2023年(令和5年) 10月07日(土)付紙面より
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庄内柿の収穫を前に品質の統一化を目指す「目ぞろえ会」が5日、鶴岡市羽黒町荒川のJA庄内たがわ中部選果場で行われた。生産農家や選果場の検査員ら関係者合わせて約60人が参加。「赤秀」「青秀」「優品」と呼ばれる出荷規格を確かめた。
JA全農山形・園芸庄内推進室によると、今年の庄内柿の果実は先月25日の調査で「刀根(とね)早生」はやや小さめ、「平核無(ひらたねなし)」は平年並みとなっている。着色は8月の高温少雨で主力2品種とも平年より遅いという。出荷は「刀根早生」が今月中旬からスタート。「平核無」は来月上旬に始まり中旬にピークを迎える。今シーズンの出荷数量は全体で30万8300ケース(1ケース7・5キロ、前年実績対比87%)を見込む。
目ぞろえ会は庄内柿振興協議会(遠藤幸男会長)が毎年開いている。4日に収穫した庄内柿の正品と規格外をテーブルに並べ「くぼみ果」「押し傷」「枝葉ずれ」「変形果」などの特徴を手に取って確認した。特に今年は8月の高温少雨で果実の一部が黒ずみかかった「日焼け果」が見られ、担当者が特徴を説明した。
庄内柿振興協議会の遠藤会長(72)は「選果場では農家から持ち込まれた柿を光センサーで選別しているが、出荷の第一段階として収穫する農家の『目』が大切。品質のバラツキを極力なくし庄内柿ブランドの向上を目指したい」と語った。
2023年(令和5年) 10月07日(土)付紙面より
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秋はおいしい食べ物が出回る季節。そしてスポーツの秋でもある。体を動かし、おなかがすけば食事もおいしい。どちらも健康のための土台になることだ。特に高齢者は認知症発症を予防し、転倒してけがをしないためにも、運動も食事も意識して考え、健康な体づくりをしたい。
スポーツ庁の2022年の児童生徒の全国体力・運動能力、運動習慣等調査は、児童生徒の体力が低下しているとの結果だった。新型コロナウイルス禍で生活パターンが変化し、体を動かさなくてもよい社会環境も増えたと指摘されている。9日はスポーツの日。あらためて体を動かすことの大切さに思いを巡らしたい。
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県内の傾向では、体力合計点で小学5年の男女が全国平均を上回り、中学2年では男子が上回り、女子は下回った。全体的には調査を始めた08年度以降で、最も好ましくない結果だった。県は児童生徒の生活習慣の乱れと肥満の増加、運動意識の低下があるのではないかと分析している。体を動かす機会が減った背景にはテレビ、ゲーム、スマートフォンなどの映像を視聴する時間が増えたためではないかという。
長寿社会を迎え高齢者も運動習慣を持たねばならないのはもちろんのこと。「ロコモティブシンドローム」(運動器症候群)は、加齢とともに骨、筋肉、関節の機能が徐々に衰えることを指す。一番の原因は運動習慣がないこととされ、厚生労働省は65歳以上ならラジオ体操のような軽い運動10分間+散歩など、強度を問わず毎日40分程度体を動かすよう推奨している。
人は不死身ではないから誰もが死を避けられない。ならば健康で天寿を全うしたい。そのために日頃の健康管理を怠れない。公共交通機関が十分整備されていない地方は車に頼る機会が多い。都会では電車の乗り降り、階段の昇降、急ぎ足で職場に向かうなどで、意識しないで多く歩いている人々は多い。地方では意識して運動している様子をよく見掛ける。
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運動することで、人間の基礎的身体能力を高め、「健康で生きる」ための力を備えることが肝心のようだ。スポーツジムに通っている中高年もいる。公園でゲートボールやグラウンドゴルフをしている高齢者のグループを見掛ける。体を動かして語らい、和気あいあいとしている様子は、心身ともに健康的だ。
もう一つ「年を取ったから食事は簡単で」は禁物。野菜はもちろん大事だが肉、卵、魚、乳製品などの動物性たんぱく質をしっかり食べるように専門家は指摘している。カルシウムの摂取量が多いと認知症のリスクが下がるといわれている。物価高の秋でもあるが、老若ともバランスの取れた食事と運動を心掛ける。健康な体をつくるのに、秋は格好の季節である。
2023年(令和5年) 10月07日(土)付紙面より
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庄内の郵便局にゆかりのある風景や名所を描いた「風景印」を集めるスタンプラリーイベント「庄内90〒風景印の旅」で、対象の90郵便局全てを訪れてスタンプをコンプリートした鶴岡市立櫛引東小学校2年の小林寧南(ねいな)さん(8)へ5日、イベントを主催した日本郵便県西部地区連絡会(統括郵便局長・難波忠夫羽前本郷郵便局長)から表彰状と記念品が贈られた。
同イベントは、庄内地方の魅力に触れながら地域の郵便局の“顔”である風景印を収集する企画。風景印は地域のシンボルや景観、特産品などがモチーフで、集めるごとに庄内の豊かな自然や歴史ロマンを感じるつくりとなっている。今年5月1日にイベントがスタートし、今月末まで開催している。
小林さんは夏休み開始直後の7月28日に訪れた羽黒郵便局を皮切りに、お母さんに同行してもらいながら約1カ月かけて庄内一円の90局全てで風景印を押印した。さらに集めた風景印と各局で撮影した写真、地域の特産品や名所などのデータをまとめ、自由研究課題として夏休み後に学校へ提出した。
日本郵便県西部地区連絡会によると、今月1日現在で90局全ての風景印を集めた人は最年少の小林さんを含め16人(県外在住者含む)。それぞれ最後に訪れた郵便局で感謝状が贈られている。飛島郵便局(酒田市飛島)については郵送で押印を得ることも可能だったが、小林さんは同局まで足を運んだ。また、風景印を自由研究課題に取り上げたことから、同連絡会が特別表彰することを決めた。
表彰状の授与式は同校で行われ、難波局長が小林さんに表彰状と記念品の郵便ポスト型貯金箱を贈った。小林さんは「近くの郵便局で風景印のポスターを見て面白そうと思った」とスタンプラリーに参加したきっかけを話すとともに「表彰されてうれしい。ポストがいっぱいになるまで貯金したい」と笑顔を見せた。
また、ラリー中の一番の思い出について「やっぱり飛島郵便局に行ったこと。本当はもっと前に行くはずだったけど、風が強くて船が休みになってしまった。夏休み最後の日にお父さん、お母さんと一緒に飛島へ行き、自転車をレンタルして郵便局にやっと着いた」と話していた。