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荘内日報ニュース


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2025年(令和7年) 3月26日(水)付紙面より

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「食の都庄内」へ いざなうガイドブック 庄内観光コンベンション協会 インタビュー中心に掲載 「美味しい旅本」発行

 庄内観光コンベンション協会は、美食旅を進めるガイドブック「美味しい旅本」を作った。集大成となる今回のテーマは庄内の食材。生産者と料理人の対談や食文化の発信に情熱を注いでいる人たちのインタビューを掲載し「食の都庄内」を堪能する旅へといざなう。

 ガイドブックは、ガストロノミーツーリズム(美食旅)に力を入れる同コンベンション協会が2022年度から発行している。第1弾は「食文化」、第2弾は「美食・美酒」をテーマに掲げ蔵人と料理人の対談を載せた。

 今回は食材にスポットを当て庄内の豊かな「食のストーリー」を描く内容にした。生産者と料理人の対談は▽ショウナイホテル スイデンテラス×出羽弥兵衛▽フランス風郷土料理ル・ポットフー×中川鮮魚店▽manoma×温海町森林組合▽酒田ラーメン花鳥風月×野菜農場叶野▽すたんど割烹みなぐち×五十嵐ファーム―の5つ。食材には庄内の米と魚、在来作物、小麦、豚肉を取り上げた。

 このうちスイデンテラスの総支配人・中弥生さんと料理長の佐藤義高さん、出羽弥兵衛代表取締役の板垣弘志さんのページでは「板垣さんが大事に育てたお米を朝食ビュッフェで使っているが、お客さんが『すごくおいしい』と言ってくれるんです。より楽しんでいただけるように、つや姫の白米と玄米、雪若丸(白米)の3種類の食べ比べができるようにしている」(中さん)、「有機栽培を始めて20年以上たつが、きっかけは自分が農薬作業を続けている時、原因不明の倦怠(けんたい)感に襲われたこと。年齢を重ねても健康でいてオーガニックファーマーの良さを伝えていきたい」(板垣さん)と語っている。

 食文化を伝える人たちのインタビューは庄内野菜キーパーソンの長島忠さん(鶴岡市)、合同会社Maternalの小野愛美さん(同)、「鶴岡ふうどガイド」けん引役の中野律さん(同)が登場する。

 ガイドブックはA5判24ページ。フルカラーで1万部発行した。鶴岡、酒田両市の観光案内所や庄内観光物産館、庄内空港、おいしい山形プラザ(東京)などに設置。自由に持ち帰られるようにする。

 コンベンション協会事務局の県庄内総合支庁観光振興室の担当者は「ガイドブックは今回の第3弾が締めくくりとなる。『食の都庄内』の魅力を発信し、観光誘客につなげたい」と話している。問い合わせは事務局=電0235(68)2511=へ。

5組の対談をメインにしたガイドブック「美味しい旅本」
5組の対談をメインにしたガイドブック「美味しい旅本」


2025年(令和7年) 3月26日(水)付紙面より

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“20歳”タイムカプセル開封 八幡小 32歳の当時6年生思い出深く

 酒田市の八幡小学校(金子尚校長)で23日、20年前に校門近くに埋められたタイムカプセルが開封され、当時の6年生と保護者、教員が懐かしい品を手に思い出話に花を咲かせた。

 同校の創立45周年記念事業として2005年3月、当時の校長やPTA会長が中心となり、各学年児童の作文や絵などをタイムカプセルにして埋設。20年が経過した今年、開封実行委員会(小野尋也委員長)の呼び掛けで、32歳になった当時の6年生約20人と保護者、当時校長だった遠田健一さん(酒田人権擁護委員協議会長)や担任教諭らが駆け付けた。

 小野委員長(32)や当時PTA会長だった佐藤貴夫さん(64)のあいさつの後、スコップを手に土を掘り起こし、校門近くの石碑下に埋められていた縦約1メートル、横約50センチ、高さ約40センチのFRP製タイムカプセルを取り出し、観音寺コミュニティセンターに移動し開封。当時の文集、写真、20年後に宛てた手紙のほか、軟式少年野球チーム・八幡スポーツ少年団のユニホームなどが取り出され、参加者たちは懐かしそうに思い出話に花を咲かせていた。

 参加者の一人、池田悠太さん(32)は、20年前に沖縄の子どもたちと交流した「八幡・東村児童交流の翼」の写真を眺めながら「写真を見て当時の思い出がよみがえった。沖縄の子が友人の家に泊まり、こちらの布団はすごく重いと言って笑い合った。とても懐かしい」と目を細めていた。タイムカプセルの中身は佐藤さんが経営する酒屋「大黒屋」(観音寺)で1年間保管するとのことで、佐藤さんは「思い出の品を見たい人、引き取りたい人は遠慮なく来てもらえたら」と話した。

掘り出されたタイムカプセルと当時の6年生ら
掘り出されたタイムカプセルと当時の6年生ら

タイムカプセルに入っていた品々を見る参加者たち
タイムカプセルに入っていた品々を見る参加者たち


2025年(令和7年) 3月26日(水)付紙面より

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卒業と旅立ちの季節に思うこと

 本紙に長く連載している「がんばるたにしの楽校」が、今月14日で130回を数えた。少子化で廃校になる学校が増え、校舎はさまざまな形で再利用されている。都市交流施設、天体観測、自然体験交流施設など、学校があった地域の特性を生かして活性化につなげている。そうした中、たにしの楽校は「心を育てる」ことに目を向けている。

 連載記事は、分校の保存と活用に取り組む鶴岡市の南正一さんが執筆。毎回記事に添えられる写真には、雨漏りがひどくなって床に発泡スチロールの箱を並べた様子のものもある。維持管理には大勢の人が協力している。楽校はそれぞれの心の故郷なのかもしれない。

     ◇       ◇

 たにしの楽校の昇降口に、童謡詩人、金子みすゞの詩「わたしと小鳥とすずと」が掲げられている。手元にあるその詩の全文である。〈私が両手をひろげても/お空はちっとも飛べないが/飛べる小鳥は私のように/地面(じべた)を速くは走れない 私がからだをゆすっても/きれいな音は出ないけど/あの鳴る鈴は私のように/たくさんな唄は知らないよ 鈴と、小鳥と、それから私/みんなちがって/みんないい〉

 先頃NHKテレビが、84年の歴史を閉じる山口県内の高校の分校の最後の卒業式の様子を特集していた。既に閉校が決まっていたことで、12人の生徒は入学から卒業まで一緒。卒業式の日、列車通学する生徒を、沿線の大勢の住民が各駅のホームに立ち、祝福の寄せ書きのメッセージを掲げ、笑顔で生徒を励ました。地域住民の心のよりどころだった学校がなくなる事への惜別の思いもあっただろう。見送りを受けた高校生は生涯忘れることができない感激を心に刻んだのではないか。

 高校進学率は約99%に達し、ほぼ“義務教育”化し、国会では高校授業料の無償化が議論された。無償化によって有名私立高に生徒が流れる、との指摘もされている。しかし、学習能力が優れているエリートばかりを育てるのが教育とは限らない。閉校する分校から巣立った12人の生徒は、地域の人々の励ましを受けて、豊かな「心」を育んだように思える。

     ◇       ◇

 南さんが、たにしの楽校の運営で、金子みすゞのことを前面に出しているのは、「故郷」とそこで育まれた「心」を大切にしたいからではないだろうか。分校最後の12人の高校生には、心の故郷がしっかり刻まれたに違いない。たにしの楽校の運営に関わる人たちも、同じ気持ちであろう。

 高学歴社会の中で、競争することを避け「横並び」でいることに安心感を覚える傾向もあるという。それでは個性が育たなくなる。みすゞの詩にある〈鈴と、小鳥と、それから私/みんなちがって/みんないい〉は、人にはそれぞれの違い(個性)があって当たり前と言っている。卒業と旅立ちの季節に思う事だ。

画像(JPEG)


2025年(令和7年) 3月26日(水)付紙面より

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「闇バイト」は犯罪 まちキネ 映画上映に合わせ注意動画流す

 首都圏を中心に多発している「闇バイト」の危険性を周知するため、県警本部(山形市)は鶴岡市の鶴岡まちなかキネマの協力を得て、同館で上映する全ての映画作品に合わせて「闇バイトは犯罪」と呼び掛ける動画を流している。期間は4月11日(金)まで。

 闇バイトは「楽で高額を稼げる」などをうたい文句にインターネット上で募集されており、特に若年層が気軽に応募して犯罪に巻き込まれるケースが多い。当初は犯罪に関わるつもりがなくても、免許証などの写しを相手に送ってしまい住所がばれて「家族に危害を加える」と脅され、やむなく強盗などに加担することになる。

 県警本部によると、これまで「闇バイトに巻き込まれた」という相談が警察庁に多数寄せられており、このうち保護措置をとったのは今年2月中旬まで約250件に上るという。

 こうした事態を受け、警察庁は闇バイトの危険性を周知する広報動画「実録!これがホントの『闇バイト』」を作成。同庁のホームページで公開しているほか、各都道府県の警察本部に配布し活用を呼び掛けている。動画は約30秒間で「SNSでの『高額報酬』『口座転売』などの募集を信じるな」「個人情報を握られ『犯罪組織の脅迫』から逃げられない」など、文字とイラストで強く訴えている。

 県警本部は幅広い世代へ闇バイトの危険性を伝えようと、春休み期間中に映画館での動画上映を企画。打診を受けたまちキネが快諾した。同館は2シアター合わせて1日当たり10本前後が上映されており、各作品の前に広報動画が流れるようになっている。

 鶴岡まちなかキネマの三浦新社長は「もともとまちキネは市民の熱意で存続してきた映画館。社会貢献の一環として動画の上映に協力した」と話している。また、県警本部生活安全企画課犯罪抑止対策担当調査官の今野奈緒美さんは「動画を上映してくれた映画館は今のところまちキネが県内で唯一。今後も幅広い地域で広報できるよう考えたい。特に高校や大学での活用を検討する」と述べた。

広報動画について解説する県警本部の今野さん
広報動画について解説する県警本部の今野さん


2025年(令和7年) 3月26日(水)付紙面より

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「すまいる歌声喫茶」再開 市民らの歌声響き渡る ひらたタウンセンターシアターOZ

 冬期間、活動を休止していた酒田市ひらたタウンセンター内の喫茶店「カフェ・すまいる」による「すまいる歌声喫茶」が24日、同センターシアターOZで再開。待ちわびた愛好者が館内に歌声を響かせた。

 カフェを運営する菅原順一さん(88)、律子さん(80)夫妻=砂越緑町=が中心となって2008年にスタートした「すまいる歌声喫茶」は毎回、100人前後が集まる人気イベント。高齢などを理由に菅原さん夫妻は22年11月に一線を退いて以降、運営スタッフ(芳賀隆代表)が毎年3―12月に開催している。

 今年初めてとなったこの日は、同市の「岸洋子を歌いつぐ会」事務局長を務める元音楽教師の佐藤喜和子さん(新橋四丁目)のリード、ピアノ教室を主宰する菊池春さん(若浜町)の伴奏で、待ちかねた市民ら120人が県民歌「最上川」を皮切りに、季節に合わせ「どこかで春が」「北国の春」、旅立ちを歌った「いい日旅立ち」といった楽曲で歌声を響かせたほか、菊池さんが独奏を披露した。

 客席を訪れた菅原順一さんは「この歌声喫茶も16年目。歌っている皆さんのすてきな笑顔を今年も見ることができてうれしい。楽しみながら盛り上げてもらえたら」と参加者を激励、希望者にはコーヒーを提供した。

 芳賀代表によると、歌声喫茶は12月まで毎月第4月曜日午後1時半からシアターOZで開催。参加費は運営費用として1人300円(当日集金)。「歌いつぐ会」制作のオリジナル歌本は無料で貸し出す。

「すまいる歌声喫茶」が再開し、歌声を館内に響かせる参加者たち
「すまいる歌声喫茶」が再開し、歌声を館内に響かせる参加者たち



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