2023年(令和5年) 10月14日(土)付紙面より
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難易度2種
収録DVD配布
リズミカルに指先や手足動かす
認知症予防に役立ててもらおうと、鶴岡市は市民歌に合わせてリズミカルに指先や手足を動かすオリジナルの脳トレ体操「つるおかまぐまぐでゅ~体操」を考案した。難易度が違う2つの体操があり、DVDに収録して普及を進めている。市が独自に設定している10月の「健康づくり強調月間」に合わせ、おおむね5人以上のグループ・団体の先着100組に無料でDVDを配布している。
同市では、厚生労働省が推奨する「いきいき百歳体操」に取り組むグループ・団体が増え、現在165ある。団体から「もっと他の体操もやってみたい」「みんなで楽しく体操ができるDVDがほしい」などの声が上がっていたことを受け、独自に新たな体操を考案した。
体操の名前は、「頭の中が混乱する」といった意味の方言「まぐまぐでゅう」から名付けた。脳を活性化させるため、あえて「まぐまぐどなる」ような動きを取り入れたのが特徴。市の保健師や看護師、健康運動指導士、管理栄養士らが作り、比較的取り組みやすい「第一」が今年3月に、難易度が高い「第二」が9月に完成した。
右手と左手で異なる動きやリズムを刻んだり、第二では手と足でじゃんけんしたりと市民歌のテンポに合わせて遅れないように動こうとするとついていけず、どうしても「まぐまぐどなる」。体操を体験した市民からは、こうしたことが「みんなで笑いながら楽しく体操ができる」「頭がまぐまぐして脳への刺激になり、いい体操だ」と好評だ。
同市長寿介護課は「みんなでチャレンジして間違っても楽しく笑い合うことも介護予防につながる。文化芸術団体など多様なグループや団体からも挑戦してもらい、フレイル予防、介護予防につなげるきっかけになれば」と話している。DVDは第一と第二の2枚セットで、いずれも準備運動を含め7分程度。無料配布の申し込みは、市長寿介護課=電0235(29)4180=へ。
2023年(令和5年) 10月13日(金)付紙面より
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鶴岡市朝日地域の月山ダムの利水容量は、極端な少雨で過去最低となった先月11日の36・2%から1カ月が経ち54・4%まで回復した。今月初めに降ったまとまった雨と、年間約4割を占めるかんがい用水の出水(利水)が例年通り先月15日に終了したことでダム湖に水が蓄えられた。
月山ダム管理所によると先月11日の有効貯水率は11・9%。2002年にダムの運用が始まって以来、最も低い数値となった。
飲料水や農業用水などに使う利水容量は650万立方メートルまで落ち込んだが、2040万立方メートルに持ち直した。ダム湖の水位(標高で表示)は現在240・86メートル。先月11日時点は223・74メートルだった。上流部にある八久和ダムの水位が回復し梵字川を通じて月山ダムへ水が供給されたことも回復につながった。過去最低となった月山ダム湖の水位だが、それでもまだ利水できる範囲内で少雨となった今夏、飲料水やかんがい用水の渇水被害はなかった。
月山ダムの総貯水量は6500万立方メートル、このうち有効貯水容量は5800万立方メートル。赤川の洪水防止、庄内南部のかんがい用水、鶴岡市を中心とした飲料水を賄う。水力発電で年間約9000戸に相当する電力も生む。ダム湖には梵字川と田麦俣川の雨水や雪解け水が集まる。
2023年(令和5年) 10月13日(金)付紙面より
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なんとも中途半端な報告である。本当に審議が尽くされたのか、疑問が残る報告書だ。9月28日の鶴岡市議会本会議で、百条委員会の報告を聞いた率直な感想だ。
今回は皆川治市長の「100万円不記載問題」に関し、「公職選挙法に抵触する疑いがある」とする報告である。佐藤博幸委員長は約20分の報告を行い質疑に入ったが、採決までの約50分、議場はほとんどの間騒然とし、不規則発言が飛び交った。まさに百条委内部の意見の対立が、本会議の場で繰り返されたようだ。
まず皆川市長と元支援者の証人尋問を、1回しか行わないことは納得しがたい(市長は時間の都合により、2回に分けて実施)。証言の食い違いがある場合は複数回の尋問を行い、事実に迫るのが本筋だ。1回だけの尋問で事実が明らかになるとは考えにくい。
次に百条委のほとんどの採決は6対5の多数決、しかも新政クラブ(当時)と公明の賛成で決まった。佐藤委員長は9月25日に報道陣に対し、「政争の具にするつもりはない」と語っていたが、この結果を見て政争でないと考える人はいないだろう。
また今回の本会議採決は、あくまでも調査終了の採決であって、報告結果を可決したり、市長を告発するものではない。「告発する予定はあるか」との質問に対し本間新兵衛議長は、「今回の審議は委員長の報告に対する質疑のみである」として却下した。
だが百条委の方針を問う質問は当然ではないか。仮に市長と元支援者の証言の食い違いに対し、元支援者の証言を採用するなら、市長は虚偽答弁の可能性があり、地方自治法に基づき告発も可能だ。他の自治体では首長を告発した事例も多い。鶴岡の百条委は何を着地点にしようとしているのか。ひとつの付議事項だけ終了宣言を急ぐ姿勢に違和感を覚える。
一方、市民への情報公開はまだ不十分だ。市のホームページには、本会議後、報告書や関係書類が掲載された。しかし重要な物的証拠は黒塗りが多く内容の判読が困難だ。また議事録公開は39回中の第18回で中断しており、残りの公開が急がれる。
ただしこれは付け加えたい。混乱を招いた原因は皆川市長の不可解な行動にある。仮に100万円を「選挙運動費用ではない」として報告書に記載せずそのまま返金するか、逆に報告書の記載を訂正して返金せず手元に留めおくか、いずれかであれば論理的矛盾はなかった。しかし報告書に記載し、かつ返金したのは矛盾する行動で説明が必要だ。
報告書では支援者が「元支援者」に変わっていく背景に、ハチ公像建立の要請を皆川市長が退けた事情が明らかになった。つまり市長を不可解な行動に導いたのは、元支援者と市長の個人的関係の変化が影響すると推測されるが、真相は闇に包まれている。この事情は常に頭に置いて理解すべきだろう。
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さて今回報告がなかった「パワハラ疑惑」解明には、さらに多くの時間がかかりそうだ。パワハラは個人の主観で決まるのではなく、厚生労働省の基準に従い客観的に判断すべきものだ。審議の過程では専門的な第三者に調査を委託する案があったが、採用しなかったのは正しい決定か。
またパワハラは、一般的に当事者間の主張の食い違いが大きい。100万円不記載問題のように1回だけの尋問で、真相に迫れるとは到底思えない。しかも時間が経つに連れ人の記憶は薄れて曖昧になっていく。百条委はこの困難な判定にどう対応するのか。
といって断定を避け、「パワハラに該当する恐れがある」などという印象操作は許されない。百条委はパワハラの有無と、あるならば何件が該当するか、明確な結論を出す責任がある。この判定は法と指針に基づくものであり、多数会派の力で押し切ってはならない。
百条委の目的はあくまでも事実を究明することだ。活動が目的に沿っているのか、市民はこれからも根気よく監視を続ける必要がある。
論説委員 小野 加州男