2025年(令和7年) 3月28日(金)付紙面より
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庄内浜の冬の味覚「あんこう鍋」を食べ、おいしさの秘密を学ぶイベント「鮟鱇(あんこう)を知り、味わう」が26日、鶴岡市加茂の「渚の交番カモンマーレ」で開かれた。小学生から高齢者まで約20人が参加し、料理人による「あんこうさばき」の実演を見学した。
地域の海を深く知るための海洋教育、多彩な海の遊び体験、地域の魚食文化継承など同施設が取り組む事業の一環として行われ、庄内浜文化伝道師で坂本屋(鶴岡市三瀬)料理長の石塚亮さんが調理を担当した。
調理前に石塚さんは「アンコウの皮膚はヌルヌルしているのが特徴。頭に突起があり、これを揺らして餌と思って近付いてきた小魚を丸のみする」と解説。石塚さんの勧めで実際にアンコウを触った子どもたちは「ひゃー」「ヌルっとした!」と大騒ぎした。
続いて尾やひれなどを切り落とし、腹を裂いて皮を剥がすなど一連の作業を進めながら、石塚さんは「アンコウはほとんどの部分が食べられる。身、皮、水袋、肝、えらなど7種類の部分に分けられ、これらは『あんこうの七つ道具』と呼ばれる」と説明した。
解体したアンコウが鍋で煮られる間、参加者はコンブとマグロ節でとっただしの風味を確かめたほか、オレンジとイチゴ、キウイなどフルーツを巧みに盛り合わせる石塚さんの技術を見学した。
祖母やいとこと一緒に参加した朝暘二小3年の佐藤朝日君(9)は「(石塚さんが)アンコウをさばくのが速くて驚いた。魚の構造をしっかり分かっていてすごいと思った。あんこう鍋は初めて食べるので、どんな味がするか楽しみ」と話していた。
しょうゆ仕立てのあんこう鍋が完成すると全員で試食。締めにはご飯を入れてあんこう雑炊を味わった。