジェクトは、県建設業協会酒田支部、県宅地建物取引業協会酒田など地元建設業、不動産業関係者が理事として名を連ねて協力し、今年1月に設立された。支援法人の指定は今年3月17日から5年間。
この日は菅原理事長や高橋剛理事(県建設業協会酒田支部長)、今井和彦理事(県宅地建物取引業協会酒田代表理事)、政木佑也理事の4人が市役所を訪問。矢口明子市長が菅原理事長に指定書を手渡した。矢口市長は「関係者が一堂に会する法人ということで大変心強い。今後目に見える形で成果が出るようになればありがたい」と期待。菅原理事長は「地方の空き家問題の解決には、みんなが一丸となって取り組む環境をつくることが大事だと思う。不動産業と建設業はあらゆる業界と関係を持っている業種なので、今後いろいろな業種の方を巻き込んで、どうすれば使ってもらえるか、にぎわうかを模索し、情報を集めるだけでなく、情報発信をして所有者と利用者の意識改革にもつなげていきたい」と抱負を述べた。
こ家プロジェクトは同市日吉町二丁目の古民家を拠点に所有者の相談業務など伴走支援。今後立ち上げるホームページで物件情報などを掲載し、広く市民や全国に呼び掛ける。