2025年4月24日 木曜日

文字サイズ変更



  • プリント用表示
  • 通常画面表示

荘内日報ニュース


日付の新しい記事へページを移動する日付の古い記事へ
  • ニューストップ
  • 最新記事
  • 戻る

2023年(令和5年) 10月18日(水)付紙面より

ツイート

新そばの季節にうれしい知らせ

 新そばの季節にうれしい知らせが届いた。鶴岡市温海地域の越沢自治会が「第62回農林水産祭」(農林水産省、財団法人日本農林漁業振興会)の「むらづくり部門」で内閣総理大臣賞に選ばれた。過疎化で人が減ることに手をこまねいているのでなく、在来作物の「越沢三角そば」を起爆剤に、地区を挙げて元気づくりに取り組んだ活動が認められた。

 ユネスコ食文化創造都市の鶴岡市では、各地区で伝統的な在来作物が守られていて、中でもそばを地域おこしや、住民の生きがいづくりにつなげているケースも多い。今月下旬から市内各地で新そばまつりが予定されている。食べ歩きも楽しいに違いない。

     ◇       ◇

 越沢では100年以上前から「地そば」と呼んでそばを栽培していたが、実の形状などから「越沢三角そば」と呼ばれるようになったとされる。そばの起源には信濃国(長野県)とのつながりがあるとの言い伝えもある。2016年に山形県の在来作物に認定された。74世帯、224人が暮らす越沢で中学生以上を対象にした地域活性化ビジョンに関するアンケートを実施し、越沢のそばを売り出すことが提案された。

 そばに寄せる期待と熱意は強く、越沢三角そばのブランド化のため、自治会が全量を固定価格で買い取ることにした。地域が一丸となって知名度アップに取り組もうとする意気込みの表れでもある。越沢三角そばの発信拠点は自治会が運営するそば処「まやのやかた」。店名は越沢が霊峰「摩耶山」(標高1020メートル)への登拝道口であることに由来、摩耶連山の伏流水「郷清水」があることも、まやのやかたで提供するそばの味を引き立てている。

 かつては、ほぼ自家消費用だったそばが、地域づくりの主役になって栽培農家も増え、現在は集落内の作付面積の約9割が三角そばになり、種子の流出を防ぐため商標登録もした。今回の農林水産祭むらづくり部門内閣総理大臣賞は、天皇杯に次ぐ賞。住民総参加による地域づくりは、過疎に悩む地域の元気づくりの参考になるのではないか。

     ◇       ◇

 鶴岡市では昨年2月、櫛引地域の「ふるさとむら宝谷運営管理組合」が、地域活性化に貢献したことで、総務省の「ふるさとづくり大賞」大臣表彰に選ばれている。同市は平成の広域合併で市としては東北で一番広い市域面積になった。そのため、中山間地帯に多くの集落が点在する。そうした環境で地域に潜在する活力を見いだすことの大切さを越沢や宝谷の人たちが教えてくれている。

 鶴岡市では22日から11月5日まで「つるおか新そばまつり」があり、市内のそば店で新そばを提供するほか▽越沢▽庄内あさひ▽ふるさと村宝谷▽田川の森ふるさと村―で新そばを味わえる。紅葉を見ながら出掛けてはどうか。

画像(JPEG)


2023年(令和5年) 10月18日(水)付紙面より

ツイート

V1初挑戦 頑張れアランマーレ オレンジユニホーム着用「応援議会」で激励 酒田

 間もなく開幕するバレーボール2023―24Vリーグ女子1部(V1女子)に初参戦する酒田市のプレステージ・インターナショナルアランマーレの活躍を期し、酒田市議会は16日の本会議を「アランマーレ応援議会」と銘打って開催。高橋千代夫議長、池田博夫副議長はじめ議員、矢口明子市長ら市当局計約50人は全員、チームカラー「オレンジ」のユニホームを着用し臨んだ。

 22―23V2女子で初優勝、勢いを持続させてV1女子下位との入れ替え戦でも連勝し、初の昇格を決めたアランマーレを含め12チームで争われるV1女子は21日(土)に開幕。来年2月まで2回戦総当たりによるVレギュラーラウンドを行い、上位6チームが同下旬からのVファイナルステージに進出する。

 この日は午前10時の開会を前に応援イベントが行われ、高橋議長が「来年2月まで長丁場だが、V1での活躍を市民を挙げて応援していく」と述べ、池田副議長と共に北原勉監督と木村友里主将にそれぞれ花束を贈呈。これを受けて登壇した北原監督が「最後まで諦めないアランマーレらしいバレースタイルを貫く。今季も会場で共に戦ってほしい」、木村主将が「チーム力を武器にチャレンジャーとしてV1でも暴れ、勇気と感動を届けたい」と決意を述べた。

 一方、これに先立ち選手とスタッフは市役所を表敬し、矢口市長、安川智之副市長、鈴木和仁教育長らにリーグ戦での健闘を誓った。

 今夏のVサマーリーグで4位となり、鹿児島県で行われた特別国体でも上位に食い込むなど好調を維持しているアランマーレの初戦は28日(土)。午後2時半から石川県輪島市の一本松総合運動公園体育館で、前季V1女子4位の埼玉上尾メディックスと対戦する。

高橋議長(右)らから花束を贈られ笑顔の北原監督(中央)と木村主将(左)
高橋議長(右)らから花束を贈られ笑顔の北原監督(中央)と木村主将(左)

市役所を表敬したアランマーレの選手・スタッフ
市役所を表敬したアランマーレの選手・スタッフ


2023年(令和5年) 10月17日(火)付紙面より

ツイート

五百羅漢像130体修復終える 善寳寺 531体安置 プロジェクト8年目全体の4分の1

 鶴岡市下川の善寳寺・五百羅漢堂で、安置されている羅漢像の修復が進められている。約160年の歳月で傷んだ仏像を後世に残そうと2015年に始まった。今年で8年目。今のところ全531体中、130体の修復が終わった。担当する東北芸術工科大学・文化財保存修復研究センターの笹岡直美准教授(48)は「今後も(東北芸工大の)学生と共に貴重な羅漢像の修復を慎重に進め当時の面影を今に伝えたい」と話している。

 善寳寺境内にある五百羅漢堂は1855(安政2)年に建立した。仏像は北前船で財を築いた豪商が寄進したもので、表情やポーズまで同じものは一つもない。北前航路の繁栄を伝える貴重な文化遺産に位置付けられている。

 かつて「亡くなった人の面影をしのぶ五百羅漢」とうたわれたように、写真のない時代は五百体以上の中から死亡した身内に似た顔を見つけて手を合わせたと伝えられる。堂の正面に「釈迦(しゃか)>三尊」と「十大弟子」がまつられ、柱の上には「風神雷神」、左右の段には東西南北を守る「四天王」が安置されている。

 修復プロジェクトは「龍澤山善寳寺奉賛会」(会長・新田嘉一善寳寺最高顧問)が東北芸工大と業務委託契約を結んでスタートした。当時、不明だった作者は京都の仏師「畑次郎右衛門」と仏像に記された「銘文」から分かった。すべて木造で、スギなどを材質に「寄木づくり」で組み立てられている。長い年月が経過し、ほこりがたまったり、虫に喰われて手足が朽ちた仏像も。プロジェクトチームは「現状修復」という手法で仕上げている。

 コロナ禍以降、中止となっていた修復作業の特別公開が15日に現地で行われ市民ら約40人が参加。筆を使って仏像の肩にたまったほこりを取り除く作業を間近に見学した。

 笹岡准教授は「まだ400体を残し進捗(しんちょく)状況は全体の4分の1だが、羅漢堂正面の『釈迦三尊』や『十大弟子』、西側にある仏像の修復を無事に終えることができた。損傷程度は仏像によって差はあるが、今後も現状修復を進めて歴史の重みと風格を取り戻したい」と語った。今のところ羅漢像は2025年度まで54体(計184体)の修復を終わらせる予定。

公開された修復作業。手掛けているのは四天王の中の一体「広目天(こうもくてん)」
公開された修復作業。手掛けているのは四天王の中の一体「広目天(こうもくてん)」

修復の一例。左が修復前で右が修復後
修復の一例。左が修復前で右が修復後



日付の新しい記事へページを移動する日付の古い記事へ

記事の検索

■ 発行月による検索
年  月 

※年・月を指定し移動ボタンをクリックしてください。
※2005年4月分より検索可能です。

  ■ キーワードによる検索
   

※お探しのキーワードを入力し「検索」ボタンをクリックしてください。
※複数のキーワードを指定する場合は半角スペースを空けてください。

  • ニューストップ
  • 最新記事
  • 戻る
ページの先頭へ

ニッポー広場メニュー
お口の健康そこが知りたい
気になるお口の健康について、歯科医の先生方が分かりやすく解説します
鶴岡・致道博物館 記念特別展 徳川四天王筆頭 酒井忠次
酒井家庄内入部400年を記念し、徳川家康の重臣として活躍した酒井家初代・忠次公の逸話を交え事績をたどる。
致道博物館 記念特別展 第2部 中興の祖 酒井忠徳と庄内藩校致道館
酒井家庄内入部400年を記念し、庄内藩中興の祖と称された酒井家9代・忠徳公の業績と生涯をたどる。
致道博物館 記念特別展 第3部 民衆のチカラ 三方領知替え阻止運動
江戸幕府が3大名に命じた転封令。幕命撤回に至る、庄内全域で巻き起こった阻止運動をたどる。
致道博物館 記念特別展 第4部 藩祖 酒井 忠勝
酒井家3代で初代藩主として、庄内と酒井家400年の基盤を整えた忠勝公の事績をたどる。
致道博物館 記念特別展 第5部 「酒井家の明治維新 戊辰戦争と松ケ岡開墾」
幕末~明治・大正の激動期の庄内藩と明治維新後も鶴岡に住み続けた酒井家の事績をたどる。
酒井家庄内入部400年
酒井家が藩主として庄内に入部し400年を迎えます。東北公益文科大学の門松秀樹さんがその歴史を紹介します。
続教育の本質
教育現場に身を置く筆者による提言の続編です。
教育の本質
子どもたちを取り巻く環境は日々変化しています。長らく教育現場に身を置く筆者が教育をテーマに提言しています。
柏戸の真実
鶴岡市櫛引地域出身の大相撲の元横綱・柏戸の土俵人生に迫ります。本人の歩み、努力を温かく見守った家族・親族や関係者の視点も多く交えて振り返ります。
藤沢周平の魅力 海坂かわら版
藤沢周平作品の魅力を研究者などの視点から紹介しています
郷土の先人・先覚
世界あるいは全国で活躍し、各分野で礎を築いた庄内出身の先人・先覚たちを紹介しています
美食同元
旬の食べ物を使った、おいしくて簡単、栄養満点の食事のポイントを学んでいきましょう
庄内海の幸山の幸
庄内の「うまいもの」を関係者のお話などを交えながら解説しています

株式会社 荘内日報社   本社:〒997-0035 山形県鶴岡市馬場町8-29  (私書箱専用〒997-8691) TEL 0235-22-1480
System construction by S-Field