2023年(令和5年) 09月19日(火)付紙面より
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鶴岡市美原町で敬老会と夏祭りを合わせた新イベント「美原町フェスティバル2023」が17日、同町公民館周辺で行われた。地域の子どもたちによる一足早いハロウィーンパレードや、演歌でお年寄りを楽しませるお茶のみサロンなどさまざまな手作りの催しが繰り広げられた。
同町では町内会が中心となってこれまで6月に敬老会、8月に夏祭りを開催していたが、近年は人材不足にコロナ禍が加わり3年ほど人の集まるイベントを見送ってきた。
今回、敬老の日(18日)を前に、規模をやや縮小しつつも2つの催しを合わせ、お年寄りから子どもまで地域住民に楽しんでもらおうと町内会役員が新たな形のイベントを企画した。
イベントの一つ「プチ・プレ・ハロウィン」は10月末のハロウィーンに先駆けて、仮装した地域の子どもたち30人余りが参加。魔女や小悪魔、吸血鬼などかわいらしい仮装に身を包み、保護者と共に町内をパレードした。魔女の仮装をした朝暘四小3年の齋藤紗來さん(9)は「ちょっと暑いけど楽しい。ハロウィーンが近付いたらまた仮装してみたい」と話していた。
一方、高齢者を対象にした「お茶のみサロン」では、鶴岡市大山三丁目在住の大戸眞澄さんによるギター弾き語り演歌楽講座「演歌で健康づくり」が行われた。大戸さんは元教師の経験を生かし、歌詞の中の単語を挙げて「ここで歌われた『蹴出し』を知っている人はいますか?」「歌にある女性が締める帯を150センチと仮定すると、春と秋のウエスト差は?」などと聴衆に質問。歌と軽妙なトークでお年寄りを大笑いさせていた。
このほか公民館に隣接する駐車場にはカレーや焼き芋、焼き鳥のキッチンカーが出店。町内会が美原町の全戸約840世帯に500円分の買い物補助券を配布しており、お昼時には家族連れでにぎわった。また、アイスリー出版(美原町)や滝川蒲鉾店(本町一丁目)、富樫ろうそく店(山王町)もイベントに協力した。
美原町内会の阿部一也副会長は「近年は超高齢化が影響して60代、70代でも仕事を続ける人が多く、町内会へ参加できる人が少ない。会長不在をはじめ深刻な人材不足となっている。そうした中で2つの催しを合わせ、コンパクトにして開催した。地域住民の評価を聞きながら来年度以降の町内会活動の指標にしていきたい」と話していた。
2023年(令和5年) 09月19日(火)付紙面より
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「酒田のラーメンexpo2023」が17、18日の両日、酒田市役所のイベント広場で開かれ、普段は味わうことのできない5種のラーメンを提供、県内外に「酒田のラーメン」を広く発信し、訪れた多くの人でにぎわった。
市民有志らで組織する実行委員会(小田かほる委員長)が、全国的にも評価が高い酒田のラーメンを広く発信することで、地域経済の活性化、にぎわい創出、交流人口拡大につなげようと、酒田商工会議所、東北公益文科大学ラーメン同好会「麺恋(めんごい)の」などの協力で企画した。
5回目となった今年は、店主相互のつながりを生かし、市内ラーメン店と▽麺屋ようすけ(栃木県佐野市)▽吉祥寺武蔵家(東京都武蔵野市)▽札幌みその(札幌市)▽せたが屋(東京都世田谷区)―がコラボレーションするオリジナルラーメンに加え、文化庁「100年フード」に「酒田のラーメン」が認定されたことを記念し酒田フレンチとのコラボラーメンの計5種が提供された。
初日は朝から強い日が差す中、矢口明子酒田市長らのあいさつの後、料理家で郷土タレントの三浦友加さんのカウントダウンコールでスタート。オープン前からテント前で行列を作っていた来場者に対し、次々とラーメンが提供されていた。
昼前には家族連れなど多くの人で会場のテーブルはほぼ満席に。来場者たちは日中の暑さもものともせずに「おいしい」「この味は好み」と口々に熱々のラーメンを頬張っていた。ラーメンが好きで訪れたという同市亀ケ崎四丁目の板垣勇介さん(42)は「酒田フレンチとコラボのビスクラーメンを選んだ。洋風でいつもの酒田のラーメンとは違うが、庄内らしさもあっておいしい。食べた後の満足感が大きい」と笑顔で話した。
小田委員長は「県外のラーメン店とコラボできたことで、広く『酒田のラーメン』を知ってもらう良い機会になったと思う。今回食材に庄内豚や庄内産小麦を使用してもらっているので、幅広い年代に愛されているラーメンを通して、地場産食材などの周知のきっかけになれば」と話した。
2023年(令和5年) 09月19日(火)付紙面より
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8月22日に鶴岡市のまちなかキネマの定休日を利用して、eスポーツ体験会が開かれた(本紙8月24日付既報)。これを企画したのが山形県eスポーツ連合だ。日本eスポーツ連合初の地方支部として2019年1月に設立され、事務所を酒田市に置く。荒瀬雄二郎会長は「東北はeスポーツの取り組みが遅れており、これから大きく発展する可能性がある」と語る。
都道府県レベルでeスポーツの活用に一番熱心なのは群馬県だ。県庁に「eスポーツ・クリエイティブ推進課」があり、地方創生と県のブランド力向上に取り組んでいる。U19eスポーツ選手権などの全国大会を誘致し、「eスポーツの決戦の地は群馬県」のイメージを発信している。ブランド力の向上は県外に対するだけでなく、地元の若者に対してもアピールし定着促進につなげようとしている。
群馬県ではeスポーツの特性は、(1)高い集客力(2)若者層への訴求力(3)性別や年齢、身体能力を問わず誰でも取り組める(4)オンラインでできる、だと考えて取り組んできた。
注目したいのは(3)の項目だ。これまで述べてきたように、eスポーツは若い世代に「刺さる」ため、若者だけが対象と誤解しやすい。しかし競技者の年齢や身体条件などに関係なく楽しめ、かつ社会的意義を持つことも知っておきたい。
まず加齢によって肉体的スポーツがむずかしくなった高齢者でも参加が可能だ。その結果、社会参加を促し、認知症やフレイル(加齢で筋力や心身の活力が低下した状態)予防に効果的だという報告がある。加えて世代を超えた地域住民間の新たな交流を生み出し、地域コミュニティの活性化に役立つ。
また障がい者のスポーツ参加は現在でも行われているが、パラリンピックのように障がい者同士で競うのでなく、健常者と対等にプレイし、身体のハンディを超えて競技できるのがeスポーツの大きな特徴だ。つまり現代社会が目指す共生社会や、ダイバーシティ(多様性)社会の実現にも寄与できる。
群馬県のように行政がeスポーツを積極的に活用する例はまだ少ない。山形県では関心も低いのが現状だ。前出の荒瀬雄二郎会長は「昨年からメディアの報道が増えてきたので、イベントを通じて多くの人に良さを分かってもらいたい。高齢者対象の体験会も開き、ファン層を拡大したい」と展望を話す。
今後予定されているeスポーツイベントは、10月9日に酒田駅前交流拠点施設ミライニで体験会、10月15日には山形市のイオンモール山形南で、グランツーリスモ7というレース競技の、北日本エリア決勝大会を行う。これには北海道と東北地区の選手が集結する。このように各種の大会を誘致すれば、県外からの集客を期待でき、さまざまな波及効果をもたらす。
こうしたeスポーツ会場として鶴岡のまちキネは最適ではないか。映画の上映設備と音響機器を使えば、迫力と臨場感ある対戦が楽しめ、快適な観客席も備わっている。この施設は人を集める拠点として、もっと活用できるはずだ。
地域の活性化や交流人口の拡大、若者の地元離れ防止はどこの地方にとっても重要課題だが、これという決め手がない。eスポーツは発展途上なので、取り組むのは今がチャンスといえる。思い切った起爆剤に考えてはどうだろう。
論説委員 小野 加州男