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2025年(令和7年) 3月30日(日)付紙面より

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「文理融合」「超学際」の実現 公益大 協働の人材育成 課題解決担う大学に 公立化・機能強化に向け連続シンポ最終回

 2026年4月の公立化・機能強化に向けた作業が進む酒田市の東北公益文科大学(神田直弥学長)による連続シンポジウム「公益大があるということ これまで~これから」(全4回)の最終回が27日、市公益研修センターで行われた。パネル討議を通して多様で柔軟な学習プログラム「文理横断・融合」、複雑化する社会課題の解決などに向けて複数の学問分野(学際)に社会現場での学びを加わえた「超学際」の視点から公益大の「これから」について考察した。

 連続シンポは、県「東北公益文科大学機能強化事業費補助金対象事業」として昨年11月来、公益大における▽教育▽起業マインド教育▽研究・地域貢献―をテーマにそれぞれ開催してきた。この日は約60人が聴講。上野隆一公益大後援会長の司会で、野田徹酒田市CDO(最高デジタル変革責任者)補佐官、神田学長、武田真理子公益大大学院研究科長が「文理融合・超学際の実現―これまで~これから」をテーマに意見を交わした。

 野田CDO補佐官はIT技術を例に挙げて「さまざまな専門分野と連携することで社会に対してインパクトを与えてきた。企業における文理の壁はない」と専門分野の「交わり」の重要性を説き、「複雑化した社会課題の解決法を見つけるためには多角的なコミュニケーション、共創や連携が必要」と続けた。

 神田学長は「超学際の取り組みも豊富。研究面も向上している」と庄内地域全体を学びと活動のフィールドとしてきた公益大の学びについて言及。公益大のこれからに関して「大学がこの地域にある意味は人材育成と課題解決。文理横断教育、地域をフィールドとした教育を手法として活用し、多様な考え方を理解し、協働できる人材を養成していく」と述べた。

 武田研究科長は、▽教員の研究の深化、専門分野の可視化・発信▽研究科ならではの学際教育の推進▽地域・社会連携の推進―を柱にした26年度まで4カ年にわたる「大学院改革」を解説し、「庄内地域における研究と教育の好循環を形成したい。学部と大学院の接続による高度職業人材の育成が図れたら」と語った。

 企業人の立場で長く公益大を見守ってきた上野会長は、求められる姿として▽地域に強い大学▽デジタル改革に強い大学▽国際人材育成に力を注ぐ大学―を挙げ、「地域課題について現場も巻き込み全体で考えることで解決の糸口が見つかるはず。公益大からは解決の方向性を示し、行政や経済界と共に地域を変革するための『センター』としての機能を担ってもらいたい」とまとめた。

「文理融合」「超学際」について考察した公益大の連続シンポジウム
「文理融合」「超学際」について考察した公益大の連続シンポジウム


2025年(令和7年) 3月30日(日)付紙面より

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日本さつまいもサミットファーマーズ・オブ・ザ・イヤー 芋萬(酒田)東北で初受賞 喜び報告

 日本最大級のサツマイモ品評会「日本さつまいもサミット」で、酒田市で農薬不使用の安納芋などの生産から加工、販売を行い、焼き芋屋事業も手掛ける「芋萬(いもよろず)」(中町三丁目、萬谷伸之代表)が全国の優れた生産者に贈られる「ファーマーズ・オブ・ザ・イヤー2024―25」の一人に選ばれた。萬谷代表(44)が27日、市役所を表敬訪問し、矢口明子市長に今後の抱負を語った。

 サミットは全国の優れた品種や生産者に光を当て、サツマイモの魅力をPRしようと「さつまいも博実行委員会」(石原健司委員長)が20年前から開催。品種部門と生産者部門があり、それぞれ審査で選ばれた優秀な品種、生産者を「オブ・ザ・イヤー」に認定している。

 芋萬は同市の老舗陶器店「萬谷」の後継者である萬谷代表が庄内砂丘に畑を借り、18年からサツマイモの生産を開始。試行錯誤を繰り返しながら、同市を中心に県内外のスーパーや豊洲市場などに安納芋を出荷しているほか、焼き芋屋事業も展開しファンを喜ばせている。

 芋萬のサミット出品は2回目で、東北地方からのファーマーズ・オブ・ザ・イヤーの受賞は初。「芋の味が確かで、日本の南で栽培される安納芋に山形の地でチャレンジしている」など高い評価を受け、先月埼玉県のさいたまスーパーアリーナで開かれたサミットで表彰された。

 27日は萬谷代表と社員の梅津裕一さん(36)が市役所を訪問。東北初の快挙に矢口市長は「独学で農業を学び、積み重ねた苦労と努力を尊敬する。受賞は他の農家の励みにもなり、これを機に酒田の農産物をさらに周知していけたら」とたたえた。

 萬谷代表は「サミットでは全国の農家さんとの人脈づくりや情報交換など有意義な話ができた。今後も品質を落とさず生産量を増やし、酒田の農業振興となるような活動に挑戦していきたい」と抱負を述べた。今年は昨年より1ヘクタール拡大し約5ヘクタールの畑で生産するという。

矢口市長にファーマーズ・オブ・ザ・イヤー受賞を報告する萬谷代表(左)
矢口市長にファーマーズ・オブ・ザ・イヤー受賞を報告する萬谷代表(左)


2025年(令和7年) 3月30日(日)付紙面より

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探究学習を柱に教育連携 鶴岡 致道館高と山大農学部協定

 鶴岡市の致道館高校(遠田達浩校長)と山形大学農学部(渡部徹学部長)が27日、教育連携の協定を結んだ。相互教育の活性化を図り、社会に貢献する人材育成を目指す。

 この日、致道館高校で行われた締結式では遠田校長と渡部学部長が協定書にサインし、固い握手を交わした。遠田校長は「今日、このように協定を結びとてもうれしく思う。中高一貫校として高校生のほかに中学生にも教育活動の幅を広げていきたい」、渡部学部長は「地域の生徒に大学の知見を提供し、お互いウィンウィンの協力関係を築いていきたい」とそれぞれあいさつした。

 山大農学部と致道館高校は新年度から探究学習を柱に教育活動を積極的に展開。中でも「致道ゼミ」では大学側が高校2年生を受け入れ、教員と山大生との研究体験を通して科学技術の分野を目指す人材育成を図る。今後は海外留学生との国際交流も視野に入れる。

協定を結び握手する渡部学部長(左)と遠田校長
協定を結び握手する渡部学部長(左)と遠田校長


2025年(令和7年) 3月30日(日)付紙面より

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酒田市の高校吹奏楽部集う 生き生き 交流の音色響く 合同ウエルカムコンサート

 酒田市内の高校吹奏楽部が一堂に会して演奏を披露する「Welcomeコンサート2025」が28日、同市の希望ホールで開かれ、高校生たちが思いを込めた演奏を館内に響かせた。

 酒田東、酒田西、酒田光陵、酒田南が出演。部員同士の交流を深め、小・中学生をはじめ市民に音楽の魅力を発信することで地域の音楽文化の醸成を図ろうと、庄内地区高校文化連盟吹奏楽専門部(飽海地区)が2019年から実施している恒例のコンサート。

 この日は間もなく高校生となる中学3年生をはじめ多くの市民らが来場。演奏会は酒田西による華やかなファンファーレが特徴的なリチャード・ソーシード「雲に向かって!」で幕開け。酒田光陵は映画「天使にラブ・ソングを」で有名なポール・モーリアら「I Will Follow Him」、酒田東は感謝の気持ちを音に乗せたMISIA「アイノカタチ」、酒田南はラテンの軽快なリズムが手拍子を誘う大野雄二「サンバ・テンペラード」などを披露。ソロやスタンドプレイなど、個性豊かな演奏で会場を盛り上げた。このほか、酒田西・酒田東合同の合唱、酒田西、酒田光陵の弦楽班も友情出演し演奏を披露した。

 4校の部長たちは「大会では互いにライバルとなるが、合同練習を通じてより良い音楽作り、大編成での演奏機会に恵まれた。合同演奏で地域の皆さんに音楽の楽しさを届けられたら」とあいさつ。最後は部員総勢約80人でジェームズ・スウェアリンジェン「ロマネスク」とアルフレッド・リード「吹奏楽のための第二組曲より第1楽章『ソン・モントゥーノ』第4楽章『パソ・ドブレ』」を演奏。大編成での生き生きとした音色に、客席からは惜しみない拍手が送られていた。

酒田市内の高校吹奏楽部が一堂に会したウエルカムコンサート
酒田市内の高校吹奏楽部が一堂に会したウエルカムコンサート


2025年(令和7年) 3月30日(日)付紙面より

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学校と地域協働まちづくり 文科大臣表彰祝う 遊佐町の2団体喜び分かち合う

 学校を核とした地域づくりで優れた活動を展開した団体を表彰する文部科学省の「令和6年度コミュニティ・スクールと地域学校協働活動の一体的推進」で文部科学大臣賞を受賞した遊佐町の遊佐中学校学校運営協議会(粕谷光治会長)と町地域学校協働活動本部(本部長・土門敦教育長)の受賞祝賀会が27日、遊佐町生涯学習センターで開かれ、関係者が喜びを分かち合った。

 地域が学校運営に参画する「コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)」は、地域や保護者が学校運営の基本方針を承認したり、教職員の任用について意見を述べることができる制度。

 同協議会では学校と地域が協働し、まちづくりを進めている同本部と連携。同本部が行う会合に中学生から「地域連絡員」として参加してもらうなど、生徒の地域活動への参加促進や中学生目線での地域課題解決につなげている。地域連絡員の活動で地域活動に参加する児童・生徒が増加。地域行事に生徒たちが企画を提案するなどの活動が高く評価され、今年2月に文部科学大臣表彰を受けた。本県では、同町のほか山形市の高楯中学校学校運営協議会・高楯地区地域学校協働活動ネットワークが受賞した。

 この日の祝賀会には活動に関わった約60人が出席。粕谷会長が「受賞を機にこれまで以上に地域と子どもたちとの交流が多くなれば」、土門教育長が「受賞は先人たちがこれまでつないできた活動のたまもの」とそれぞれあいさつ。その後、那須栄一前教育長の音頭で乾杯し、喜びを分かち合った。

乾杯して受賞を祝った
乾杯して受賞を祝った



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