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2025年(令和7年) 4月2日(水)付紙面より

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新年度の始まりに思い巡る雑感

 2025年度予算案がようやく成立して新年度が始まった。税収の伸びから約115・5兆円という過去最大の規模になった。しかし、歳入全体の4分の1を国債発行に頼る相変わらずの借金財政。大企業では大幅賃上げが相次いだが、地方の企業への波及には至っていない。この先は、7月の参院選に向かって与野党のせめぎ合いが続く。

 1年の始まりは「新年」だが、4月は官公庁では「新会計年度」、教育機関では「学校年度」とも呼ぶ。「新年度」は「一年の計」と違って、どことなく事務的な区切りの出発点とのイメージが強いが、新しく実社会に飛び出す人たちにとっては「人生の新年度」という事になる。

◇      ◇

 新年度は就職や進学で単身生活を始める方もいる。家電量販店では電気製品の品定めをする親子をよく見かけた。一人暮らしをする子どもへの、親の心配はいかほどか。進学する若者を祝福したいが、首都圏と地方の企業間格差が埋まらないと、将来、帰りたくても帰れない現実がつきまとう。それでも、学業を修め、いずれはぜひ故郷に戻って力になってほしいと願わずにはいられない。

 転勤で庄内にやって来た方もいるだろう。そうした皆さんには庄内の名所旧跡、美しい景観、おいしい食にたくさん触れてもらい、その良さを遠方の知人に口コミで知らせてもらいたい。伝え聞いた人が庄内を訪れて「聞いた通りだ」と、きっと思うに違いない。庄内に住む人にとっては「当たり前」として映っていることが、初めての人には新鮮に映るはずだ。庄内をPRする好機でもある。

 山形県の人口減少が止まらない。県の人口は3月1日時点で100万4507人、前月比で1419人減った。過去、毎月1000人程度ずつ減っていることから、このままでは7月にも100万人を割り込むことが心配される。Uターンや庄内が気に入って移住した人もいる。自治体も人口増加策に躍起になっているが、なかなか起死回生の策につながらない。もどかしさを感じてならない。

◇      ◇

 今年は昭和元年から数えて100年、また太平洋戦争が終結してから80年の節目の年。戦後生まれの団塊の世代は後期高齢者になり、若い世代の中には戦争があったことも知らない人もいるという。昭和は遠くなりつつあるといわれるが、今月29日は「昭和の日」。激動の時代であった昭和を振り返ってみることも大切ではないだろうか。

 国の新年度予算は、これまでのように政府・与党の提案が半ば“一本道”的に国会を通過するのではなく、野党案も取り入れながら成立したことで「熟議の国会審議」とも呼ばれた。少数意見でも良いところは大いに取り入れる。何事にも、そうした謙虚な心を持って新年度を歩みたい。

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