2023年(令和5年) 05月23日(火)付紙面より
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広島市で開催された先進7か国首脳会議(G7サミット、19―21日)に、鶴岡市のエルサンワイナリー松ケ岡(早坂剛社長)の「鶴岡甲州2021」(白)と「メルロー2021」(赤)が提供された。同社は「各国首脳や随行員、日本政府関係者に庄内のワインと風土を知ってもらえる貴重な機会に恵まれた」としている。
昨年秋に日本のサミット事務局へサンプルを提出。テイスティングなどの審査で評価を受け、先月下旬に採用の通知が舞い込んだ。同社の川島旭ジェネラルマネージャー(52)は「採用を諦めかけていたので、外務省から連絡が入った時は本当に驚いた」と話し、依頼に応じてボトル12本ずつを届けた。いずれの食事の場面で提供されたかは非公表という。
白の甲州は、250年以上のブドウ栽培の歴史がある同市西荒屋地区の樹齢60年以上の甲州ブドウのみを使ったワイン。「鶴岡甲州2020」は昨春、女性のワイン専門家が審査する国際ワインコンペティション「サクラアワード」で最高賞の「ダブルゴールド」を受賞している。赤は同社のワイナリーがある松ケ岡産メルローで醸造した。
サミットで提供されたワインには22日以降、G7広島サミットの専用ロゴマークを付けて販売することが許可されている。川島さんは「ワインには、その土地の風土が表れる。ワインを通じて庄内と鶴岡の価値、魅力を認識してもらえたのではないか。これからも庄内そのものを感じられるワインを表現していきたい」と話した。ロゴマーク付きワインの問い合わせは、同社のピノ・コッリーナ ファームガーデン&ワイナリー松ケ岡=電0235(26)7807=へ。
2023年(令和5年) 05月23日(火)付紙面より
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酒田まつり本祭りの20日午後、メイン会場となった酒田市中心市街地で、酒田の通史を紹介する「時代行列」が行われ、「荘内藩甲冑(かっちゅう)研究会」によるステージパフォーマンス、「酒田花魁(おいらん)道中」の練り歩きなど、華やかな行列が祭りを大いに盛り上げた。
時代行列は昨年、酒井家庄内入部400年や河村瑞賢による西廻り航路開設350年を祝い初めて企画された。今年はコロナ禍の影響で中止していた名物の花魁道中のほか、地元民たちが扮(ふん)した弁慶、義経、「酒田の開祖」といわれる徳尼(とくに)公や三十六人衆、松尾芭蕉たちと酒田に縁のある歴史上の人物が次々と登場し、パフォーマンスを繰り広げた。伝統芸能の出羽人形芝居や甲冑研究会による殺陣が披露されると、観客からは大きな拍手が湧き上がった。
行列のメインは花魁道中。かつて北前船の繁栄で花柳(かりゅう)界が栄えた酒田の歴史も踏まえ、市内の美容師らによる実行委員会が1994年、祭りを盛り上げようと本祭り山車行列に合わせて初めて実施。4年ぶりとなった今年は花魁や禿(かむろ)、芸者など計10人が出演した。
「酒田きやり保存会」による朗々とした「きやり唄」が披露された後、長唄「元禄花見踊」に合わせ花魁役の安在瑠花さん(23)=鶴岡市布目、動物看護士=が扮した「紅(くれない)太夫」が登場。旧マリーン5清水屋前の約50メートルを練り歩き、往時を思わせる豪華絢爛(けんらん)な行列に多くの観客が見入り、盛大な拍手を贈っていた。
2023年(令和5年) 05月23日(火)付紙面より
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「若者からイノベーションを起こそう!―元マッキンゼーと学ぶ、地域の課題解決に向けた実践的ワークショップ」が17日、酒田市本町一丁目の「Ribbon STATION(リボンステーション)」で行われ、参加者が酒田の地域課題について理解を深めた。
「庄内にオープンイノベーションを広める若者の会」が主催。同会は鶴岡市のバイオベンチャー「スパイバー」(関山和秀代表執行役)に勤める3人が庄内地域の活性化につなげようと、セミナーやワークショップなどを開いている。今回のワークショップのテーマは「若者たちが『酒田にこそチャンスがある』といった夢や希望を抱いてもらうには?」。同会メンバーの佐藤真之介さん(32)らが元マッキンゼー社員でスパイバー執行役員の枡野恵也さん(40)への依頼で企画した。
マッキンゼー・アンド・カンパニー(東京都港区)は1626年に米国のシカゴ大学経営学部教授のジェームズ・O・マッキンゼー氏によって設立された外資系コンサルティング会社。本社は米国にあり、日本でも自動車、エネルギー、ローカルエンターテインメントなど、幅広い職種、機能のオペレーション改善サポートを事業としている。
この日は地域活性化などに関心のある、高校生を含む10―60代の18人が参加。初めに枡野さんがオープンイノベーションについて解説し、「企業と行政、企業と企業などの連携によって起こる技術革新のこと」と話し、市産業振興まちづくりセンター「サンロク」(センター長・安川智之副市長)の活動などを例に挙げて「酒田はすでに多くの革新が生まれていると感じている」と続けた。
その後、参加者は4―5人のグループに分かれ、互いに酒田の地域課題についての考えを付箋に書き出した上で、「発信力の弱さを改善できないか」「空き店舗をうまく活用したい」「起業や新しい取り組みが失敗しても寛容な社会でありたい」など、若者が地元に魅力を感じてもらうには何が必要か、多くの意見が飛び交った。