2023年(令和5年) 09月24日(日)付紙面より
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酒田市の東北公益文科大学(神田直弥学長)はこのほど、今春に公益学部を巣立った卒業生234人を対象にした成長実感・教育満足度に関する調査結果をまとめた。それによると、総合的評価は「満足」と回答した学生が4割を超え、「やや満足」を含めるとほぼ9割に達した。直近12年間では最も高い数字。公益大は「コロナ禍でさまざまな制約や不利益を被ったにもかかわらず、公益大の教育を高く評価してくれたのは、面倒見の良さなどが学生に支持されたのではないか」と分析している。
公益大は毎年、4年生が卒業論文を提出する時に成長実感・満足度に関するアンケート調査を実施、過年度との比較を行い、教育環境改善などに役立てている。今回の回収率は100%。まとめによると、総合的評価に関して「満足」が98人(41・9%)、「やや満足」が111人(47・4%)でほぼ9割が高評価。「不満」「やや不満」は合わせて5人のみ。「どちらともいえない」が17人、無回答が3人だった。
今春に巣立った学生は2019年4月の入学で、翌20年2月から今春までほぼ3年にわたってコロナ禍に伴うさまざまな制約や不利益を被った。
これに対して公益大は20年5月、コロナ禍による家計の急変、アルバイト収入の減少などで生活に不安を覚える学生を支援しようと新たな奨学金事業を創設し当時の全学部生(970人)に緊急の支援奨学金5万円、オンライン授業を受けるためパソコンの新規購入・ネットワーク環境の整備が必要な学生には3万円をそれぞれ給付した。多くの大学は貸与の形を取ったが、公益大は返済不要とした。新田嘉一理事長の「地域の、日本の、世界の未来を担う若者が希望を持てるよう、やれることはやらなければ」という強い思いからだった。
コロナ禍で他大学が全授業を休講とする中、公益大は同年4月からいち早くオンライン授業を開始。一方、社会的距離の確保、マスク着用、アルコール消毒液の設置といった感染防止対策を徹底した上で、同年6月には他大学に先駆けて対面型授業を一部再開した。
今回の調査ではまた、ディプロマ・ポリシー(学位授与方針)として公益大が掲げている▽コミュニケーション力・発信力▽国際感覚▽創造力・企画力▽リーダーシップ―の4つの項目全てで「成長」「やや成長」と回答した割合がこれまでの調査より増えた。「公益大を家族や知人に勧めますか」の問いに対しては「ぜひ勧める」「勧める」合わせて過半数を超えた。勧める理由には「教員と接しやすく、授業外を含めサポートが受けやすい」「語学留学を通して大学生活が充実した」「親身に接してくれる教員が多い」「学びの可能性が広がる大学」などがあった。
公益大は今回の調査結果について「コロナ禍で学生たちは相当に苦労したと思う。そのような中でも教職員の熱心さ、面倒見の良さ、学生に寄り添う姿勢が高い評価につながったのではないか」と分析。そして「『満足』の割合をさらに向上させるべく今後もさまざまな改善の取り組みを続けていく」としている。
2023年(令和5年) 09月24日(日)付紙面より
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酒田市楢橋にある森林公園「悠々の杜」の学習広場に設置され、昨年6月に盗難被害に遭ったカブトムシの鉄製モニュメントが、同市八幡地域の数河ノ池(すごうのいけ)で見つかったことが、モニュメント所有者のNPO法人「ひらた里山の会」(同市、佐藤忠智代表理事)への取材で分かった。会員企業で保管しており今後、修復する方針。被害届を受けた酒田署は引き続き窃盗事件として捜査している。
佐藤代表理事によると、モニュメントは、「子どもたちの情操教育に役立ててほしい」という願いを込め庄内町余目在住の男性が2020年3月に寄贈したもので同下旬、子どもたちが自然に親しむ活動を展開する学習広場に設置した。長さ135センチ、高さ40センチ、幅75センチで重さは10キロ余。当時は樹木間にワイヤを2本張り、地上3メートル付近を飛んでいるような形でつるしていた。
悠々の杜一帯の定期整備活動を行っていた会員が昨年6月、ワイヤが切られ、モニュメントが無くなっているのに気付き寄贈者に報告、現場の状況から盗まれた可能性があるとし同20日に被害届を提出した。
今月17日朝、会員企業の一つ、メカニック(同市砂越)の新楯康(こう)取締役(69)が写真投稿アプリ「インスタグラム」を閲覧していたところ、数河ノ池のほとりに見覚えのあるモニュメントが横たわっているのを発見。「うちのカブトムシだ」と早速、佐藤代表理事と同署に報告し、確認のため現地に出向いた。
「モニュメントは池に沈んでいたようだが、今夏の酷暑・少雨で水位が下がり、姿を現したのだろう」(新楯取締役)と。その日のうちに署員が確認し、悠々の杜のカブトムシモニュメントと分かった。鑑識作業など経て21日に返却。1年3カ月ぶりの「再会」に新楯取締役は「盗難が新聞・テレビで大きく報道され、怖くなって池に捨てたのではないか」と。表面がさびている上、一部に穴が開いていることから今後、同社で修復や塗装など施すことにしている。佐藤代表理事は「まずは戻ってきて良かった。再度設置するかどうかを含め今後については会員と相談し決めたい」と話した。
2023年(令和5年) 09月23日(土)付紙面より
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地域内の流通を安価でサポートする日本郵便(本社・東京都千代田区)の新たな配送サービス「ぽすちょこ便」が21日、全国に先駆けて鶴岡市内でスタートした。最寄りの郵便局に物品を持ち込み、郵便車両が郵便局間を輸送。指定された郵便局で相手が物品を受け取る形。郵便車両の空きスペースを利用するため今のところ利用者は限定的だが、ニーズや運搬上の課題などを踏まえた上で、今後サービスの利用者拡大を図るという。
ぽすちょこ便の開設は、櫛引地域産業振興プロジェクト推進協議会が取り組む「くしびきフルーツWeeks」がきっかけ。櫛引地域の果樹生産者と同市内の飲食店による連携企画で、生産者が規格外品を含むフルーツを飲食店に販売し、各店がオリジナルメニューを開発し顧客に提供する。
取り組みの課題の一つが生産者と飲食店間での果物の運搬方法。生産者が各店に配送するのは時間がかかるため、昨年度は試験的に市櫛引庁舎が配送を試みたところ庁舎の負担が大きく、市役所本所に届いた果物を店側が受け取りに出向くのも時間効率が悪かった。
同庁舎の依頼を受けて日本郵便が企画したのが「ぽすちょこ便」。地域内で「ちょこっと運んでほしい」という需要に応えられるようなサービス名にした。現時点で櫛引地域の生産者5人が利用者として登録しており、鶴岡市内の15郵便局が発送・受け取りの拠点となっている。
21日に山添郵便局(鶴岡市上山添)で行われた記者会見で、日本郵便県西部地区連絡会地区副統括局長の堀弘八幡郵便局長がサービス名の「ぽすちょこ便」を発表。同社ロジスティクス事業部の御手洗正夫部長が「運搬・配送に幅広いネットワークを持つ本社が『気軽に使ってもらえるサービス』として開発した。ゆうパックとの差別化のため、個人宅への配送はできないが思い切った料金設定をした」と解説した。
ぽすちょこ便の利用は、日本郵便の専用ウェブサイトで差出人または受取人がアカウントを作成し、配送コースと日時を指定して予約する。差出人が発送場所として予約した郵便局に品物を持ち込み、郵便車両が集配局の鶴岡郵便局を経由して指定された郵便局へ配送する。受取人が予約した時間に来局し、品物を受け取るシステム。
配送に使用するケースは横47センチ、高さ22・5センチ、奥行29センチで、1ケース当たりの価格は290円(税込み)。
同日、リンゴや和ナシなどを発送するため山添郵便局を訪れた生産者の斎藤司さん(60)=三千刈=は「ウェブで手続きが済むのでかなり簡単。個人で配送すると時間がかかり過ぎるので、ありがたいサービス」と話していた。
ぽすちょこ便は郵便車両の空きスペースを利用して配送するため、利用客が急増すると郵便物を運ぶ本来の業務に支障をきたしかねないため、今のところ利用客は櫛引地域の生産者や取引先の飲食店などに限定されている。一方、生産者と飲食店間の配送に係る同様のケースが全国各地にあり、日本郵便は今後、各地域でぽすちょこ便の展開を拡大する方針。