2023年(令和5年) 06月09日(金)付紙面より
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庄内町の立川中学校(佐藤正人校長、生徒93人)で7日、浴衣の着付け教室が開かれ、3年生が楽しみながら和装文化に触れた。
和装文化の継承・普及のため中学校や高校で県和装教育国民推進会議庄内支部(小池泰弘支部会長)のメンバーら19人が講師を務めた。同校では毎年、技術家庭科の授業の一環として実施されており、今年で17回目。3年生35人が体験した。
初めに小池支部会長から「着物は代々作り変えて繰り返し使っており、物を大事にする文化がある」などと説明を受けた後、生徒たちは用意された浴衣から身長に合わせて色や柄を選んで着付けにチャレンジ。講師から「腰骨に帯の高さを合わせると着崩れしない」「襟元と裾を開き過ぎないように着るときれいに見える」などとアドバイスを受けながら、慣れない手つきで取り組んでいた。その後、色とりどりの浴衣に身を包んだ生徒たちは記念撮影するなど喜んでいた。
奥山奏佑さん(14)は「初めて浴衣を着るので難しかった。鏡で自分の姿を見たがしっくりきている感じがした。夏祭りなどでも着て日本の文化を引き継いでいきたい」、小池支部会長は「多くの若者に和装に触れてもらいたい。着付け教室を続けてきたことで和装を楽しむ文化が出てきたと感じる」とそれぞれ話していた。
2023年(令和5年) 06月09日(金)付紙面より
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庄内砂丘産アンデスメロンの初競りが8日、三川町の公設庄内青果物地方卸売市場の庄印庄果(齋藤弘明社長)で行われた。大玉の4L(3玉入り5キロ)1箱が3万円の価格で競り落とされた。生産農家によると糖度は16度と甘みが強く、玉伸びなど生育は順調に進んだ。
この日入荷したのは酒田市黒森のヤマ菊農園のハウスで育てられた47ケース(1ケース約5キロ)。4Lを最高額で競り落としたのは酒田市の木川果実店で、昨年より1万円高い額が付いた。昨年より1日早い初競りとなったこの日は午前7時半の競り開始とともに、地元の青果店など30人余りの買い受け人が次々と競り落とした。最も大きい4Lサイズのほか、3L(4玉入り)が1万円、2L(5玉入り)が7000円と値が付いた。
同農園の佐藤祐治さん(61)は「春先の好天で玉伸び、肌つやとも良く順調に生育した一方で、5月に入ってから天候不順が続いたため糖度が例年よりわずかに低い。熟すると17?18度まで上がるので、甘くおいしいメロンを食べて笑顔になってもらいたい」と話していた。また、庄印庄果の齋藤社長は「初競りの値としては例年並みでまずまずの結果。今月25日前後には出荷のピークを迎え、同じ頃に地元のスーパーでも地物のメロンが並びそう」と話していた。
2023年(令和5年) 06月08日(木)付紙面より
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鶴岡市面野山の農家・杉山司さん(43)がAI(人工知能)を活用したイチゴ栽培に取り組んでいる。今年3月、労力の軽減を図るためハウスの両脇にビニールを自動開閉して室内温度を調節する「電動カンキットシステム」をイチゴハウス全6棟に導入した。杉山さんは「毎日の温度管理を徹底することでイチゴの品質が向上した。何より農作業に対する自分自身のストレスが全くなくなった」と効果を話している。
3世代で農業を営む杉山さんは鶴岡市下川の庄内砂丘でアンデスメロンとイチゴを栽培している。イチゴは「かおり野」「章姫」「やよいひめ」の3品種。例年9月に苗を植えて育て11月下旬から翌年6月にかけて収穫、鶴岡市内の産直施設に出荷している。
これまで課題だったのが毎日の温度管理。早朝から夜まで、その日の天候を見定めながらハウスのビニールを手動で開け閉めして適温に保つことが大きな負担となっていた。
そこで導入したのが室内温度を自動調節する最新型のAIシステム。温度設定を入力すると、AIが自動的にビニールを小まめ(8段階)に開閉調節する。電気で動くが停電になった場合は、非常電源に切り替えれば問題はない。ビニールの開閉は左右同時、片側だけでもOK。雨にも反応して自動的にビニールを閉めるという優れものだ。
杉山さんは「導入前は1日3、4回、自宅から遠く離れたハウスまで出かけて開けたり、閉めたりする作業に追われる毎日だった。これが重労働。何とかならないものかと試行錯誤していた」と話す。
導入後はその手間が省け「その合間に他の農作業ができる。イチゴだけでなくメロンと稲作もしているので本当に助かっている。すべて自己資金でそれなりの金額はしたが、その価値は十分ある」と笑顔を見せる。
杉山さんは県立庄内農業高校から新庄市の県立農業大学校に進学。ノウハウを学び、祖父母と両親の農業経営を支えた。父親が1棟で始めたイチゴ栽培は6棟まで拡大。収入も安定した。この春、中学1年になった長男は大の農作業好き。休日になると小学5年の長女も仕事を手伝うという。
杉山さんは「農家の後継者不足や離農が問題となっている中、私たちは時代に即した最先端の農業をしていかなければならない。若い人たちが自ら『農業をしてみたい』と魅力を感じる環境づくりが大切。スマート農業は必要不可欠なアイテムだと思っている」と語る。
現在、「よつぼし」という品種のイチゴ栽培を試験的に始めた。AIの導入で以前、育てていた「夏イチゴ」の復活も視野に入れる。将来的には「観光イチゴ園」として子どもたちや家族連れ、お年寄り、インバウンドで訪れた外国人を対象に「もぎ取りが楽しめる農園にすることがドリーム」と青写真を描く。
杉山さんの農場ではスマート農業の導入を考えている農家や山形大学農学部の学生など、AIシステムに関心があれば自由見学も受けている。