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2025年(令和7年) 4月12日(土)付紙面より

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地域創生へ心強い支援者が来庄

 石破茂首相が、国での職務経験を地域活性化に生かす「地方創生支援官」に国家公務員180人を任命した。石破政権の看板政策「地方創生2・0」の一環として位置づける。任命された職員は、本来の業務に支障のない範囲で、数カ月に1度程度、勤務時間内に担当する自治体に赴いたりオンラインで支援に当たる。

 これとは別に、今年も庄内に地域おこし協力隊員がやって来た。また、遊佐町に総務省特別交付税措置事業の地域活性化起業人制度によって、町の豊富な水資源を活用した独自のブランド商品などを開発する担当者が派遣された。新しい視点で、地域に潜在する資源の掘り起こしと発信による活性化への期待が高まる。

     ◇       ◇

 石破首相は、地方創生支援官に「霞が関の職員が心のふるさとを持ち、そのために行動することが当たり前になってほしい」という願いを込めた。中央省庁から地方を眺めるだけでなく、地方の懐に飛び込まなければ、地域それぞれが秘めている問題点に気づき、潜在力が分からないという。支援官には「一緒に考え、一緒に笑い、一緒に泣き、一緒に悩む」ことを求めた。国の土台の地方の元気づくりを掲げる石破首相らしい政策だ。

 総務省が2009年度に設けた地域おこし協力隊員の制度がある。1~3年程度の期間、地域に移住して地域活性化の担い手になる制度。隊員数は設立初年度は89人だったが、24年度の全国の隊員数は7910人で過去最多になった。それだけ制度が浸透してきたということになる。任期を終えて去る人もいるが、土地の魅力を活用して起業、そのまま定住する人もいる。

 遊佐町には、総務省の地域活性化起業人制度によって、町の豊富な水資源を活用したブランド商品などを開発する担当者として、サントリーホールディング(本社・大阪)で酒類の営業などに携わった社員が派遣された。同町にあるウイスキー醸造所の利点を活用し、遊佐の魅力を発信する。

     ◇       ◇

 若い人が過疎地域にやって来る。政府などの狙いはもちろん地方を元気にすること。酒田市飛島には12年、NPO地球環境緑化センターから若者1人が派遣されて以来、地域おこし協力隊員も含めて大勢の若者が移住した。島おこしのための会社を設立して、島特産品を開発するなど、離島の振興に取り組んでいる。人口が減り続ける飛島の高齢者にとって、若い人の姿が見えるだけでも心強いことだった。

 県の人口は毎月約1000人の割合で減り続け、秋ごろには100万人を割り込むことも心配されている。もちろん庄内の人口も減る。人口は地方の活力の原動力。他地域からやって来た協力隊員たちに、庄内の人には“見えていなかった”魅力と資源を発掘してもらい、ぜひ活力を与えてもらいたいと願いたい。

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