2025年(令和7年) 3月30日(日)付紙面より
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日本最大級のサツマイモ品評会「日本さつまいもサミット」で、酒田市で農薬不使用の安納芋などの生産から加工、販売を行い、焼き芋屋事業も手掛ける「芋萬(いもよろず)」(中町三丁目、萬谷伸之代表)が全国の優れた生産者に贈られる「ファーマーズ・オブ・ザ・イヤー2024―25」の一人に選ばれた。萬谷代表(44)が27日、市役所を表敬訪問し、矢口明子市長に今後の抱負を語った。
サミットは全国の優れた品種や生産者に光を当て、サツマイモの魅力をPRしようと「さつまいも博実行委員会」(石原健司委員長)が20年前から開催。品種部門と生産者部門があり、それぞれ審査で選ばれた優秀な品種、生産者を「オブ・ザ・イヤー」に認定している。
芋萬は同市の老舗陶器店「萬谷」の後継者である萬谷代表が庄内砂丘に畑を借り、18年からサツマイモの生産を開始。試行錯誤を繰り返しながら、同市を中心に県内外のスーパーや豊洲市場などに安納芋を出荷しているほか、焼き芋屋事業も展開しファンを喜ばせている。
芋萬のサミット出品は2回目で、東北地方からのファーマーズ・オブ・ザ・イヤーの受賞は初。「芋の味が確かで、日本の南で栽培される安納芋に山形の地でチャレンジしている」など高い評価を受け、先月埼玉県のさいたまスーパーアリーナで開かれたサミットで表彰された。
27日は萬谷代表と社員の梅津裕一さん(36)が市役所を訪問。東北初の快挙に矢口市長は「独学で農業を学び、積み重ねた苦労と努力を尊敬する。受賞は他の農家の励みにもなり、これを機に酒田の農産物をさらに周知していけたら」とたたえた。
萬谷代表は「サミットでは全国の農家さんとの人脈づくりや情報交換など有意義な話ができた。今後も品質を落とさず生産量を増やし、酒田の農業振興となるような活動に挑戦していきたい」と抱負を述べた。今年は昨年より1ヘクタール拡大し約5ヘクタールの畑で生産するという。