2023年(令和5年) 06月10日(土)付紙面より
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鶴岡工業高と鶴岡南高の定期戦が8日、鶴岡市の鶴岡ドリームスタジアムと小真木原陸上競技場で行われた。野球は鶴岡工が10―3で勝ち、サッカーは鶴岡南が4―0で勝利を収めた。来年度は鶴岡南と鶴岡北が統合し、庄内初の中高一貫校「致道館中学・高校」が誕生するため、鶴岡工と鶴岡南の校名による定期戦は今回が最後。“鶴岡の早慶戦”といわれる伝統の一戦を生徒たちや多くの市民が見守った。
定期戦のうち野球は1959(昭和34)年に始まり今回で68回目、サッカーは67(昭和42)年に始まり47回目を迎えた。新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴い、今回は両校の教員や生徒だけでなく保護者や一般市民も試合観戦が可能となった。
野球の開会式では鶴岡工の阿部吏人主将(3年)が「鶴南と鶴工の最後の定期戦を開いてくれた皆さんへ感謝の気持ちを忘れず、最後まで諦めず正々堂々と戦う」と宣誓。応援団の果たし状交換や鶴岡南チアガールの華やかなダンスで会場を盛り上げた。
試合は初回に1点を先制した鶴岡工が主導権を握り、中盤の4、5回で着実に加点。一時は鶴岡南に3点差まで迫られたが、終盤の8回に安打や四死球で好機をつくり一挙4点を奪って試合を決めた。
一方、サッカーは鶴岡南が前半19分、本間怜選手(3年)のゴールで先制。25分には佐藤鷹乃心選手(3年)が直接FKを決め、追加点。後半に入っても鶴岡南のペースが続き、24分には斎藤琉偉選手(2年)が3点目。30分には前半に続き佐藤選手が4点目を決め鶴岡工業を突き放した。
通算成績は、野球が鶴岡工の36勝25敗6分け、サッカーは鶴岡南が19勝27敗とした。
2023年(令和5年) 06月10日(土)付紙面より
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昨年11月に酒田市の酒田南高校(齋藤法明校長)観光地域創生専攻の当時の2、3年生が制作した同市の観光PRソングとバスの安全啓発動画「夕日舞う絵田(EDEN)?2222年へつなぐハピハピデリシャス!?」が、今月1、2日の両日、仙台市青葉区の仙台国際センターで開かれた「東北映像フェスティバル2023」地域振興コンテンツ部門で大賞に次ぐ優秀賞を受賞した。関係者は「受賞は多くの人の協力のおかげ」と喜んでいる。
同校では、2021年11月に同市で観光バスの運行などを行う松山観光バス(池田一喜社長)の池田新専務から酒田観光や交通の現状などを聞くなど交流。こうした縁から、同社が同校にコラボを持ち掛け、観光PRソングとバスの安全啓発動画制作を開始した。昨年5月中旬に同専攻2、3年生16人が市街地、八幡、平田、松山の4チームに分かれて各地域の魅力や名所を話し合い歌詞やオリジナルダンスを作成。動画や楽曲などを制作する「COCOSATO」を運営する大沢地区集落支援員の阿部彩人さんと、バンド活動を行っている同校の酒井聖教諭が作曲を担当。「鳥海山さ行ってみようかい」「今だば自信持って言える。さんまず(素晴らしい)街。未来へ思いをつなげていこう」などの歌詞を乗せ、アップテンポで明るい曲に仕上げた。生徒たちの発案でラップパートなども追加。阿部さんが編集作業などを行い、昨年11月に約5分のPRソング動画が完成した。サブタイトルの「2222年」は今生きている人の思いなどを200年後までつなげていこうという意味を込めた。動画は動画投稿サイト「YouTube」で公開されており、現在までに5000回を超える視聴回数となっている。
東北映像フェスティバルは、東北映像制作社協会(仙台市)が主催。地域で制作された優れた映像作品を評価し、映像制作者の技術向上などを目的に10年前から毎年「映像コンテスト」を行っている。
夕日舞う絵田が出品された地域振興コンテンツ部門には、東北6県から全18作品がエントリー。訴求力、企画力、地域性など6項目で審査員が非公開審査を行い、優秀作品5点とそのうち1点を大賞に決めた。映像コンテスト事務局によると、優秀作品の中でも「完全なプロによる作品も多い中で、町や地域を巻き込んで制作された地域性が非常に高く評価された」という。今月2日、仙台市青葉区の仙台国際センターで開かれた授賞式には同校生徒や池田専務、阿部さんらが出席し、賞状を受け取った。阿部さんは「作品に関わってくれた多くの人の力が集まった結果の受賞」と喜びを語った。
2023年(令和5年) 06月10日(土)付紙面より
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夏本番を思わせるほど気温が上がっている。これから先の季節はエアコンが欠かせなくなる。ところが電力会社の電気料金が、6月使用分から値上がりした。東北電力の値上げ幅は24%、標準家庭では5月に比べて1621円上がって7833円になる。普段の生活で電気を節約するにも限界があるとなれば、今年の夏は殊更に暑さを感じることになりそうだ。
日本のエネルギー事情は、原油・天然ガス輸入による火力発電への依存度が高い。このためウクライナ危機や円安に起因した燃料価格高騰の影響を強く受けている。今後、再生可能エネルギーをいかにして増やすかが大きな課題とされ、庄内沖での洋上風力発電導入も注目されている。
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気象庁は、今年は暑い夏になると予想している。関東では5月というのに35度以上の猛暑日になった地域、30度超の真夏日記録も珍しくない。この状態ではこの先、急な暑さによる熱中症が気掛かりだ。気象予報などでは「迷わずエアコンの適切な使用を」と呼び掛けている。しかし、救急搬送された高齢者の中にはエアコンがあっても使っていなかったケースもあるという。どうしても「エアコン=電気代が高い」という意識が働くのかもしれない。
毎月の電力料金は今年1月以降、政府が実施した負担軽減策、物価対策などで低く抑えられてきた。しかし今月分からの値上げに続いて、9月以降は政府の補助が減らされる見通しとされ、家庭の負担が増すことになりそうだ。食品類の値上げも相次いでいる。電気も食品も普段の暮らしに欠かせない存在だけに、個々の値上げの積み重ねによる影響は大きい。
エネルギー源の多くを輸入に頼る中、再生エネ導入への期待が高まっている。庄内でも陸上風力、太陽光、バイオマス発電が既に稼働している。今後は遊佐沖・酒田沖への建設が議論されている洋上風力発電も注視される。秋田県沖では洋上風力発電の営業運転が始まっている。庄内沖への建設も一歩一歩着実に進む。エネルギー事情を考えれば再エネ導入は避けられないのではないだろうか。
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気象庁の、6?8月の気温は平年並みか高いとの予想だ。厳しい暑さの中で熱中症にならないためには、1時間に1回程度水分を補給することが肝心という。併せて、エアコンは我慢してまで使用を控えることのないようにしたい。高齢者は特に注意が必要だ。
今までは「あって当たり前」のように考えてきた電気だが、いざ値上げされるとなると“見えない存在から見える存在”になった現実感がある。暑さをしのぎ、熱中症にならないためにも、家の中で電気製品の使用をやりくりし、賢く電気を使いながら、夏を乗り切りたい。それによって環境にも優しいことになる。