2025年(令和7年) 4月13日(日)付紙面より
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鶴岡市が移転新築を進めていた市立荘内看護専門学校(校長・鈴木聡荘内病院長)の開校式が12日、新校舎で行われた。より実践的な実習ができるように病院の病室環境を再現したシミュレーションルームを新設するなど、充実した学びの環境を備えた。新校舎整備に合わせ、1学年の定員を今春の入学者から10人増やし30人とした。
新校舎は、国の鶴岡第2地方合同庁舎整備に伴う土地交換で市有地となった旧鶴岡税務署跡地(泉町)に整備した。敷地面積は2829平方メートル。校舎は鉄筋コンクリート造り一部鉄骨造り3階建て、延べ床面積は2679平方メートルとなり、旧荘内病院敷地内(馬場町)にあった平屋建ての旧校舎の約2・5倍に広がった。新校舎建設の工事費は約16億円。
1階に職員室、会議室、セミナー室、2階に普通教室や図書室、講堂、3階に看護や地域・在宅看護、母性・小児看護の各実習室、実際の病室と同様の備えをして実践的に学習ができるシミュレーション室などを配置した。
看護実習室には10台のベッドを備え、授業だけでなく看護技術のトレーニングや臨地実習前の技術向上にも取り組めるようにした。地域・在宅看護実習室には自宅療養を想定した環境も再現している。
開校式には、在校の2、3年生や学校関係者、地元の医療関係者ら約120人が出席。鈴木校長が「地域医療を支える拠点として地域の期待に応えていきたい。学生たちからは、ここで学べる幸せをかみしめ、学業に励んでほしい」と告辞。皆川治市長が「学生たちが学業に専念できる環境が整備できた。引き続き地域の看護人材の育成に努めていきたい」とあいさつし、加藤鮎子衆院議員(山形3区)らが祝辞を述べ、テープカットで開校を祝った。午後には、市民向けの内覧会も行われた。
同校は、1950(昭和25)年に前身の「荘内病院高等看護学院」が開設し、今年で創立75周年を迎え、今春までに1210人の卒業生を送り出している。修業年限3年。本年度の入学式は17日(木)に荘銀タクト鶴岡で行われ、33人が入学し、新校舎で学びをスタートする。
2025年(令和7年) 4月13日(日)付紙面より
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運送業・マルミチ(齋藤達也社長)のグループ会社で新たに肥料や農業資材を手掛ける「リープ」(鶴岡市藤浪一丁目、齋藤真実社長)は、水稲用の軽量培土と肥料入り育苗培土を発売した。昨年、本格販売を前に注文を募ったところ水稲農家から問い合わせが殺到、人気を集めた。来シーズンの育苗時期に向けて増産し早期予約を受け付ける。
商品名は「マルミチ水稲用軽量培土」と「マルミチ水稲用育苗用培土」。軽量培土の原料は15年以上寝かせた「やしがら」に改良し播種機ホッパーの排出口で培土の粒子同士がアーチ構造を形成して閉塞、排出されない「ブリッジ問題」を解消した。
育苗用培土も厳選した天然土を採掘して使用。根の張りが良い健全な苗が育つと高い評価を得ている。培土の製造工程で高温殺菌処理しているため病原菌混入の心配はない。3500グラム当たりの肥料成分は窒素2グラム、リン酸3グラム、カリウム2グラムで育苗に適したpH(約5・0)に調整してある。マルミチ本来の運送業ノウハウを生かし流通コストを削減した。各オリジナル商品とも20キロ袋、フレコン0・5トンと1トンパックをラインアップしている。
齋藤社長は「特に軽量培土は農家の高齢化や担い手不足の中、播種作業の労力軽減を図ろうとメーカーと共同開発した。少しでも地域農業に貢献できれば」と話した。商品に関する問い合わせは「リープ」=電0235(78)3555、ファクス=電0235(78)3778=へ。
2025年(令和7年) 4月13日(日)付紙面より
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庄内町の「楯山公園桜まつり」が12日、同町狩川の楯山公園で始まり、観光客がまつりの名物である「ニシンあぶり」「庄内豚あぶり」などを味わった。
町観光協会が桜の開花に合わせて開催している恒例のまつり。「ニシンあぶり」は長い冬が終わった後に最上川を上って魚売りが運んでくる「春告魚」のニシンを高い山などに登って酒と一緒に味わう最上地方で盛んに行われている「かど焼き」と同様の風習とされる。
同公園は庄内平野を一望できるビュースポットとしても人気。世界かんがい施設遺産に登録された北楯大堰の開削などで知られる北館利長公の居城・狩川城跡地に、鶴岡市出身の星野勇三博士の設計で、大正天皇の即位を記念して1915年に公園が整備された。周囲にはソメイヨシノ約200本が植えられている。
12日は朝から大勢の行楽客が訪れた。桜はまだつぼみの状態だったが、午前10時半ごろからニシンなどをあぶる香ばしい香りが会場に漂い始めると待ちかねたとばかりに次々と買い求めていた。
桜まつりは13日も開催され、あまるめ飛龍太鼓の演奏や庄内カラオケ大会などが行われる。
2025年(令和7年) 4月13日(日)付紙面より
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庄内に“球春到来”を告げる第99回平田杯庄内高校野球大会が12日、鶴岡ドリームスタジアムを会場に開幕した。朝方の雨の名残がある球場で、シーズンの始まりを喜ぶように球児たちがはつらつプレーを繰り広げた。
同大会は、鶴岡地区野球連盟の前身となる鶴岡野球協会の初代会長・平田吉郎氏が、庄内球児の甲子園出場を願って1927(昭和2)年に創設した。創設当時は数校によるリーグ戦だったが、その後全庄内オープンのトーナメント戦となった。シーズンで最も早く行われる大会として親しまれている。創設100周年を目前とした今回は、酒田東と酒田西の連合チームを含む庄内地区の10校9チームが参加。トーナメント形式で優勝を争う。決勝は19日(土)同スタジアムで午後3時に試合開始の予定。
初日の12日は、1回戦の鶴岡高専―致道館で開幕し、ほかに2回戦2試合が行われた。バックネットに大粒の水滴が残る中、球場に足を運んだ高校野球ファンや選手の保護者などが長打やクロスプレーに大きな拍手と歓声を送っていた。