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2023年(令和5年) 05月24日(水)付紙面より

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酒田北港「ブルーインフラに係る実証実験」 CO2削減と魚礁効果探る 石炭灰原料の基盤材海中敷設 国交省酒田港湾事務所 藻場状況など1年にわたり研究・調査

 国土交通省酒田港湾事務所(藤原弘道所長)は22日、酒田市の酒田北港で、藻場などの海洋生態系を活用し、脱炭素化社会に貢献する「ブルーインフラに係る実証実験」を開始した。この日、最も早く作業を行ったのは、総合建設業・酒井鈴木工業と石油資源開発の実証実験共同体(代表・鈴木啓一郎酒井鈴木工業社長)で、石炭灰などを原料にした小割ブロックをネットに入れた基盤材(1袋約1トン)計40袋を海中に敷設した。今後は今月末ごろに海藻「アカモク」の胞子を基盤材に着床させ、藻場の造成状況やCO2吸収効果などを1年にわたり研究・調査する。同共同体の担当者は「小割ブロックでは空隙(くうげき)ができるので、アカモクによるCO2削減効果だけでなく、魚の生育場所にもなる可能性がある。環境にも良い影響があるのではないか」と期待している。

 ブルーインフラは、「藻場・干潟など生物共生型港湾構造物」を意味し、藻場などが吸収するCO2は「ブルーカーボン」ともいわれる。実証実験は同事務所が酒田北港の船溜まりを実験場所として提供し、企業の持つノウハウを生かしながら藻場造成による脱炭素化や生物共生の取り組みを進めようと実施。今年3月に企業・団体に参加を呼び掛け、同共同体を含め5つの企業・団体を選定。今月から実証実験を開始した。

 同事務所では酒田港大浜地区でも2015年から同様の実験を行っており、酒井鈴木工業では砕石などを作る工程で発生する石炭灰を活用し、単独で15年5月に石炭灰とコンクリートを混合した約2立方メートルの定型ブロック計166個を砂浜と消波ブロック間の海中に敷設。翌16年3月には着床し約4メートルに成長したアカモクの群生やハタハタの産卵などが確認できたという。

 今回は大浜地区での実験結果を基に、定型ブロックを小割にして幅約12メートル、奥行き約14メートルのネットに詰めた基盤材計40袋を酒田北港北側の船溜まりに敷設することにした。

 この日は同共同体の作業員らが午前9時から80トンクレーンを使い、一つずつ袋をつり上げて、水深約3メートルの海中に沈めていた。同共同体では年間3―4回、藻の成長状態やCO2吸収量などの調査を行う予定。同事務所によると、他の4企業・団体も来月から順次基盤材などの設置作業を開始するという。

 同共同体では「大浜よりも環境はこちらの方が優しい。順調に行けば今年11月ごろには藻の成長を確認できるのでは。調査を通してCO2の削減効果が実証されれば広く他の地域でも使ってもらいたい」と話していた。

クレーンでつり上げ、基盤材を敷設
クレーンでつり上げ、基盤材を敷設


2023年(令和5年) 05月24日(水)付紙面より

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酒田の花火全国二尺玉花火競技大会 8月5日 1万発の大輪夏の夜空に 4年ぶり“港都”に花咲く

 酒田市の最上川右岸河川敷を会場に毎年8月第1土曜夜に開催している「酒田の花火」に関し、市、酒田商工会議所などで組織する実行委員会は22日、8月5日に全国各地の花火師による2尺玉(20号玉)を使った唯一の競技大会「酒田の花火 全国二尺玉花火競技大会」として開催すると発表した。2020、21年は新型コロナウイルス感染拡大、昨年は最上川の増水の影響でそれぞれ中止となり、開催は4年ぶり。2尺玉を含め約1万発の大輪が夏の夜空を鮮やかに焦がす。

 会場となっている最上川河川敷は、打ち上げ展開幅が延長約2キロに及ぶ上、火薬類取締法施行規則で定められた保安距離を十分確保できることからコロナ禍以前から、市民有志が市に対して2尺玉を活用した競技大会の実施を提案していた。関係者によると、2尺玉は上空600メートル余まで上昇し、直径約500メートルの大輪を咲かせるという。

 花火の打ち上げは8月5日午後7時半から1時間半ほど(荒天時は翌6日に順延)。2尺玉を使った競技花火では、本県唯一の花火製造・安藤煙火店(同市栄町)をはじめ全国の10社ほどがそれぞれ1発ずつ打ち上げる。賞金を準備しており、優勝に50万円、準優勝に30万円が贈られる。

 観覧会場は全席指定のチケット制。チケットの販売は6月1日(木)からインターネットやコンビニエンスストアで。全体で約2万人の来場を見込み、最上川河川公園内の河川敷はチケットがないと入場できない。市民向けに無料の升席250席(1升の定員4人)を用意しており、市広報6月1日号に申し込み方法を掲載する(応募者多数の場合は抽選)。会場内に露店ブースを設け、現時点では自席での飲食・飲酒も可。問い合わせなどは酒田の花火コールセンター=電0120(727)245=へ。


2023年(令和5年) 05月24日(水)付紙面より

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「天神祭」にぎわいづくり 第二学区実行委 ちょうちん飾りキッチンカーも出店

 鶴岡市の天神祭(25日本祭)に向け、鶴岡天満宮のお膝元の第二学区天神祭実行委員会(佐藤豊委員長)が、祭りのにぎわいづくりに取り組んでいる。表通りの羽黒街道から天満宮に続く「天神様の細道」にちょうちんをともして祭礼が近づいていることを知らせるとともに、本祭のパレードコースの沿道に当日は「天神祭屋台」と銘打ったキッチンカーなどによるにぎわい広場を設けるなど、祭りを地元から盛り上げようとさまざまな取り組みを進めている。

 地元住民でつくる同実行委は鶴岡天満宮の神輿(みこし)担ぎ、羽黒街道沿道への祭りの旗設置、朝暘二小の親子への化けもの衣装貸し出しなどに取り組んできた。

 そうした中、今年3月には鶴岡東ロータリークラブ(牧静雄会長)からLEDのちょうちん5つ、第二学区コミセンに掲げる垂れ幕、出店で使用するテントなどの寄贈を受けた。同クラブのメンバーは本祭で化けものに扮(ふん)して盛り上げに一役買うという。

 本祭当日の「屋台」は、同コミセン駐車場に実行委によるうどん(二コミうどん)の出店やお好み焼き、焼き芋スイーツのキッチンカーが登場。近くにある菓子店「謹栄堂」が名物のあんだまをはじめ、団子や草餅、玉こんにゃく、焼きそばなどを販売し、羽黒街道の向かい側にもラムネやビール、揚げ菓子のチュロスのキッチンカーが出店する。

 寄贈で新調された天神様の細道のちょうちんは21日夜から点灯を開始。夕暮れになると5つのちょうちんが明かりを放ち、天神祭が近づいていることを羽黒街道を通るドライバーや歩行者に伝えている。

新調された天神様の細道のちょうちん。お膝元の住民が地元から祭りを盛り上げようと取り組みを進めている
新調された天神様の細道のちょうちん。お膝元の住民が地元から祭りを盛り上げようと取り組みを進めている



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